コラム

受験英語に役立つスラッシュリーディングの効果・やり方とは?

2020年03月23日(月)

普段の授業の予習でも、試験や模試の長文対策でも、長文英語の読解を行うのは時間がかかるし難しく感じてしまいますよね。

「テストや模試で、毎回長文に時間を取られてしまう」「長文読解をもっと出来るようになりたい」という方はスラッシュリーディングを始めてみましょう!

スラッシュリーディングが出来るようになると、文章を頭から読んでも和訳出来るようになるので、長文読解のスピードが上がるだけでなく、リスニング力の向上にも繋がります!

スラッシュリーディングとは?

英語のノート

スラッシュリーディングとは、英語をそのままの順番で読むための方法です。

英語の文章をスラッシュ「/」で区切って読むことからスラッシュリーディングという名前が付きました。

英語を日本語の順番で読むのは効率が悪い

普段のテスト対策のために英文法に注力してしまったり、授業で綺麗な和訳を求められることが多かったりすると、時間が限られている試験や模試でも「和訳は常に綺麗にしなくては」と考えてしまう学生さんは多いのではないでしょうか?

もちろん、和訳を求められる設問にはしっかりとした回答を記入しなければいけませんが、時間をあまり割けない模試や試験の長文に対して綺麗な和訳を用意する必要はないのです。

ではどのように長文読解を進めていけばいいのでしょうか。ここで役立つのがスラッシュリーディングです!


ではスラッシュリーディングについて詳しく知る前に、一旦普通の読み方で英語を訳してみましょう。

例えば、以下のような文があったとします。

・I know that she was born in Tokyo.

これを日本語に訳すと「私は彼女が東京で生まれたことを知っている」となります。

単語や文節ごとに文章を和訳してしまうと、

・①I(私は) ③know(知っている) ②she was born in Tokyo(彼女が東京で生まれたことを)

という順番になってしまい、一度後ろの文章を訳してから戻ってくるため効率が悪くなってしまいます。

スラッシュリーディングはそのままの順番で読む

しかし、スラッシュリーディングでは文のかたまりごとにスラッシュで分けて読んでいくため、わざわざ前の文に戻ることが無く素早く効率的に英文を読むことができます。

「綺麗に和訳する」ということをやめて、「大雑把に分けて意味を掴む」ということがスラッシュリーディングにおいて重要なポイントになります。


先ほどの文をスラッシュで分解すると

・I know / that she was born in Tokyo.

私は知っている / 彼女が東京で生まれたことを

となり、日本語としては違和感があるもののしっかりと意味の分かる文章が出来上がります。

スラッシュリーディングはこのように本来の順番を崩さず読むことで、英語の文法を正しく理解しながら高速で英文を読むことができるという勉強法なのです。

スラッシュリーディングの文章の区切り方

英語のテキスト

スラッシュリーディングでの文章の区切り方はいくつかのポイントはあるものの、厳密なルールは決まっていません。

例えば以下のような2つの区切り方を比べてみてください。

・I can not believe that / I passed this exam.

・I / can not believe / that / I /passed / this exam.

どちらの方が読みやすいと感じましたか?あまり細かく区切り過ぎると読みにくい気もしますが、大切なのは自分がどちらの方が読みやすいと感じるかです。

スラッシュリーディングの目的はそのままの順番で素早く英文を読むというものなので、自分が読みやすいと思った位置で区切っていくことに意味があります。

ただし、最終的にはスラッシュ無しで文章を読めるのが理想的なので、練習していくうちに段々とスラッシュの数を減らせると良いでしょう。

主なスラッシュリーディングの区切り方

一般的に区切る目安として使われているものには以下のようなものがあります。

・前置詞や副詞の前
例)He stayed there / during the vacation.

・動名詞や不定詞の前
例)I’ve finished / reading the book.

・接続詞や関係詞の前
例)I think / that she is ill.

