コラム

数学検定は受けるメリットがあるのか?難易度や合格率をご紹介

2019年12月29日(日)

受験を有利に進めるために英語検定や漢字検定を受ける人は多いですが、「数学検定」は受けるメリットがあるのでしょうか。

英検や漢検に比べると少し知名度の低い数学検定ですが、受験者数は段々と増えつつあります。

今回は、数学検定を受けるメリットや難易度、合格率をご紹介します。

数学検定とは?

ご存知の方も多いかと思いますが、まずは数学検定の基礎知識のおさらいからしていきましょう。

数学検定(実用数学技能検定)とは、公益財団法人日本数学検定協会が実施している算数や数学の実用的な技能を測ることを目的とした検定の1つです。

小学校から大学レベルまでレベルが分かれており、計算や作図、証明などの様々な能力が問われる記述式の検定です。

初回の1992年から段々と知名度が上がり受験者が増え続け、現在では累計志願者数が600万人を突破するなど数学における定番の検定となっています。

国内だけでなくフィリピンやインドネシアなど海外でも実施されており、高い評価を得ているようです。

数学検定の構成

実用数学技能検定は11級から1級までがあり、11級から6級までが「算数検定」5級から1級までが「数学検定」と呼ばれています。

数学検定では計算技能を測る「1次:計算技能検定」と数理応用技能を測る「2次:数理技能検定」の2段階に分かれています。

基本的に1次試験は60分、2次試験は級によって変わりますが60~120分ほどで行われます。また、1次試験では全問題の70%程度、2次試験では全問題の60%程度が合格基準とされています。

数学検定のそれぞれの級の目安レベルは以下の通りです。

1級:大学・一般程度
準1級:高校3年程度
2級:高校2年程度
準2級:高校1年程度
3級:中学校3年程度
4級:中学校2年程度
5級:中学校1年程度

特に受験資格は無いので、どの級からでも受験できます。大学入試で活かすことを考えると、基本的には最低でも準2級以上を狙っていきたいところです。

数学検定の難易度・合格率

2018年度の数学検定の合格率は以下の通りです。

1級:5.7%
準1級:15.1%
2級:30.1%
準2級:41.3%
3級:59.9%
4級:71.9%
5級:70.3%

こうして見ると級が上がるごとにかなり合格率は低くなっていき、1級では5.7%と非常に高い難易度になっていることがわかります。

高校3年生レベルの準1級では15.1%、高校2年生レベルの2級でも30.1%と合格率は低く、難易度はそれなりに高いと言えるでしょう。

しかし問題自体は難問ばかり揃っているというわけでもなく、学んだ範囲の基礎がしっかりとできていれば合格は十分に狙えるような難易度です。

高校で勉強した数学の知識が身についているかの確認として受けるにはぴったりの検定です。

数学検定の申し込み方・実施日

個人で受験する場合はインターネット申込・郵送申込・コンビニ申込の3つから選んで申し込むことができます。

ただ受験生の方の場合は高校や塾・予備校が団体受験を実施していることも多いので、まずはそちらを確認してみてはいかがでしょうか。

個人受験では年に3回、団体受験は年に17回程度実施しているので、受験方法に合わせて一番近い検定日を確認してみてください。

数学検定は受けるメリットがあるの?

受験生の皆さんにとっては、合格率や難易度よりも前に受けるメリットがあるかどうかの方が気になる部分かもしれません。

数学検定は英検・漢検に比べると少し知名度的に見劣りする部分はあるかもしれませんが、段々と受験者数も増えているため評価される機会も増えているので、取得しても十分にメリットがあると言えるでしょう。

メリット①:推薦入試・AO入試で有利に

大学入試で数検が最も役立つのは推薦入試・AO入試を利用する場合です。

数学検定は「入試優遇制度」として全国約500校近い大学・短大・専門学校の入試で評価の対象になるというメリットがあります。

どの入試制度を利用する場合に適用されるのかや、どの程度評価に反映されるのかは大学によっても異なりますが、かなり多くの大学で評価の対象となっているため推薦入試・AO入試を利用する予定のある受験生の方は取得しておいて損はないでしょう。

近年では入試が軒並み難化しているため、推薦入試やAO入試を利用して安全に合格を勝ち取りたいという受験生が急増しています。

そのため推薦・AO入試でも他の受験生には無い部分を少しでも多くアピールすることが大切なので、数検を取得しておくだけでも他の受験生に差をつけられるかもしれません。

メリット②:自分の今の実力の確認ができる

受験を間近に控えた高校3年生の方が受験するのももちろん良いですが、高1、高2の時間に余裕のある時点で学んだ内容が身についているかどうかの確認として受験するのもおすすめです。

数学検定の問題は基礎的な力が身についているか問われるもので、記述式であるため内容をしっかりと理解していないと合格することはできません。

まだ受験までに時間の余裕がある高1や高2で、今の実力の確認として受験してみてはいかがでしょうか。

メリット③:就職時に役立つかも?

その他にも数学検定は少しずつ評価される場が広がっているため、就職などでも多少役立つ時がくるかもしれません。

普通の会社に就職する場合では役立つことはほとんど無いかもしれませんが、例えば塾講師になる場合のアルバイトをする場合などには評価されることもあるかもしれません。

数学検定の勉強方法は?

数学検定の勉強方法としては、まずは学校で習ったことがしっかりと身についているかどうか教科書やいつも使っている問題集を解き直してみることをおすすめします。

また、これは全ての検定や試験に共通して言えることですが、数検でも過去問をたくさん解いて傾向を掴み対策するのが合格への近道です。

公式ホームページから1年分の過去問は入手できるようになっていますがこれはあくまでもサンプル問題としての公開なので、過去問を解く際には書店などで問題集を購入することをおすすめします。

自分が受けたい級のレベルに達しているかわからないという人は、サンプル問題から挑戦してみるのも良いかもしれません。

数学検定の受けるメリットまとめ

数学検定は数学の基礎的な技能が身についているかを問われるもので、問題は基礎的なものも多いですが高校生レベルになると難易度もそれなりに高くなります。

取得することで主に推薦入試やAO入試で評価の対象になります。近年は推薦入試やAO入試の人気も高まってきているため、他の受験生に差をつけるという意味でも数学検定はおすすめです。

しかし、数学検定1つで劇的に入試が有利になるというわけではありません。あくまでも自分の評価のプラスにしたり、今の自分の実力の確認として利用するようにしましょう。

いかがでしたでしょうか。もし数学に自信があったり、今の数学の実力を確かめたいという方はぜひチャレンジしてみてください。

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