コラム

理系志望者必見!失敗しない物理の勉強法、志望校別の対策法を解説

2018年09月08日(土)

物理は理系科目の中でもイメージしにくく、とっつきにくい印象があり、基礎理解が難しいと感じる人が多い教科です。

共通テストでも点数を取りにくいと感じている人は多いのではないでしょうか?

しかし、そんな物理も勉強の仕方を工夫すれば、比較的スムーズに基礎を理解できるようになります。

この記事では、物理の効果的な勉強法と共通テストで点を取るための方法をご紹介します。

共通テストで物理を選択している人や、物理の勉強法を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

物理はどうして難しいの?

学校のイラストと?マークと人差し指

物理は他の理科科目と比べて科目のイメージがつきにくく、どことなくとっつきにくい印象があります。

また、基礎の理解が難しく、学び始めの段階でつまずいてしまう人も多いのではないでしょうか。

この項目では、物理が難しく感じられる理由や、つまずきやすいポイントについて解説します。

抽象的で理解しにくい

そもそも、物理は目に見えないエネルギーを扱う教科です。

そのため、何が起きているか体感的にも感覚的にも理解しにくく、基礎原理の理解が最も難しい教科でもあります。

学校の教科書では、想像しにくい概念を硬い文章で説明しているため、より難解に感じて苦手意識を持ってしまうかもしれません。

物理が苦手・難しいと思っている方の多くは、最初にこの基礎部分を理解しようとしてつまずいてしまった経験があるのではないでしょうか。

読解力・言語化能力が必要

物理は、参考書や問題・解答に文章が多く登場するため、内容を理解するうえで基本的な読解力が求められます

他の教科にも共通しますが、解答をさっと確認するだけでは内容を理解できないため、記述された文章を丁寧に読み込むことが重要です。

理系の人が物理を選択する際、読解力の面でつまずきやすい傾向があります。

おすすめの物理勉強方法

勉強している女性

物理の難しさやつまづきやすいポイントを踏まえたうえで、実際に勉強を進める際にはどのような点に注意すればよいのでしょうか?

ここでは、物理のおすすめの勉強法を紹介します。

問題を早めに解く

物理は参考書や教科書を読んでも内容を理解するのが難しい科目のため、もし基礎が理解できない場合は早めに問題に取り組んでみましょう。

演習問題を先に解いてから基礎に戻るほうが、式の意味や公式の使い方を実感しやすく、理屈の理解も深まりやすくなります。

基礎の部分、理屈の部分さえ理解してしまえば、さらにレベルの高い応用問題なども解きやすくなってきます。

もし基礎部分でつまづきそうになったら、問題集の易しいレベルの問題を解いてみて物理のイメージをつかんでみるのがおすすめです。

縦割り勉強で対策する

物理を勉強するときのコツは分野ごとに、縦割りで勉強を進めることです。

つまり、全体を一通り学ぶのではなく、分野ごとに「縦に」区切って集中的に勉強するのがおすすめです。

物理は分野ごとの独立性が高く、ある分野の問題を解く際に他の分野の知識を使うことはほとんどありません。

そのため、物理を学ぶ際は分野ごとにまとめて学習したほうが、理解が深まりやすく効率的です。

力学と電磁気を優先して勉強する

物理は、入試本番で出題される分野に偏りがある科目です。

力学は必須で、電磁気も重要ですが、一方で熱力学と波動はどちらか選択になることが多く、原子の分野が出題されることは少ない傾向にあります。

そのため、力学と電磁気をしっかり学習すれば、入試問題の約3分の2に対応可能だと言えるでしょう。

このように出題比率が偏りがあるため、力学から優先して分野ごとに学ぶことでより効率的に学習を進められます

日大・MARCHレベルの物理の勉強の流れ

ルーズリーフとペン

物理の基本は縦割り学習ですが、ここからは志望校のレベル別に勉強の流れを紹介していきます。

この項目では、日大・MARCHレベルに適した物理の勉強法を解説していきます。

日大・MARCHレベルの物理のおすすめの参考書も紹介していきますので、日大・MARCHを志望している生徒さんはぜひ参考にしてみてください。

受験勉強初期の物理勉強法(日大・MARCHレベル共通)

