「単語帳を買ったのに、いつも最初の100個だけ何度も見ている」。
武田塾大曽根校の受験相談で、高1・高2から必ず出てくる話です。
結論から言うと、英単語は「眺めた回数」ではなく「思い出そうとした回数」で定着します。
だから覚え方の中心はテストです。
1日100個を進める手順も、10個覚えてテスト、また10個覚えてテスト、という形の繰り返しになります。
この記事では、英単語帳が1周も終わらない高1・高2に向けて、1日分を回す具体的な手順と、1週間の復習の組み方をまとめます。
大曽根校の校舎長と、英語を担当する講師が生徒に毎週渡している進め方をそのまま書きました。
読み終えると、今日の夜から同じやり方で始められます。
英単語は「思い出す回数」で決まる
単語帳を開いて赤シートをずらしながら眺める。
この時間は、覚えている感覚だけが残って、実際にはほとんど定着しません。
見た瞬間に日本語が視界に入っているからです。
定着するのは、英語だけを見て日本語を思い出そうとした瞬間です。
思い出せなかった単語に印をつけ、そこだけ覚え直し、もう一度思い出す。
この往復の回数が、そのまま覚えた量になります。
だから1日の作業は「覚える時間」ではなく「テストの回数」で設計します。
以下の手順は、100個の範囲に対して合計10回以上のテストが入るように組んであります。
単語帳は1冊に決める
複数の単語帳を並行して使うと、どちらも中途半端になります。
まず1冊に決めて、その1冊を完璧にします。
大曽根校が高1・高2に勧めているのはシステム英単語(駿台文庫)です。
書籍情報は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | システム英単語〈5訂版〉 |
| 著者 | 霜康司・刀祢雅彦 共著 |
| 発行 | 駿台文庫 |
| 体裁 | B6判・404頁 |
| ISBN | 978-4-7961-1137-9 |
| 対象 | 高1・高2・高3 |
この本の特徴は「ミニマル・フレーズ」です。
単語を単独で覚えるのではなく、実際の入試でよく使われる短いフレーズごと覚えます。
出版社の説明によれば、25年分の入試問題のデータに加えて、中学・高校の教科書、CEFRの語彙レベル、民間試験の公開資料や過去問題を分析して、最も使われるフレーズを選んだとあります。
フレーズで覚える利点は、長文で出会ったときに意味を取り違えにくくなることです。
単語1語に日本語1つを結びつけて覚えると、実際の文の中で別の意味で使われたときに詰まります。
もちろん他の単語帳でも構いません。
大事なのは「1冊に決めて、その1冊を回しきる」ことです。
1日100個を回す手順
1日分(100個)の進め方です。
慣れると90分前後で回せるようになりますが、最初は2時間かかっても構いません。
回数を減らして時間を縮めるのは逆効果です。
- 今日やる100個をざっと見て、分かる単語と分からない単語に分ける。英語を見て2秒以内に日本語が出たらOK
- 分からなかった単語に、単語帳の欄外に「/」を書く
- 「/」がついた単語だけを、ノートの左半分に英語、右半分に日本語で書き出す
- ノートの1番から10番までを覚える。赤シートで隠す、声に出す、書く。やり方は自由
- 10個をテストする。間違えたものに「/」を追加する
- 「/」がついた単語だけを覚え直し、10個をもう一度テストする。全部言えるまで繰り返す
- 11番から20番、21番から30番と、同じやり方で50番まで進める
- 1番から50番を通しでテストする
- 51番から100番を、同じ手順で進める
- 最後に1番から100番を通しでテストする
ポイントは手順6です。
ここを飛ばすと、間違えた単語が「間違えたまま」翌日に持ち越されます。
1日の中で覚え直すから100個が残ります。
印は「×」ではなく「/」から始めてください。
2回目に間違えたときに、もう1本足して「×」にします。
こうすると、単語帳を見返したときに「1回だけ間違えた単語」と「2回以上間違えた単語」が一目で分かります。
| 印 | 意味 | 次にやること |
|---|---|---|
| なし | 一度も間違えていない | 週末の復習で確認するだけ |
| / | 1回間違えた | 翌日の復習に含める |
| × | 2回以上間違えた | 毎日の復習に含める。訳を書き足す |
1週間の回し方
1日100個を新しく進めるだけでは、前日の分が抜けていきます。
1週間の中に復習を組み込みます。
