名古屋大学に行きたいけれど、どれくらい取れば合格できるのかが分からない。
模試の判定は出るが、その数字が本番の何に対応しているのかがつかめない。
武田塾大曽根校の受験相談で、名大志望の高2・高3生からよく出る悩みです。
結論を先に書きます。
合格ラインを知りたいなら、予想の偏差値ではなく、名古屋大学自身が公表している「合格者成績」の得点率を見てください。
学部ごとに満点が違うため、素点の目標ではなく得点率で考えるのがいちばん誤解が少ない方法です。
この記事では、名古屋大学が入学者選抜要項で公表している学部別の合格者得点率と、学部で違う満点の構造を整理します。
数字はすべて大学公式の要項に載っているものです。
愛知の受験生を毎年見ている大曽根校の校舎長がまとめました。
偏差値ではなく合格者の得点率を見る
模試の偏差値やボーダーラインは、各社が独自に予想して出している数値です。
予想である以上、年度や公表時期によって動きます。
一方、名古屋大学は毎年の入学者選抜要項の中で、前年度に実際に合格した人の得点率を学部・学科別に公表しています。
比べるなら、公表されている実績のほうが確かです。
しかも合格者の「最低点の得点率」まで出ているので、「最低ここまで取れば合格者の中に入れた」という具体的な目標が立てられます。
以下の数字は、令和9(2027)年度入学者選抜要項に掲載された、令和8(2026)年度一般選抜前期日程の合格者成績です(名古屋大学 令和9年度 入学者選抜要項)。
学部別の合格者得点率
まず、共通テストと個別学力検査それぞれの合格者平均得点率です。
| 学部・学科 | 共通テスト 満点 | 共通テスト 平均得点率 | 個別 満点 | 個別 平均得点率 |
|---|---|---|---|---|
| 文学部 | 950 | 82.25% | 1,200 | 62.43% |
| 教育学部 | 950 | 79.66% | 1,800 | 63.94% |
| 法学部 | 950 | 81.07% | 600 | 57.97% |
| 経済学部 | 950 | 80.87% | 1,500 | 62.87% |
| 情報学部 自然情報学科 | 950 | 81.22% | 1,100 | 63.59% |
| 情報学部 人間・社会情報学科 | 950 | 81.05% | 1,100 | 66.66% |
| 情報学部 コンピュータ科学科 | 950 | 83.90% | 1,300 | 67.02% |
| 理学部 | 900 | 80.86% | 1,500 | 62.41% |
| 医学部 医学科 | 950 | 88.23% | 1,800 | 77.48% |
| 医学部 保健学科 看護学専攻 | 950 | 69.23% | 1,650 | 47.41% |
| 工学部 化学生命工学科 | 635 | 78.31% | 1,300 | 61.06% |
| 工学部 電気電子情報工学科 | 635 | 79.13% | 1,300 | 65.33% |
| 工学部 機械・航空宇宙工学科 | 635 | 79.94% | 1,300 | 64.24% |
| 工学部 エネルギー理工学科 | 635 | 76.64% | 1,300 | 58.14% |
| 農学部 応用生命科学科 | 950 | 80.22% | 1,550 | 60.53% |
次に、共通テストと個別学力検査を合計した総合成績の得点率です。
合格するために本当に見るべきは、この「最低」の列です。
| 学部・学科 | 総合 満点 | 最高 | 最低 | 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 文学部 | 2,150 | 78.56% | 67.49% | 71.19% |
| 教育学部 | 2,750 | 76.84% | 65.35% | 69.37% |
| 法学部 | 1,550 | 83.35% | 68.90% | 72.13% |
| 経済学部 | 2,450 | 80.86% | 65.92% | 69.85% |
| 情報学部 コンピュータ科学科 | 2,250 | 82.62% | 67.60% | 74.15% |
| 理学部 | 2,400 | 82.21% | 63.50% | 69.33% |
| 医学部 医学科 | 2,750 | 93.78% | 74.84% | 81.19% |
| 工学部 物理工学科 | 1,935 | 77.88% | 61.55% | 65.28% |
| 工学部 機械・航空宇宙工学科 | 1,935 | 87.08% | 64.03% | 69.39% |
| 農学部 資源生物科学科 | 2,500 | 76.28% | 64.28% | 67.70% |
医学部医学科を除けば、総合成績の最低得点率はおおむね61〜69%の範囲に収まっています。
「名大は8割取らないと無理」と思い込んで受験前に諦める生徒がいますが、8割が必要なのは共通テストの話で、総合では6割台の得点率で合格している人がいます。
ここは、志望校を決めるうえで知っておいてほしい数字です。
学部で満点が違う
得点率で考える必要があるのは、学部によって満点そのものが違うからです。
| 学部 | 共通テスト満点 | 個別学力検査満点 | 総合満点 |
|---|---|---|---|
| 文学部 | 950 | 1,200 | 2,150 |
