高2の理系で化学が不安なら、まず手を付けるのは理論分野の復習です。
無機も有機も、理論で習った考え方の上に積み上がっているからです。
理論が穴だらけのまま高3の内容に進むと、暗記量が増えたところで点が伸びません。
「化学は高3で一気にやるものだと聞いた」「学校の進度が遅くて間に合う気がしない」。
武田塾大曽根校の受験相談で、名古屋市北区・東区・守山区の高2生からよく出る相談です。
この記事では、高校化学がどんな内容で構成されているかを文部科学省の学習指導要領から整理し、高2のうちに何をどの順番で終えておくかをまとめます。
大曽根校の校舎長と、理系科目を担当する講師が生徒に伝えている手順です。
高校化学は5つの内容で構成されている
高校の化学は「化学基礎」と「化学」の2科目です。
学習指導要領では、それぞれ次の内容が示されています(文部科学省 高等学校学習指導要領(平成30年告示))。
| 科目 | 内容 |
|---|---|
| 化学基礎 | 化学と人間生活/物質の構成/物質の変化とその利用 |
| 化学 | 物質の状態と平衡/物質の変化と平衡/無機物質の性質/有機化合物の性質/化学が果たす役割 |
受験生が普段「理論・無機・有機」と呼び分けているものを当てはめると、こうなります。
- 理論:化学基礎の全体と、「物質の状態と平衡」「物質の変化と平衡」
- 無機:「無機物質の性質」(典型元素・遷移元素)
- 有機:「有機化合物の性質」(炭化水素、官能基をもつ化合物、芳香族化合物、合成高分子化合物、天然高分子化合物)
この分け方を頭に入れておくと、自分がどこで止まっているかを言葉にできます。
「化学が苦手」ではなく「電離平衡でつまずいている」まで絞れれば、次にやる1冊が決まります。
高2でやるべきことは理論分野の完成
高2の段階でいちばん効くのは、これまでに習った理論分野を解ける状態に戻すことです。
理由は3つあります。
- 理論は無機・有機の土台になる。周期表から性質を整理する無機も、構造から反応を考える有機も、結合と電子の話が前提になります
- 高1・高2で習う範囲は、受験を意識しないまま通り過ぎていることが多い。抜けに気づくのは問題を解いたときです
- 計算の型が身についていないと、高3で演習量を増やしても時間ばかりかかる。物質量と化学反応式、濃度、酸と塩基、酸化還元は、手が止まらない速さまで持っていきたい部分です
学習指導要領を見ると、化学の「物質の変化と平衡」には反応速度・化学平衡・電離平衡が並びます。
ここは化学基礎の酸と塩基、酸化還元をそのまま延長した内容です。
基礎が曖昧なまま平衡に入ると、式は追えても何を計算しているのか分からなくなります。
有機分野が重くなる理由
高3で扱う分野のうち、時間がかかるのは有機です。
理由は、暗記と理解を同時に問われるからです。
- 構造式や官能基の名前を覚える暗記の側面
- その構造から反応を予測し、元素分析の数値から分子式を決める計算の側面
学習指導要領でも、有機化合物の性質は「炭化水素」「官能基をもつ化合物」「芳香族化合物」に加えて、合成高分子化合物と天然高分子化合物まで含みます。
範囲が広く、しかも入試では構造決定という形で総合的に問われます。
有機を短期間で仕上げようとすると、暗記だけで押し切ることになります。
高2のうちに理論を固めておけば、有機に入ったときに「なぜその反応が起きるか」を電子の動きで理解でき、覚える量そのものが減ります。
高2の冬から高3春までの進め方
大曽根校で理系の生徒に伝えている進め方です。
学校の進度は高校によって違うので、時期は目安として使ってください。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高2の冬 | 化学基礎の全範囲を、講義系参考書と基礎問題集で1周する。物質量の計算を止まらずに解けるまで戻す |
| 高2の学年末 | 理論のうち学校で習った範囲(状態変化、気体、溶解度、熱化学、電池と電気分解)を問題集で確認する |
| 高2の春休み | 理論の残りと、無機の典型元素に着手する。ここまでで「理論は一通り解ける」状態を作る |
