大学のレベルを表す言葉の1つに「ボーダーフリー(BF)大学」というものがあります。
よく「ボーダーフリー大学なら受験で落ちることはない」なんて言われることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
今回は、「偏差値BF」「ボーダーフリー大学」という言葉について、その意味や受かりやすさについて解説していきたいと思います。
偏差値BFという言葉を知らなかった方、偏差値BFの大学のことをもっと良く知りたい方はぜひご覧ください。
偏差値BF、ボーダーフリー大学とは?

偏差値BF(ボーダーフリー)とは、受験の際の合格ライン(ボーダー)が設定できない大学のことを言います。
大学受験において、合格ラインの偏差値はその大学を受験した人の偏差値によって割り出されます。
受験した人の合否を偏差値別に見ていくと、合格した人と落ちてしまった人の割合がだいたい同じくらいになる偏差値が存在するため、基本的にその偏差値をその大学の合格ラインとすることが多いです。
しかし、この方法は受験する人の人数が少なかったり、ほとんど不合格者が出なかったりすると正確に合格ラインを算出することができなくなってしまいます。
この、データ不足により合格ラインが求められないことを「偏差値BF(ボーダーフリー)」と言い、その大学のことを「BF(ボーダーフリー)大学」と言うのです。
BF大学=Fラン大学?
偏差値が低い大学を指す言葉として「Fラン大学」という言葉がありますが、「BF大学」も「Fラン大学」とほぼ同じ意味で使われることがあります。
正確に言えばBF大学とはデータが少なく合格ラインを出せなかった大学のことであるため、その大学が必ず偏差値の低い大学であるとは限りません。
しかしデータが少ないということは、募集人数が少なく人気が無かったり定員割れしていてほぼ不合格者がいないということです。
つまり、データが取れないほど人気が無い大学であるため、そのほとんどは偏差値40を下回るような大学であり、ほぼ「Fラン大学」と同じということです。
ボーダーフリーなら受験に落ちることはない?

たまに、「ボーダーフリーなら落ちることはない」「名前さえ書いておけば受かる」と言われることがありますが、本当にそうでしょうか?
ここでは、ボーダーフリー大学の受験の難易度について解説します。
偏差値がBFでも落ちることはある
確かに、偏差値がBFなら他の大学・学科に比べて受かりやすいことは事実ですが、「名前さえ書いていれば受かる」ということはありません。
ご紹介した通りボーダーフリーということは受験者数が少ない、つまり倍率が非常に低いということなのでそれほど難易度は高くありません。
また単純に偏差値も低い場合がほとんどですので、テスト自体のレベルや実際の合格ラインもかなり低く設定されていることでしょう。
しかし、あくまでもテストはテストなので、落ちることももちろんあります。
極端な低得点・白紙解答は落ちる可能性がある
偏差値がBFのボーダーフリー大学は不合格者が極めて少ないため事実上の全入状態ですが、極端な低得点や白紙での回答などでは不合格になる可能性があります。
そのような事態を回避するために、テスト当日はボーダーフリー大学だからと言って油断せずしっかりと受験に挑むようにしましょう。
もしBF大学を滑り止めにする場合も舐めてかからずに真面目にテストに取り組むのがおすすめです。
ボーダーフリー大学に進学する意味はある?

