「単語も文法もやったのに、長文になると読めません」。
武田塾大曽根校の受験相談で、高2の秋から高3にかけていちばん多く聞く相談です。
読めない理由は人によって違います。
同じ「読めない」でも、単語が足りない人と、1文の構造が取れていない人と、読む速度が足りない人では、次にやる勉強がまったく変わります。
この記事では、自分がどこで詰まっているのかを切り分ける方法と、多くの人が抜けている「英文解釈」の進め方を整理します。
大曽根校の校舎長がまとめました。
結論を先に書きます。
単語と文法をひととおり終えたのに長文が読めない人の大半は、英文解釈が抜けています。
英文解釈とは、1文を文法の知識を使って正確に訳す訓練のことです。
長文は文の集まりなので、1文が正確に訳せない状態で長文の問題集を何冊解いても、雰囲気で読む癖が固まるだけで読解力は上がりません。
長文が読めない原因は4つに切り分けられる
まず、自分がどこで止まっているかを特定します。
英語長文でつまずく原因は、次の4つのどれかです。
| 原因 | 症状 | 次にやること |
|---|---|---|
| 単語不足 | 1文の中に知らない単語が3つ以上ある | 単語帳をもう1周する |
| 文法の抜け | 単語は全部わかるのに文の意味がつながらない | 英文法の問題集に戻る |
| 解釈の未習 | 単語も文法もわかるのに、訳すと日本語が変になる | 英文解釈を始める |
| 処理速度の不足 | 時間をかければ訳せるが、時間内に終わらない | 長文演習と音読を増やす |
切り分け方は簡単です。
時間制限を外して、辞書なしで長文を1つ読み、日本語訳を書いてみてください。
知らない単語が1文に3つ以上出てくるなら単語不足です。
単語は全部わかるのに意味がつながらないなら文法の抜けです。
単語も文法もわかるのに訳した日本語が不自然なら、それが英文解釈の未習です。
そして、時間をかければ正確に訳せるのに試験時間内に終わらないなら、処理速度の問題なので長文演習の段階に進んでいます。
この記事で扱うのは3つ目です。
大曽根校の相談でいちばん多いのもここです。
英文解釈とは1文を正確に訳す訓練
英文解釈とは、1文の構造を文法の知識で分析し、正確な日本語に置き換える訓練です。
「なんとなくこういう意味だろう」ではなく、「この単語がこの働きをしているから、この訳になる」と説明できる状態を目指します。
長文は文の集まりです。
1文を正確に読める力がないまま長文を読むと、知っている単語をつなげて内容を推測する読み方になります。
この読み方は、易しい文章では通用しますが、構造が複雑な文が出た瞬間に破綻します。
そして入試の長文では、その複雑な文にかぎって設問の傍線が引かれています。
名古屋大学の英語で問われている力
「正確に読む」ことがどれだけ求められているかは、大学が公表している出題方針を読むとはっきりします。
名古屋大学は個別学力検査の英語について、次のように書いています。
リーディングとライティングの問題を通して、英語で表現された情報を正確に把握する力と英語を使って発信する力があるかどうかを問う。
リーディングの総合問題では、論旨の展開をおさえながら読み、書かれた内容を正確に理解する力や、文脈に即して作者の意図を読み解く力を測定する。
出題方針で先に置かれているのは「正確に把握する力」です。
速く読む力ではありません。
前期日程の外国語の試験時間は105分あり、雰囲気で流し読みする速さより、書かれている内容を落とさずに読む正確さが求められる構成になっています。
このことは名古屋大学に限りません。
訳が雰囲気になっていると、下線部和訳では減点され、内容説明では設問の答えがずれます。
速く読む練習は、正確に読めるようになってからで間に合います。
英文解釈の進め方
大曽根校で生徒に指示している手順です。
1文につき、次の順番で進めます。
- 何も見ずに、主語(S)・動詞(V)・目的語(O)・補語(C)を書き込む
- 形容詞のまとまりと副詞のまとまりをカッコでくくり、どの語にかかるかを矢印で示す
- その構造にもとづいて、直訳の日本語を紙に書く
- 解答解説と照らし合わせ、構造の取り方が違った箇所に印をつける
- 印をつけた文だけ、翌日にもう一度やり直す