| 高3の春 | 無機を一気に仕上げ、有機に入る。学校の進度より先に進めておく |
| 高3の夏 | 有機と高分子を終え、標準レベルの演習に入る |
春休みは、学校の課題と定期テストが同時に来ない数少ない時期です。
まとまった時間で理論を1周し直すには向いています。
進め方の原則は1つです。
1冊を完璧にしてから次に進むこと。
参考書を何冊も並行すると、どれも6割の理解で止まります。
大曽根校では、宿題として出した範囲を確認テストで測り、解けなかった問題だけをもう一度やってもらう形で進めています。
参考書は講義系と問題集をセットで使う
化学は、読んで理解する本と、手を動かす本を分けて使います。
| 役割 | 使い方 |
|---|---|
| 講義系参考書 | 初めて学ぶ単元、学校の授業で分からなかった単元を読む。読むだけで終わらせない |
| 基礎問題集 | 読んだ範囲をその日のうちに解く。解けなかった問題に印を付ける |
| 標準・応用の演習書 | 理論・無機・有機が一通り終わってから。入試レベルの複合問題に慣れる |
順番を飛ばして応用の演習書から始めるのが、いちばん多い失敗です。
解説が「基礎は分かっている前提」で書かれているため、読んでも身につきません。
共通テストの理科は2科目で130分
国公立大学を目指す場合、理科は共通テストでも必要です。
大学入試センターが公表している出題教科・科目では、理科の枠組みは次のとおりです(大学入試センター 令和9年度大学入学共通テスト)。
- 『化学』は理科の出題科目の1つ。『物理』『生物』『地学』と並びます
- 2科目を選択する場合、試験時間は130分(うち解答時間120分)、配点は200点
- 1科目選択の場合は60分・100点
- 『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』は4つのうち2つを選び、各50点
- 『情報Ⅰ』も60分・100点で課されます
理系は「化学+物理」または「化学+生物」の2科目選択が多くなります。
2科目で120分を解ききるには、迷わず処理できる単元をどれだけ増やせるかが効きます。
高2のうちに理論を固めておく意味は、ここにもあります。
よくある質問
高2のうちに化学はどこまで終わらせておくべきですか
理論分野を「解ける」状態にしておくのが目標です。
具体的には、物質量と化学反応式の計算、酸と塩基、酸化還元、熱化学、電池と電気分解を、問題集の標準問題で止まらずに解けるところまでです。
無機と有機は高3の春から夏で仕上げる前提で組めます。
学校の化学の進度が遅く、有機が高3の秋になりそうです
学校の進度に合わせると、有機の演習時間が取れません。
参考書を使って自分で先に進めてください。
有機は独学しやすい分野です。
構造と反応のつながりを講義系参考書で追い、その日のうちに問題集で確認する形なら、学校の授業を待たずに進められます。
化学と物理はどちらを選ぶべきですか
志望する学部の指定科目を先に確認してください。
指定がなければ、高2の時点での得意不得意より「その科目の問題を解いているときに手が動くか」で選ぶほうが後悔が少ないです。
大曽根校の受験相談では、志望校の要項で必要な科目を一緒に確認したうえで判断しています。
まとめ
- 高校化学は「化学基礎」と「化学」の2科目で、化学は5つの内容に分かれています
- 高2でやるべきは理論分野の完成。無機と有機は理論の上に積み上がります
- 有機は暗記と計算を同時に問われるため時間がかかる。高3の春から夏に時間を確保します
- 共通テストの理科は2科目で130分・200点。処理の速さが必要なので、基礎の定着が効きます
武田塾大曽根校の無料受験相談では、今の化学がどの単元で止まっているかを確認し、志望校の理科の配点から逆算して、いつまでにどの参考書を終えるかを一緒に決めます。
学校の進度と受験の進度が合っていないと感じている高2の方はご相談ください。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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