| 曜日 | 新しい範囲 | 復習 |
|---|---|---|
| 月 | 1〜100 | ― |
| 火 | 101〜200 | 1〜100の「/」と「×」 |
| 水 | 201〜300 | 101〜200の「/」と「×」 |
| 木 | 301〜400 | 201〜300の「/」と「×」 |
| 金 | 401〜500 | 301〜400の「/」と「×」 |
| 土 | ― | 1〜500を通しでテスト |
| 日 | ― | 土曜に間違えた単語だけ覚え直す |
1週間で500語を進め、週末に必ず全体を1回通します。
この形なら、6週間から7週間で3,000語前後の単語帳を1周できる計算になります。
「1週間で1,000語」と聞いたことがあるかもしれませんが、覚え直しの時間を入れずに計算した数字です。
復習を織り込むと上のペースが現実的です。
急いで1周しても、翌週に半分抜けていたら意味がありません。
つまずくのはこの3つ
大曽根校で相談を受けるとき、単語が進まない理由はほぼこの3つに絞られます。
- 範囲を決めずに始める。「今日やれるだけ」で始めると、疲れた日にゼロになります。100個が重いなら50個でよいので、数を先に決めます
- テストをせずに眺めて終わる。手順1と4だけで終わっているパターンです。テストがないと、覚えたかどうかが自分でも分かりません
- 通学中だけでやろうとする。音声を聞くのは復習には向きますが、初めての範囲を覚えるには向きません。新しい範囲は机で、復習は移動中で、と役割を分けます
高1・高2のうちに単語を終える理由
大学入学共通テストの英語は、リーディングとリスニングの2つで構成されています。
名古屋大学の場合、リーディングを150点、リスニングを50点に換算して合計200点満点として扱います(名古屋大学 令和8(2026)年度 入学者選抜要項)。
学部によって換算は変わり、理学部は250点、工学部は100点に換算されます。
リーディングもリスニングも、知らない単語が多いと手が止まります。
逆に単語が入っていれば、読解や文法の勉強にそのまま進めます。
単語は英語の勉強の入口であって、最後に間に合わせるものではありません。
高3の春に単語からやり直すと、長文と過去問に使える時間が削られます。
高1・高2のうちに1冊を仕上げておくと、高3の1年をまるごと読解と志望校対策に使えます。
これが、高1・高2に単語を勧めるいちばんの理由です。
よくある質問
1日100個も覚えられないときはどうすればよいですか
数を減らしてください。
1日50個でも、テストと覚え直しの手順は同じです。
大事なのは、決めた範囲をその日のうちに言えるようにすることです。
100個を半分しか覚えないまま進めるより、50個を確実に残すほうが、1か月後の総数は多くなります。
単語帳の日本語訳は全部覚えるべきですか
まずは赤字の訳だけで構いません。
1つの単語に1つの訳が言える状態を全範囲で作ってから、2周目で他の訳や派生語に広げます。
最初から全部の訳を覚えようとすると、1周目が終わりません。
覚えたはずの単語をすぐ忘れてしまいます
忘れるのは普通のことです。
問題は、忘れたことに気づく仕組みがあるかどうかです。
「/」と「×」の印をつけていれば、忘れやすい単語がどれかが本に残ります。
週末の通しテストで、印のついた単語だけを重点的に確認してください。
まとめ
- 英単語は眺めた回数ではなく、思い出そうとした回数で定着する
- 単語帳は1冊に決める。大曽根校が高1・高2に勧めているのはシステム英単語(駿台文庫)
- 1日分は10個ずつ覚えてテスト、間違えたら覚え直し、50個と100個で通しテスト
- 印は「/」から始めて、2回目で「×」にする。忘れやすい単語が本に残る
- 1週間で500語を進め、週末に通す。6週間から7週間で1周する
- 高1・高2で単語を終えると、高3の1年を読解と志望校対策に使える
武田塾大曽根校の無料受験相談では、今の英語の状況を確認したうえで、どの単語帳をいつまでに終えるか、1日何個ずつ進めるかをその場で決めます。
単語帳を持ってきていただければ、印のつけ方まで実際にお見せします。
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入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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