名古屋大学の二次試験の英語は、前期日程の全学部で試験時間105分です。
出題は「読解」「会話文」「ライティング」の3種類で、大学は要項で「英語の専門書を読み、英語で論文を書いて口頭発表するために必要な基礎力」を測ると明言しています。
「名大の英語は難しいと聞くけれど、何から手を付ければいいか分からない」。
武田塾大曽根校の受験相談で、高2から高3の受験生に最も多い質問です。
難しさの正体が分からないまま参考書を増やしても、点数は動きません。
この記事では、名古屋大学が公表している要項をもとに、英語で何が問われるか、学部ごとに英語がどれだけ重いか、そして対策をどの順番で進めるかを整理します。
数字と出題方針はすべて大学公式の要項からの引用です。
大曽根校の校舎長がまとめました。
名大英語で問われる3つの力
名古屋大学は選抜要項の「個別学力検査実施教科・科目の出題方針」で、英語について次のように示しています(名古屋大学 令和9年度入学者選抜要項)。
| 問題の種類 | 要項が挙げている「測る力」 |
|---|---|
| リーディングの総合問題 | 論旨の展開をおさえながら読み、書かれた内容を正確に理解する力/文脈に即して作者の意図を読み解く力 |
| 会話文形式のリーディング問題 | 談話の流れに沿って内容を把握する力/英語の質問に英語で答える力 |
| ライティングの問題 | 適切な単語・表現・文法を使って自然な英文を書く力/自身の意見を英語で論理的かつ正確に表現する力 |
ここで見落とされやすいのが、会話文の欄にある「英語の質問に英語で答える力」です。
会話文は「読む問題」に見えますが、要項の時点で解答を英語で書くことが求められています。
読解と英作文を切り離して考えていると、この大問で手が止まります。
出題範囲は「英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ」「論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」の6科目をあわせて出題される、と要項に記載されています。
試験時間は105分
前期日程の外国語は、全学部が初日の10時00分から11時45分に実施されます。
105分をどう配分するかは、当日ではなく普段の演習で決めておく必要があります。
大曽根校で名大志望の生徒に伝えている目安は、次の配分です。
- 長めの読解問題:1題あたり30分前後
- 会話文:20〜25分
- ライティング:25〜30分
- 見直し:5〜10分
この配分は年度の構成によって変わります。
大事なのは配分の数字そのものではなく、「解く前に時間を割り振り、超えたら切り上げる」練習を過去問演習のたびに繰り返すことです。
ライティングは最後に回すと時間切れになりやすいので、書き出しだけ先に済ませる受験生もいます。
学部によって英語の重さが違う
同じ問題を解いても、学部によって英語の持つ意味は変わります。
令和9年度の一般選抜前期日程における、個別学力検査の外国語の配点は次のとおりです。
| 学部・学科 | 個別 外国語 | 個別 合計 | 外国語の比率 |
|---|---|---|---|
| 文学部 | 400 | 1,200 | 33% |
| 教育学部 | 600 | 1,800 | 33% |
| 法学部 | 200 | 600 | 33% |
| 経済学部 | 500 | 1,500 | 33% |
| 情報学部 人間・社会情報学科 | 700 | 1,100 | 64% |
| 情報学部 自然情報学科 | 400 | 1,100 | 36% |
| 情報学部 コンピュータ科学科 | 300 | 1,300 | 23% |
| 理学部 | 300 | 1,500 | 20% |
| 医学部 医学科 | 600 | 1,800 | 33% |
| 医学部 保健学科 | 500 | 1,650 | 30% |
| 工学部 | 300 | 1,300 | 23% |
| 農学部 | 400 | 1,550 | 26% |
出典:名古屋大学 令和9年度入学者選抜要項(比率は個別学力検査の合計に占める外国語の割合)
この表から分かることは2つあります。
- 情報学部の人間・社会情報学科は、個別学力検査1,100点のうち700点が外国語です。地歴か数学のどちらか1教科400点と英語700点という配点なので、この学科では英語が合否を決めます
