英文法の参考書は、書店の棚1つ分あります。
「どれがいいですか」と聞かれることが多いのですが、この質問には正解がありません。
いま自分が何でつまずいているかによって、選ぶべき1冊が変わるからです。
この記事では、英文法の参考書を「理解」「演習」「入試対策」「網羅」の4段階に分け、それぞれの段階で使う参考書と、次に進んでよい基準をまとめます。
武田塾大曽根校で高校生の英語を見てきた校舎長が書いています。
読み終えたときに、いま買うべき1冊が決まっている状態を目指します。
結論は「いまつまずいている場所」で選ぶ
英文法の参考書は、役割が4つに分かれています。
よい参考書を選ぶのではなく、いまの自分に足りない役割の参考書を選びます。
順番を飛ばすと、書いてあることが理解できずに手が止まります。
逆に、すでにできる段階の参考書をもう一度やっても、点は伸びません。
判断の基準は単純です。
文法の説明を読んで意味が分からないなら理解の段階、説明は分かるのに問題で手が止まるなら演習の段階、基本問題は解けるのに入試問題で崩れるなら入試対策の段階です。
英文法の参考書4段階
| 段階 | あなたの状態 | 参考書の種類 | 例 |
|---|---|---|---|
| 1 理解 | 説明を読んでも意味が分からない | 講義系 | 『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】』(ナガセ) |
| 2 演習 | 読んだが身についた気がしない | ドリル系 | 『高校基礎 英文法パターンドリル』(文英堂) |
| 3 入試対策 | 基本は解けるが入試問題で崩れる | 入試問題演習 | 『関正生の英文法ポラリス』(KADOKAWA) |
| 4 網羅 | 抜けている知識を埋めたい | 総合問題集 | 『Vintage 英文法・語法』(いいずな書店)/『Next Stage 英文法・語法問題』(桐原書店) |
参考書には役割があり、組み合わせて初めて意味が出ます。
1冊で全部をまかなおうとせず、段階ごとに持ち替えてください。
悩み別の参考書と使い方
文法用語の説明で止まってしまう
「第5文型」「不定詞の副詞的用法」といった言葉が出た時点で理解が止まるなら、講義系の参考書から始めます。
中学範囲まで戻って説明してくれる本です。
- 『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】』(ナガセ):中学レベルから26講に分けて説明し、各講に確認問題がついています
- 『大学入試 肘井学のゼロから英文法が面白いほどわかる本』(KADOKAWA):説明が丁寧で、音声のダウンロードがついています
- 『安河内の新英語をはじめからていねいに 1入門編』(ナガセ):講義形式で、be動詞・一般動詞から積み上げます
3冊とも役割は同じなので、書店で数ページ読み、自分が読み進められるものを1冊だけ選んでください。
3冊とも買う必要はありません。
講義系を読んだのに、実力になっている気がしない
これは講義系の参考書が悪いのではなく、読むだけで手を動かしていないことが原因です。
文法は、読んで分かることと、書いて選べることが別の能力になります。
ここで使うのがドリル系です。
『高校基礎 英文法パターンドリル』(文英堂)は、選択問題、並べ替え、和文英訳の順に同じ文法事項を扱う構成になっています。
同じ内容を形を変えて3回問われるため、「分かったつもり」がその場で露見します。
講義系で1章読んだら、その範囲をドリルで解く。
この往復を単元ごとに繰り返すのが、いちばん定着が早い進め方です。
基本問題は解けるのに、入試問題になると崩れる
入試の文法問題は、教科書の例文をそのまま出してはくれません。
狙われるポイントが決まっていて、そこを外して覚えていると落とされます。
『関正生の英文法ポラリス』(KADOKAWA)は、実際の入試問題を使い、なぜその答えになるのかを説明する構成です。
レベル別に分かれているので、志望校に合わせて選びます。
基本の理解が終わった人が、入試の出題のされ方に慣れるための1冊です。
抜けている知識を最後に埋めたい
私立大学の一般選抜では、文法・語法の知識問題が独立した大問で出ることがあります。
ここまで来たら、総合問題集で範囲全体をつぶします。
- 『Vintage 英文法・語法』(いいずな書店)
- 『Next Stage 英文法・語法問題』(桐原書店)
どちらも文法・語法・イディオム・会話表現を1冊で扱います。
2冊やる必要はありません。
学校で配られているほうがあれば、それを使い切ってください。
分厚い本なので、最初から通して解くのではなく、間違えた問題に印をつけて2周目以降は印だけを回す形にします。
次の段階へ進む基準
参考書を替えるタイミングは、感覚ではなく数字で決めます。
大曽根校で生徒に伝えている基準です。
- その1冊の範囲を、何も見ずに9割以上正解できる
- 正解した問題について、「なぜその答えか」を口で説明できる
- 1周目に間違えた問題を、2周目・3周目で連続して正解できている
この3つがそろっていないうちに次の参考書へ移ると、後半で必ず崩れます。
逆に、そろっているのに同じ本を4周も5周もするのは時間の無駄です。
やってはいけない参考書の使い方
- 何冊も同時に進める:同じ範囲を別々の説明で読むと、記憶が混ざります。1つの段階につき1冊です
- 分厚い総合問題集から始める:段階4の本は説明が簡潔なので、理解が終わっていない人が読むと手が止まります
- 答えを写して先へ進む:文法は選択肢の理由が言えるかどうかがすべてです。写した問題は解いたことになりません
- 学校の課題と別に、もう1冊増やす:まず学校で配られた1冊を終えられるかを確認してください
英文法が終わったあとに進む先
文法問題集が終わっても、それだけでは長文は読めません。
共通テストの『英語』はリーディング80分100点、リスニング60分100点という配点で、文法単独の大問は置かれていません(大学入試センター 令和9年度出題教科・科目の出題方法等)。
つまり英文法は、それ自体が得点源というより、英文を正確に読むための土台です。
段階3まで終わったら、英文解釈の参考書に進み、1文を構造から読む練習に移ります。
そこまで進んで初めて、覚えた文法が長文の点数に変わります。
よくある質問
英文法の参考書は何冊必要ですか
段階ごとに1冊ずつ、合計3冊から4冊が目安です。
理解のための講義系1冊、演習のためのドリル系1冊、入試対策の問題集1冊、必要なら網羅用の総合問題集1冊です。
同じ段階の本を何冊も買う必要はありません。
『Vintage』と『Next Stage』はどちらを使えばよいですか
どちらも文法・語法・イディオム・会話表現を1冊で扱う総合問題集で、役割は同じです。
学校で配られているほうがあればそれを使ってください。
両方をやる意味はありません。
英文法はいつまでに終わらせるのが目安ですか
高3の夏までに段階3まで終えていると、そのあとの英文解釈と長文演習に時間を回せます。
高1・高2のうちに段階1と段階2を終えておくと、高3のスタートが大きく変わります。
大曽根校では、学年と志望校から逆算して締め切りを決めています。
まとめ
- 英文法の参考書は「理解」「演習」「入試対策」「網羅」の4段階に分かれます
- 選ぶ基準は本の評判ではなく、いま自分がどの段階で止まっているかです
- 次の段階へ進むのは、何も見ずに9割正解でき、理由を説明できるようになってからです
- 文法は長文を読むための土台です。段階3まで終えたら英文解釈へ進みます
武田塾大曽根校の無料受験相談では、いま使っている英文法の参考書を見せてもらい、どの段階で止まっているかを確認したうえで、次に進む1冊と、いつまでに終えるかの締め切りを一緒に決めます。
参考書を買う前の段階でもご相談ください。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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