名古屋大学の一般選抜は、大学入学共通テストと個別学力検査(二次試験)の合計点で決まります。
ここまでは他の国立大学と同じです。
違うのは比率です。
工学部は共通テストを635点に圧縮し、個別学力検査を1300点で見ます。
一方で教育学部は共通テスト950点に個別1800点を足した2750点満点です。
「名大は二次重視」と一言でまとめられないのは、この差があるからです。
「名大のホームページを見たけれど、結局どこを見ればいいのか分からない」。
武田塾大曽根校の受験相談でよく聞く言葉です。
この記事では、名古屋大学が公表している令和9年度入学者選抜要項をもとに、志望する高校生が最初に確認すべき点を整理します。
大曽根校の校舎長がまとめました。
数字はすべて要項に記載されているとおりです。
一般選抜の全体像
名古屋大学の一般選抜は前期日程が中心です。
後期日程を実施しているのは医学部医学科だけで、その選抜は共通テスト、志願理由書、調査書、面接によって行われます。
前期日程では、学部によって共通テストで6教科8科目または7教科8科目を課します。
文系学部は地歴・公民から2科目と理科基礎、理系学部は理科2科目という組み合わせが基本です。
どの学部でも情報Ⅰが利用教科・科目に含まれます。
つまり名古屋大学を目指す時点で、科目を絞るという選択肢はほぼありません。
早い段階から全科目を並行して進める前提で計画を立てる必要があります。
学部ごとの配点は大きく違う
令和9年度の一般選抜前期日程の配点です(名古屋大学 令和9年度入学者選抜要項)。
| 学部・学科 | 共通テスト | 個別学力検査 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 文学部 | 950 | 1,200 | 2,150 |
| 教育学部 | 950 | 1,800 | 2,750 |
| 法学部 | 950 | 600 | 1,550 |
| 経済学部 | 950 | 1,500 | 2,450 |
| 理学部 | 900 | 1,500 | 2,400 |
| 医学部 医学科(前期) | 950 | 1,800 | 2,750 |
| 医学部 保健学科 | 950 | 1,650 | 2,600 |
| 工学部 | 635 | 1,300 | 1,935 |
| 農学部 | 950 | 1,550 | 2,500 |
この表から読み取ってほしいのは3点です。
- 工学部は共通テストの比重がとくに小さい。1,935点満点のうち共通テストは635点で、全体の3分の1にとどまります
- 法学部は個別学力検査が600点しかなく、共通テスト950点のほうが重い配点です。同じ文系でも教育学部とは正反対の設計です
- 医学部医学科は共通テスト950点に対して個別1,800点。二次試験で決まる度合いが大きい入試です
志望学部が決まっているなら、まずこの行を見てから勉強時間の配分を決めてください。
同じ「名大志望」でも、やるべきことは学部で変わります。
共通テストの英語は3対1に換算される
名古屋大学は共通テストの英語を、そのままの点数では使いません。
リーディングとリスニングの配点比率を3対1とし、リーディングを150点、リスニングを50点に換算して合計200点満点とします。
理学部は250点満点、工学部は100点満点にそれぞれ換算されます。
なお、英語を選択した場合はリスニングテストが全学部で課されます。
受験上の配慮によりリスニングを免除された人は、リーディングを200点満点(理学部は250点、工学部は100点)に換算します。
共通テスト本体ではリーディングとリスニングの配点が均等なので、名古屋大学に出す時点で比重が変わることになります。
ただし「リスニングは軽いから捨てる」という判断にはなりません。
共通テストの得点はほかの大学の判定にも使いますし、リスニングを捨てると英語全体の学習量が落ちます。
情報Ⅰも配点に入っている
情報Ⅰは共通テストの利用教科・科目に含まれます。
配点は学部により50点、工学部は35点です。
50点は全体から見れば小さい数字です。
ただし直前期に慌てて詰め込む科目でもありません。
高2の終わりから高3の春に一度ひととおり触れておき、秋以降に演習で仕上げる形にしておくと、他科目を圧迫しません。
2段階選抜と高得点者選抜
名古屋大学で2段階選抜を実施しているのは医学部医学科だけです。
- 前期日程:共通テストの成績が950点満点中650点以上の者を第1段階選抜の合格者とします
- 後期日程:募集人員(5名)の約12倍までの者を、共通テストの成績に基づいて第1段階選抜の合格者とします