| 法学部 | 950 | 600 | 1,550 |
| 理学部 | 900 | 1,500 | 2,400 |
| 医学部 医学科 | 950 | 1,800 | 2,750 |
| 工学部 | 635 | 1,300 | 1,935 |
| 農学部 | 950 | 1,550 | 2,500 |
法学部は個別学力検査が600点しかなく、共通テスト950点のほうが重い構造です。
逆に工学部は共通テストが635点まで圧縮され、個別学力検査1,300点が中心になります。
同じ名古屋大学でも、志望学部によって共通テストの重みが2倍近く変わります。
共通テストの英語は、リーディングとリスニングを3対1の比率で合計200点満点に換算するのが基本です。
ただし理学部は250点満点、工学部は100点満点に換算されます。
英語1科目でも、学部ごとの扱いが違う点に注意してください。
二段階選抜と高得点者選抜
得点率のほかに、知っておくべき仕組みが3つあります。
いずれも要項に明記されています。
- 二段階選抜:前期日程で二段階選抜を実施するのは医学部医学科だけです。共通テストの成績が950点満点中650点(得点率およそ68.4%)以上の人が第1段階選抜の合格者になります。医学科の後期日程は、募集人員5名の約12倍までが対象です
- 高得点者選抜(工学部):各学科の前期日程募集人員の10%を限度として、第1志望学科に限り、共通テストの高得点者を選抜する枠と、共通テストの成績にかかわらず個別学力検査の高得点者を選抜する枠があります
- 高得点者選抜(農学部):各学科の前期日程募集人員の20%を限度として、第1志望学科に限り、共通テストの成績にかかわらず個別学力検査の成績で選抜します
工学部と農学部の高得点者選抜は、共通テストで失敗しても二次試験の得点が高ければ拾われる可能性がある仕組みです。
共通テストの結果だけで出願をあきらめる前に、この枠があることを思い出してください。
あわせて、工学部は第2志望学科まで、農学部は第3志望学科まで志願できます。
得点率から逆算した勉強の進め方
大曽根校で名大志望の生徒に伝えている手順です。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 志望学部の共通テスト満点・個別満点・総合満点を要項で確認する |
| 2 | 総合成績の「最低得点率」を目標ラインとして書き出す |
| 3 | 共通テストと個別で、それぞれ何%を取れば届くかを2通り作る(共通テストが得意な場合と苦手な場合) |
| 4 | 個別学力検査で配点の大きい科目から参考書を進める |
| 5 | 高3の秋に過去問で得点率を実測し、3で作った想定と比べて修正する |
大切なのは3の「2通り作る」ところです。
共通テストで思ったほど取れなかったときに、二次でどこまで取れば届くのかを先に知っておくと、1月中旬に慌てて出願先を変える判断をせずに済みます。
科目ごとの配点は学部で違うので、時間配分も学部ごとに変わります。
まんべんなく勉強するより、配点の重い科目に時間を寄せるほうが、同じ勉強時間でも総合得点は上がります。
よくある質問
名古屋大学に合格するには共通テストで何割必要ですか
学部によって違います。
令和8年度の合格者の共通テスト平均得点率は、医学部医学科88.23%、情報学部コンピュータ科学科83.90%、文学部82.25%、工学部エネルギー理工学科76.64%でした。
医学部医学科以外は、おおむね77〜84%の範囲です。
ただし工学部は共通テストの満点が635点と小さいため、同じ得点率でも総合に与える影響は他学部より小さくなります。
名古屋大学の二次試験は何割取れば合格できますか
令和8年度の合格者の個別学力検査の平均得点率は、医学部医学科77.48%、情報学部コンピュータ科学科67.02%、工学部電気電子情報工学科65.33%、理学部62.41%、工学部エネルギー理工学科58.14%でした。
多くの学部で6割前後です。
二次試験は満点を取る試験ではなく、取れる問題を確実に拾う試験だと考えてください。
共通テストで失敗したら名古屋大学は諦めるべきですか
工学部と農学部には高得点者選抜があります。
工学部は募集人員の10%を限度として、共通テストの成績にかかわらず個別学力検査の成績で選抜する枠が設けられています。
農学部は20%を限度として同様の枠があります。
二段階選抜を実施するのは医学部医学科だけなので、他学部は共通テストの結果にかかわらず出願そのものは可能です。
出願先の判断は、志望学部の配点と自分の二次力を照らして決めてください。
まとめ
- 合格ラインは予想の偏差値ではなく、大学が公表する合格者得点率で判断してください
- 総合成績の最低得点率は、医学部医学科を除けばおおむね61〜69%です
- 学部で満点が違います。工学部は共通テスト635点、法学部は個別600点というように構造が大きく異なります
- 二段階選抜は医学部医学科のみ。工学部と農学部には二次の得点で拾われる高得点者選抜があります
武田塾大曽根校の無料受験相談では、志望学部の満点と合格者得点率を一緒に確認し、共通テストと二次試験で何%ずつ取るかの目標を数字で決めます。
そのうえで、今の学力から逆算した参考書の順番をお渡しします。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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