英文解釈でSVOCを振るときは、主語からではなく動詞から探します。
動詞を1つ決めれば、その左が主語、右が目的語か補語という順で決まっていくからです。
文の頭から順に読んで訳そうとすると、長い主語や挿入で必ず迷子になります。
「SVOCを振れと言われても、どこから手を付ければいいのか分からない」。
武田塾大曽根校の受験相談で、英文解釈の参考書を始めたばかりの高2・高3生からよく出る質問です。
この記事では、SVOCを振る手順と、日本の高校生がつまずきやすい構文パターンごとの見分け方をまとめます。
大曽根校の校舎長と、英語を担当している講師が生徒のノートを見ながら伝えている手順そのものです。
単語と英文法を一通り終えた人が読む前提で書いています。
SVOCを振る手順は4つ
1文につき、次の順番で処理します。
- 動詞を探す。文の中で「時制を持っている動詞」に印を付けます。ing形や過去分詞、to不定詞は主役の動詞ではないので、いったん外します
- その動詞の主語を決める。動詞の左にさかのぼり、どこからどこまでが主語かを線で区切ります
- 動詞の右を見て、目的語か補語かを決める。動詞の意味と数で決まります
- 残りを修飾のカタマリとしてカッコでくくる。前置詞句、to不定詞、分詞、関係詞節が対象です
順番を守ることが大事です。
1と2を飛ばして頭から訳すと、主語が長い文で必ず崩れます。
カッコをくくったあとに残るのが、文の骨組みです。
骨組みだけを先に訳し、あとからカッコの中身を戻していくと、長い文でも意味がずれません。
つまずきやすい構文パターン
大曽根校で生徒のノートを見ていて、間違いが集中するのは次の5つです。
| 構文 | 目印 | 処理のしかた |
|---|---|---|
| 主語が長い | 主語のあとにof、that節、関係詞が続く | 時制を持つ動詞を先に見つけ、そこまでを主語として区切る |
| to不定詞 | to+動詞の原形 | 名詞・形容詞・副詞のどの働きかを決める。位置で判断する |
| 分詞の後置修飾 | 名詞の直後のing形・過去分詞 | 直前の名詞にかかる。関係代名詞+beが省略された形として読む |
| 関係代名詞の省略 | 名詞のあとに名詞+動詞が続く | 名詞と名詞の境目に関係代名詞を補って読む |
| 等位接続詞のand | and、but、or | 何と何を結んでいるかを特定する。品詞と形が同じものが結ばれる |
このうち、答案の失点につながりやすいのは4つめと5つめです。
関係代名詞の省略は、目印が「何もない」ことなので、意識しないと気づけません。
andは、直前の1語だけを結んでいると思い込んで訳すと、文全体の意味が変わります。
もう1つ、挿入と同格のthatも要注意です。
カンマとカンマ、ダッシュとダッシュに挟まれた部分は、いったん外して読むと骨組みが見えます。
名詞の直後のthat節が「〜という」と訳せるなら同格で、その名詞の内容を説明しています。
直訳から答案にする2段階
英文解釈の勉強では、まず直訳を書きます。
きれいな日本語にしようとしないでください。
直訳のままのほうが、構造を取り違えたときに自分で気づけます。
答案として仕上げるのは次の段階です。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 第1段階 直訳 | カッコとSVOCの通りに、語順に忠実に訳す |
| 第2段階 調整 | 日本語として不自然な部分だけ直す。修飾の順番を入れ替える、代名詞の指す内容を補う |
第2段階でやりすぎると、構造を無視した意訳になります。
国公立大学の二次試験で和訳が出る場合、見られているのは英文の構造を正しく取れているかです。
日本語の美しさで点が増えることはありません。
大曽根校で生徒の和訳を確認するときは、次の4点を見ています。
- 主語と動詞の対応が合っているか
- 修飾のカタマリが正しい語にかかっているか
- 単数・複数、時制、否定の範囲が訳に出ているか
- 代名詞が何を指すか分かる形になっているか
自分の訳が合っているかを確かめる方法
答え合わせで「だいたい合っていた」で終わらせると、次の文に活きません。
判定の基準は、訳が合っていたかではなく、構造の取り方が合っていたかです。
確かめ方は簡単です。
自分より英語が苦手な人に、なぜその訳になるのかを説明してみてください。
- 「ここがS、ここがVで、このing形は前のnameにかかっています」と言えるか
- 「なんとなくこう読んだ」以外の理由を出せるか
説明できないところが、そのまま弱点です。
説明する相手がいなければ、ノートに文章で書いても同じ効果があります。
書けない文は、理解できていない文です。
1週間の進め方
英文解釈は、量より1文あたりの深さで決まります。
大曽根校で出している進め方の目安です。
| 曜日 | やること |
|---|---|
| 月〜木 | 1日4〜6文。SVOCを振り、直訳を書き、解説と照合する |
| 金 | その週にやった文のうち、構造を取り違えた文だけをもう一度自力で訳す |
| 土 | 週の範囲を通しで確認する。解説を閉じた状態で訳せるかを試す |
| 日 | 予備日。遅れを取り戻すか、英単語の復習に使う |
金曜と土曜の復習を入れないと、1周しても定着しません。
解説を読んで納得した時点で止めるのが、いちばん多い失敗です。
英文解釈は共通テストにも効く
和訳が出るのは国公立大学の二次試験ですが、英文解釈の効果はそこだけではありません。
共通テストの『英語』は、「英語コミュニケーションⅠ」「英語コミュニケーションⅡ」「論理・表現Ⅰ」を出題範囲とし、リーディングが80分100点、リスニングが60分(うち解答時間30分)100点で、原則として両方を受験します(大学入試センター 令和9年度大学入学共通テスト)。
リーディングは分量が多く、1文に時間をかけていては最後まで届きません。
速く読むために必要なのは、速読の技術より「1文を迷わず処理できること」です。
構造を取る作業が自動化されていれば、読み返しが減り、その分だけ時間が生まれます。
英文解釈は、遠回りに見えて共通テストの時間対策にもなります。
よくある質問
SVOCは長文を読むときも毎回振るのですか
いいえ。
英文解釈の練習中は毎回振りますが、長文を読むときは意味の取れない文だけに振ります。
目的は、振らなくても構造が見える状態にすることです。
練習で振り続けることで、本番では振らずに読めるようになります。
英文解釈の参考書はどのレベルから始めればよいですか
英文法の問題集を1冊終えていて、名詞・形容詞・副詞の働きの違いを説明できるなら、基礎レベルの英文解釈から始められます。
説明できない場合は、英文法の総復習に1〜2週間戻ってからのほうが結果的に早く進みます。
自分のレベルより上の本から始めるのが、いちばん多い失敗です。
直訳と意訳はどちらで答案を書けばよいですか
構造に忠実な直訳を土台にして、日本語として不自然な部分だけを直した形が答案になります。
構造が反映されていない意訳は、内容が合っていても構造を取れていない答案と区別がつきません。
まずは直訳を書けるようにしてください。
まとめ
- SVOCは主語ではなく動詞から探します。動詞を決めると主語と目的語の位置が決まります
- 失点が集中するのは、長い主語、to不定詞の用法、分詞の後置修飾、関係代名詞の省略、andが結ぶもの
- 答案は直訳を土台にして、不自然な部分だけを調整します
- 解説を読んで納得した時点で止めず、閉じてもう一度訳すところまでやります
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長文が読めない原因が分からず止まっている方はご相談ください。
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