一方、工学部と農学部では高得点者選抜が行われます。
| 学部 | 内容 |
|---|---|
| 工学部 | 各学科の前期日程募集人員の10%を限度として、共通テストの高得点者選抜と個別学力検査の高得点者選抜をそれぞれ実施(第1志望学科に限る) |
| 農学部 | 個別学力検査の高得点者について、第1志望学科に限り各学科の前期日程募集人員の20%を限度として、共通テストの成績にかかわらず選抜 |
工学部と農学部を志望する人には、第2志望以降の扱いも重要です。
工学部は第2志望学科まで、農学部は第3志望学科までの志願が認められています。
医学部保健学科も第2志望専攻まで志願できますが、各専攻の募集人員の8割程度は第1志望の志願者を対象に選抜されます。
個別学力検査で課される科目は学部で違う
同じ名古屋大学でも、二次試験の科目構成は学部ごとに設計されています。
志望学部が変わると、必要な対策も変わります。
- 医学部医学科(前期):数学、理科2科目、外国語、面接。国語は課されません
- 医学部保健学科・農学部:国語は現代文のみ。古文と漢文は範囲外です
- 法学部:数学、外国語に加えて小論文があります。地歴・公民の学習を前提とした内容です
- 理学部・工学部:数学は数学Ⅲまでの全範囲、数学Cは「ベクトル」と「平面上の曲線と複素数平面」から出題されます
数学の試験では、試験室で公式集が配付されます。
公式を思い出すことより、方針を立てて最後まで解き切ることが問われるということです。
大曽根校で伝えている確認の順番
名大志望の生徒には、次の順番で情報を確認してもらっています。
| 順番 | 確認すること | 見る場所 |
|---|---|---|
| 1 | 志望学部の共通テストと個別の配点比 | 入学者選抜要項の配点表 |
| 2 | 個別学力検査で課される科目 | 同上 |
| 3 | 数学・国語の出題範囲 | 要項の注記と出題方針 |
| 4 | 2段階選抜や高得点者選抜の有無 | 要項の選抜方法 |
| 5 | 過去問で実際の分量と時間配分 | 赤本など |
この順番を守ると、勉強の優先順位が自動的に決まります。
逆に、配点を見ないまま全科目を均等に進めるのが、いちばん時間を無駄にする進め方です。
要項は毎年更新されます。
受験する年度のものを、必ず名古屋大学の受験生向けサイトで確認してください。
よくある質問
名古屋大学は共通テストと二次試験のどちらが重要ですか
学部によって違います。
工学部は1,935点満点のうち共通テストが635点で、二次試験の比重が大きい設計です。
法学部は共通テスト950点に対して個別学力検査が600点で、共通テストのほうが重くなります。
志望学部の配点表を見てから配分を決めてください。
名古屋大学の入試に英語の外部検定は必要ですか
令和9年度入学者選抜要項の一般選抜には、英語の資格・検定試験を出願資格や加点として求める記載はありません。
共通テストの英語はリーディングとリスニングを3対1に換算して使います。
ただし総合型選抜や国際プログラムなど一部の選抜では、英語力を示すスコアの提出を求めるものがあります。
志望する選抜区分の要項で確認してください。
名大の二次試験で国語が必要な学部はどこですか
文学部、教育学部、経済学部、情報学部人間・社会情報学科などで国語が課されます。
医学部医学科の前期日程では国語は課されません。
医学部保健学科と農学部は国語が課されますが、範囲は現代文のみで、古文と漢文は含まれません。
まとめ
- 名古屋大学の一般選抜は共通テストと個別学力検査の合計。比率は学部で大きく違う
- 工学部は共通テスト635点で二次重視、法学部は共通テスト950点に対し個別600点
- 共通テストの英語はリーディング150点とリスニング50点の3対1に換算される
- 2段階選抜があるのは医学部医学科のみ。工学部と農学部には高得点者選抜がある
- 情報Ⅰも配点に入る。要項は毎年更新されるので受験年度のものを見る
武田塾大曽根校の無料受験相談では、志望する学部の配点表を一緒に開いて、どの科目に時間を寄せるか、いつまでに何を終えるかを決めます。
学部をまだ絞りきれていない段階でも、配点から候補を比べる話ができます。
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入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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