物理の学習を始めたばかりの方には、『宇宙一分かりやすい高校物理』の「力学・波動」と「電磁気・熱・原子」の2冊を始めることをおすすめします。

この参考書は図が多く直感的に理解しやすいため、初学者の方でもスラスラと読み進めることができるでしょう。

1冊を1ヵ月程度で終わらせるくらいが目安で、付属の問題集もあるので忘れずに解きましょう。

『宇宙一分かりやすい高校物理』と同レベルの問題をさらに解きたい場合は『物理レベル別問題集1 基礎編』もおすすめです。

受験勉強中後期の物理勉強法(日大レベル)

ある程度基礎が身についている方は、『やまぐち健一のわくわく物理探検隊NEO』に取り組みましょう。
内容がしっかり詰まっており、理解をさらに深めるのに適しています。

問題集は『物理のエッセンス』を使い、もし時間に余裕がある人は『良問の風』も並行して取り組むのがおすすめです。

物理学習のコツは分野ごとに区切って進めることです。
『物理のエッセンス』の力学を終えたら、次は『良問の風』の力学に取り組むなど、それぞれの参考書の分野を縦断するように学習しましょう。

『エッセンス』は小問中心、『良問の風』は入試形式の問題が中心です。
どちらも併用することで、はじめて入試に対応できる力が身につきます。必ず両方の問題集に取り組みましょう。

基礎が固まったら、『物理レベル別問題集2 標準編』や『漆原の物理 明快解決法講座』を使って、日大の発展レベルの問題にも取り組んでおきましょう。

受験勉強中後期の物理勉強法(MARCHレベル)

MARCH志望の方は、日大レベルの参考書・問題集に加えて、講義系参考書として『物理教室』、問題集として『物理 入試の核心』に取り組みましょう。

学習の流れとしては、講義系参考書『物理教室』→基礎問題集『物理のエッセンス』『良問の風』→発展問題集『物理レベル別問題集2 標準編』『漆原の物理 明快解決法講座』『物理 入試の核心』→過去問、という順番がおすすめです。

講義系参考書から基礎問題集までは、力学は1ヶ月半、電磁気は1ヶ月、熱・波動・原子はそれぞれ1〜2ヶ月ほどで終えるのが目安です。

やるべき内容が増えるため、計画的にスケジュール管理を行うことが重要です。

早慶・東大レベルの物理の勉強の流れ

勉強している手元

続いて、早稲田・慶應・東大レベルの物理の勉強の流れを紹介します。

合格を目指すうえで役立つ参考書を紹介しますので、学習計画の参考にしてください。

早慶レベルの物理勉強法

早慶レベルを目指す場合、まずは『名門の森』から取り組むのがおすすめです。

早慶理工や旧帝大以上で安定して得点を取りたい人や、MARCHレベルで満点を狙いたい人にもおすすめの一冊です。

『名門の森』の代わりや補助教材として、『漆原の物理 最強の88題』に取り組むのも良いでしょう。

早慶レベルを目指すうえで、時間が限られている場合は、MARCHレベルの参考書を省略しても問題ありません

『名門の森』だけでも早慶レベルの入試に十分対応可能です。自身の進度や状況に合わせて計画を調整しましょう。

東大レベルの物理勉強法

東大レベルを目指す場合は、『重要問題集』を活用してまずは基礎的な得点力を確保しましょう。

掲載されている問題数は厳選されていますが、頻出の重要分野を網羅した構成になっている参考書です。

A問題とB問題に分かれており、A問題はMARCHレベル程度の内容です。『入試の核心』の代用にもなり、B問題まで取り組めば、東大の標準的な問題にも十分対応できます。

仕上げるまでに、3~4ヶ月ほどかかるため、過去問演習などと並行して計画的に進めていきましょう。

失敗しない物理の勉強法|まとめ

物理の最も難しい部分は基礎の理解ですが、ここをしっかりとおさえれば応用問題にも対応できるようになります。

基礎を理解するためには、できるだけ多くの基礎問題に取り組むのがおすすめです。

問題を解けるようになると、式の意味や使い方も理解しやすくなり、基礎の定着もスムーズになります。

物理は分野ごとの独立性が高いため、縦割りで勉強を進めることが効果的です。
特に入試問題の多くは力学と電磁気が中心となるため、それらの分野を優先して1つずつ丁寧に学習していきましょう。

また、志望校のレベルに応じて適切な参考書を選ぶことが重要です。学力やスケジュールに合わせて、計画的に学習を進めましょう。