このようにボーダーフリーの大学は非常に偏差値の低いFラン大学であることがほとんどであるため、「BF大学だけは行きたくない!」と考えている人も少なくありません。
ここでは、ボーダーフリー大学に進学する意味はあるのかどうかを考察していきます。
就職には不利に働くこともある
ボーダーフリー大学は偏差値が測定できないほどデータが少なく難易度が極めて低い大学であるため、就職に不利に働くこともあります。
就職活動には学歴フィルターというものがあり、ボーダーフリー大学出身であるということで書類選考で足切りされてしまうということもあるでしょう。
そもそも偏差値BFは実質的に最も偏差値が低いレベルの大学ということなので、それよりも少し上の大学なら努力次第で誰でも目指すことができるはずです。
このように、単に就職活動の有利不利で考えるならレベルが低く誰でも合格してしまうようなBF大学にわざわざ行く意味はあまり無いと言えるでしょう。
大卒資格を取得できる
ただしBF大学に行く意味が全く無いかと言うと、必ずしもそうとは限りません。
まず、東京大学を出ようとBF大学を出ようと「大学を卒業した」という事実は変わりません。
しかし、BF大学は他の大学に比べて非常に簡単に合格できるため、少ない努力で「大卒」の資格を手に入れることができるという意味では、BF大学を選ぶのもアリだと言えるでしょう。
特に就活においては大卒でなければ応募できない会社があったりと大卒であるかどうかで大きく違いが出るため、コスパよく大卒の資格を取れるのはBF大学のメリットと言えるでしょう。
その他の資格を取得したい場合も
また様々な資格を取得したい場合も、BF大学ならコスパ良く取得できます。
例えば大学によっては看護・医療系の資格を取得できることがあり、これらの資格もどの大学で取ったとしても取得してしまえば同じです。
教職課程を履修できるボーダーフリー大学もありますので、偏差値が低いけれど資格が欲しいという方にはボーダーフリー大学の入学もおすすめできます。
基本的にはボーダーフリー大学はおすすめできない

資格の取得をしたいなどの目標があってBF大学に行くのなら良いですが、ただラクだからと言ってBF大学に進学することはおすすめできません。
ここではその理由をご紹介いたします。
勉学に励む環境に適していないことがある
BF大学は正直言ってしまうと偏差値が限りなく低い大学であるため、学生も勉強に対してやる気がない人が多いです。
更に大学の規則自体も色々とゆるいことが多いため、サボろうと思えばどれだけでもサボれてしまうというのがBF大学の悪いところです。
そんなBF大学に目標も無いまま入り堕落した生活を送ってしまったら、せっかくの4年間と学費を無駄にしてしまうことになりかねません。
結局どこに行ったとしても頑張れるかどうかは自分次第ではありますが、BF大学は特に堕落しやすい環境になってしまっているため、サボり癖のある人は要注意です。
就職に弱い
人は学歴では測れませんが、こと就職活動においては学歴で判断されることが多々あります。
書類選考で足切りされることもしばしばありますし、「何故この大学を選んだのか?」ともし面接で聞かれたときはっきりと答えられなければ受験勉強を頑張れなかったのだと判断されてしまうでしょう。
就職活動ではSPI試験などの筆記試験もあるので、どちらにせよどこかのタイミングでは勉強を頑張らなければならないことが多いです。
「このボーダーフリー大学でなければダメ」という理由があるのでなければ、未来の自分のためを思って受験勉強を頑張ってみることをおすすめします。
勉強を頑張って上の大学を目指そう

結論としては、やはり基本的にはできる限り努力して偏差値の高い大学を目指しておいた方が良いでしょう。
確かにコスパ良く大学を出たり資格を取得できるのはBF大学の良いところです。
しかし日本はまだまだ学歴社会であるため、就活ではどうしても偏差値が高ければ高いほど有利に立ち回れるようになります。
また、教員免許や有名な国家資格なら、BF大学以外でも取得できる大学はいくらでもあるはずです。
そのため、本当にBF大学でしかできないことがあるならBF大学でも良いかもしれませんが、基本的にはできる限り努力してなるべく偏差値の高い大学を狙った方が、後々就活等で有利になれるでしょう。
偏差値BFまとめ
偏差値BF(ボーダーフリー)とは、不合格者がほとんどいないなどの理由で偏差値の合格ラインを設定できないことを言い、偏差値がBFの大学をBF大学と言います。
BF大学は人気が無いことがほとんどで偏差値も低いため、基本的に「Fラン大学」と同じ意味で使われます。
そのため「名前を書くだけで合格」というほどでは無いですが、他の大学に比べて限りなく入りやすいのは事実でしょう。
コスパ良く入れるという点だけはBF大学のメリットなので、資格取得などを狙っている方にはおすすめできるかもしれません。
ただし、偏差値は高ければ高いほど就職で有利なので、基本的にはできる限り努力して偏差値の高い大学を目指すことをおすすめします。