3の「紙に書く」を飛ばす人が多いのですが、ここが要です。
頭の中で訳すと、実際には訳せていない箇所を無意識に飛ばします。
書くと飛ばせません。
訳は直訳で構いません。
こなれた日本語にするのは後の段階です。
まずは「この単語がこの働きをしている」を訳文に反映させることを優先してください。
4で照らし合わせるとき、見るのは訳が合っているかどうかではなく、構造の取り方が合っていたかどうかです。
訳がたまたま合っていても、主語の取り方が違っていたなら、それは印をつける対象です。
訳が合っているかを自分で確かめる方法
ひとりで進めるときの確認方法があります。
自分より英語が苦手な人に、その訳になる理由を説明できるかどうかです。
「なぜここが主語なのか」「なぜこの部分がこの語にかかるのか」を、文法用語を使って説明できるなら理解できています。
「なんとなくこう読める」としか言えないなら、まだ雰囲気で読んでいます。
実際に人に説明する必要はありません。
声に出して自分に説明してみるだけで、説明できない箇所ははっきりします。
大曽根校の特訓でも、確認テストのあとにこの説明を求めています。
答えが合っているかより、根拠を言えるかを見るためです。
長文演習へ移ってよい目安
英文解釈から長文に移るタイミングの目安です。
- 使っている解釈の参考書を1冊終え、2周目で構造の取り方を9割正しく再現できる
- 初めて見る英文でも、時間をかければ主語と動詞を特定できる
- 訳した日本語を読み返して、自分で意味が通っていると判断できる
この3つがそろってから長文の問題集に入ると、演習の効果がまったく違います。
逆に、ここが不十分なまま長文に入ると、解説を読んで「なるほど」と思って終わり、次の文章でまた同じ場所でつまずくことを繰り返します。
長文に入ったあとも、解いた文章の中で構造が取れなかった文は解釈と同じ手順で処理してください。
長文演習と英文解釈は、どちらかで終わるものではなく、並行して続けるものです。
英文解釈で使う参考書のレベル別の選び方は、別の記事にまとめています。
英文法を終えた直後の人はそちらから読んでください。
よくある質問
英文解釈はいつから始めればいいですか
英文法の問題集を1冊終えた直後です。
単語帳と英文法が終わっていない段階で解釈に入ると、構造以前に単語と文法で止まってしまい、時間だけがかかります。
逆に、英文法が終わっているのに長文へ直行するのがいちばん多い失敗です。
英文解釈をやらずに長文問題集を解き続けてはいけませんか
解いても構いませんが、伸び方が変わります。
1文を正確に訳せない状態では、長文を解いても答え合わせと解説の読み込みで終わり、次の文章で同じ場所につまずきます。
下線部和訳や内容説明のある大学を受けるなら、解釈を飛ばした分は結局あとで戻ることになります。
訳は直訳のままでいいのですか
学習段階では直訳で構いません。
直訳は構造の理解を確認するための道具です。
入試の答案でこなれた日本語に整えるのは、構造が正しく取れるようになってからで間に合います。
順番を逆にすると、意訳で構造の理解不足を隠してしまいます。
まとめ
- 長文が読めない原因は、単語不足・文法の抜け・解釈の未習・処理速度の4つに切り分けられる
- 単語も文法もわかるのに訳が不自然なら、抜けているのは英文解釈
- 進め方は、構造を書き込む、直訳を紙に書く、構造の取り方を照合する、翌日にやり直す
- 名古屋大学の出題方針でも、先に置かれているのは「正確に把握する力」
武田塾大曽根校の無料受験相談では、いま持っている単語帳と参考書を見ながら、あなたが4つのどこで詰まっているのかを切り分け、次に取り組む1冊とその進め方を一緒に決めます。
長文問題集を解いても伸びない状態が続いているなら、一度ご相談ください。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
名古屋市北区・大曽根駅の予備校・個別指導塾|武田塾大曽根校
〒462-0810 愛知県名古屋市北区山田1丁目4-30 ファーストヒビノビル2F・4F
地下鉄名城線・JR中央線・名鉄瀬戸線 大曽根駅 徒歩1分
TEL:052-982-6603(受付 13:30〜22:00、日曜休)
Mail:ozone@takeda.tv