この他にも

・長い主語、長い目的語、長い補語の前
・カンマやコロン、セミコロンの前
・会話文の前後

で区切るのも良いでしょう。CDの音声がある場合には、音声を聞いて読んでいる人が止まった場所で区切るという方法もあります。

ただし一番重要なのはそのままの順番で素早く読めるかどうかなので、区切り方はあまり細かく気にする必要はありません。

パッと見て、意味がわかる場所でスラッシュを入れて和訳することがポイントです。

スラッシュリーディングのやり方・コツ

スラッシュリーディングはスラッシュを入れて読むだけという簡単な方法ですが、いくつかのポイントやコツを覚えておくと上達が早くなります。

やり方①完璧に和訳しすぎないようにする

スラッシュリーディングはあくまでもそのままの順番で素早く読むことに重点を置いています。

若干違和感の残る和訳でも、大まかな意味が汲み取れれば問題ありません。

完璧に和訳することにこだわりすぎて、読むのが遅くなってしまわないように気をつけましょう。

やり方②スラッシュの数が少なくなるようにする

回数を重ねるごとに、スラッシュの数が段々少なくなっていくのが理想的です。

最初は細かく区切って読んでも問題ありませんが、受験で長文を読むときはスラッシュを入れている暇なんてありません。

段々とスラッシュの数を減らしていき、最終的にはスラッシュ無しでスラスラ読めるようになることを目標にしましょう。

スラッシュリーディングの効果

スラッシュリーディングをして得られる一番大きい効果は、英語の長文をスラスラ読めるようになるというものです。

ご紹介したように日本語の文法に直して英文を読むといちいち前に戻らなければならないため非効率的です。

しかしスラッシュリーディングなら長文をそのままスラスラ読めるため、英語の理解力が上がるだけでなく試験で問題を解くスピードも上がります。

長文は特にスピードが命ですので、スラッシュリーディングをマスターすれば長文読解の強い味方になってくれること間違いなしでしょう。

難しい文章を分解して読める

一見すると長くて難しそうに見える文章でも、文の意味ごとに細かく区切って訳せるので読みやすくなるという利点もあります。

長い文章が難しく感じるのは一気に理解しようとするからです。

細かく分ければパーツ1つ1つは大したことがないので、スラッシュリーディングで文章を読めば長い文でも簡単に読めるようになります。

リスニングも上達する

他にはリスニングも上達するという効果もあります。

リスニングも長文のように、理解する速さが重要なポイントです。

スラッシュリーディングの読み方に慣れると聞き取った英文をそのまま理解できるようになるため、リスニングが段違いに早くなります。

スラッシュリーディングの方法をリスニングで活用するときは「スラッシュリスニング」と呼ばれることもあり、リスニングにおいても効果のある勉強方として知られています。

スラッシュリーディングと併せて使いたい読解方法

スラッシュリーディングと合わせて行いたい読解方法は、「設問を先に読む」方法です。

武田塾のYouTubeチャンネル「武田塾チャンネル」でも、長文の解き方などについてご紹介していますが、「長文の設問は先に読んだ方がいい」と解説しています。

長文の大まかなテーマがわかる

長文を1から読んでいっても、テーマを掴むことは出来ますが、設問の文章や、選択肢などを見ることによって全体の長文の大まかなテーマがわかるようになります

「今回は経済の話か」「動物愛護がテーマなんだな」など、全体のテーマがわかることで、読解するときにかなりハードルが下がってきます。

その上でスラッシュリーディングを取り入れると、和訳するスピードも速くなるため、長文読解の問題を解くための時間が多く用意出来るようになります。


もちろん、スラッシュリーディングは時間をかけて練習することで身につくものです。

たくさんの長文に触れて、大雑把でも和訳ができて意味が理解できるように、今日から早速始めてみましょう!

スラッシュリーディングまとめ

スラッシュリーディングは、受験で長文をスラスラ読むのに役立つ勉強法です。

やり方は簡単で、文章をスラッシュで区切って読んでいくだけです。

英語そのままの順番で読むため、より正しい文法で高速に英語を読むことができます。

受験勉強で長文が苦手だなという方は、ぜひスラッシュリーディングを試してみてはいかがでしょうか。

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