- 理学部・工学部・コンピュータ科学科は外国語300点で、数学と理科がそれぞれ500〜600点です。英語を捨ててよいという意味ではありませんが、時間配分の優先順位は理数に置くのが合理的です
志望学部が決まっているなら、この比率を見てから英語に割く勉強時間を決めてください。
読解の対策は「論旨をたどる」練習から
要項が読解で挙げているのは「論旨の展開をおさえながら読む」力です。
単語が全部分かっても、段落同士の関係が見えなければ設問には答えられません。
進め方は次の順番です。
- 単語と文法を先に終える。読解の演習中に単語を調べている段階では、論旨をたどる練習になりません
- 英文解釈で1文を正確に取る。主語と述語、修飾関係を自分で説明できるようにします。ここを飛ばして長文に入ると、なんとなく読む癖がつきます
- 長文で段落の役割をたどる。各段落が「主張」「具体例」「反論」「まとめ」のどれかを、読みながら余白に書き込む練習をします
- 過去問で設問形式に慣れる。名大の設問は内容説明と和訳が中心なので、日本語で答えを書く練習も必要です
3番目の「段落の役割をたどる」が、名大の読解に一番効きます。
設問が「筆者はなぜそう述べているか」という形で問われるため、答えの根拠が本文のどこにあるかを構造で押さえられるかどうかが分かれ目になります。
英作文は和文英訳から始める
ライティングでいきなり自由英作文の練習を始めるのは、遠回りです。
理由は単純で、書けない原因のほとんどが「英語で言いたいことが浮かばない」ではなく「英語の型のストックがない」ことにあるからです。
順番はこうなります。
| 段階 | やること | 到達の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 例文集で文法・構文の型を覚える | 日本語を見て英語がすぐ出る |
| 2 | 和文英訳の問題集で書く | 減点されない英文が書ける |
| 3 | 自由英作文の型を学ぶ | 主張・理由・具体例・まとめの構成で書ける |
| 4 | 過去問で書き、添削を受ける | 制限時間内に書き切れる |
1と2を飛ばして3から入ると、内容は思いついても英文が崩れます。
逆に1と2が終わっていれば、3に必要な時間は思ったより短くて済みます。
添削は独学で代替しにくい部分です。
自分の英文の誤りは、自分では見つけられません。
学校の先生でも塾でも、誰かに見てもらえる状態を高3の夏までに作っておいてください。
よくある質問
名古屋大学の英語の二次試験は何分ですか
前期日程の外国語は、全学部が10時00分から11時45分の105分です。
令和9年度入学者選抜要項の「個別学力検査の試験時間」に記載されています。
名大英語で自由英作文の対策はいつから始めるべきですか
英単語・英文法・英文解釈が終わり、和文英訳で減点されない英文が書ける状態になってからです。
高3の夏前後が一つの目安になりますが、時期よりも段階が先です。
土台がないまま自由英作文の演習を重ねても、同じ誤りを繰り返すことになります。
理系でも名古屋大学の英語に時間をかけるべきですか
学部の配点で判断してください。
理学部・工学部は個別学力検査の外国語が300点で、数学・理科がそれぞれ500〜600点です。
英語は基礎を落とさない水準を確保し、伸ばす時間は数学・理科に寄せるほうが合計点は上がります。
一方、情報学部の人間・社会情報学科は個別1,100点中700点が外国語なので、判断が逆になります。
まとめ
- 名大の二次英語は前期日程の全学部で105分。出題は読解・会話文・ライティングの3種類です
- 会話文は「英語の質問に英語で答える力」を測ると要項に明記されています。読解と英作文を分けて考えないでください
- 英語の重さは学部で大きく違います。情報学部の人間・社会情報学科は個別1,100点中700点が外国語です
- 対策の順番は、単語と文法、英文解釈、長文、過去問。英作文は例文暗記から和文英訳を経て自由英作文へ進みます
武田塾大曽根校の無料受験相談では、志望学部の配点を要項で一緒に確認したうえで、英語に割く時間の上限を決め、単語から過去問までの参考書の順番と期限を作ります。
今の学力から名大英語まで何冊必要かを知りたい方は、一度ご相談ください。
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入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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