今回はモンゴル帝国の範囲について解説します。
勉強の仕方
この範囲も、世界史の勉強法の基本であるタテの軸とヨコの軸で考えることが大切です。
もちろん地図もしっかり把握しましょう。
地図

モンゴル帝国の領域は、規格外の広さを誇っています。
誰がどれだけ領土を広げたのか、区別して覚えましょう。
「どこでどの国を滅ぼしたのか」、「どこでどんな戦いがあったのか」も重要です。
地図を確認し、周辺情報とセットにして覚えましょう!
またモンゴル帝国は、複数の政権に分裂しました。
特にフビライの時代にそれが顕著になります。
そして元の首都・大都は現在の北京と同じ位置です。
タテの軸
タテの軸は、初代~第5代のハンの順序を意識して覚えましょう。
また5代目のフビライ=ハンの時代には、国号が元に変わったことも重要です。

初代:チンギス=ハン
1206年のクリルタイ(部族会議)でテムジンが推薦されます。
その結果、テムジンはチンギス=ハンの称号を得て、モンゴル帝国を形成しました。
チンギス=ハンは、アム川の下流域からイランまで領土にしていたホラズムを滅ぼします。
(ホラズムはトルコ系のイスラム王朝。こちらの記事を参照)
【世界史】ティムール朝・サファヴィー朝ついて徹底解説!下曽根校・ブログ
1227年には、タングート族の西夏も滅亡に追い込みました。
2代目:オゴタイ=ハン
2代目には、チンギス=ハンの第3子、オゴタイ=ハンが即位。
南宋と同盟を組んで、1234年に金を滅ぼします。
翌1235年には、都としてカラコルムを建設しました。
またオゴタイはバトゥを征西軍総司令官に任命。
バトゥは1241年に、ポーランドのリーグニッツ東南でドイツ・ポーランド諸侯連合軍を撃破。
この戦いはワールシュタットの戦いと呼ばれます。
またバトゥが征西の帰途に、南ロシアでキプチャク=ハン国を建国したことも重要です。
3代目:グユク=ハン
第3代・グユク=ハンの治世に、フランチェスコ派修道士のプラノ=カルピニがカラコルムを来訪。
教皇インノケンティウス4世の使者として活動しています。
4代目:モンケ=ハン
第4代・モンケ=ハンの治世では、フランチェスコ派修道士のルブルックがカラコルムを訪れます。
今度はフランス王・ルイ9世の命を受けての来訪です。
またモンケ=ハンの命で、フラグが征西を開始。
イランからメソポタミアにかけて侵入しました。
1258年にバグダードを攻略し、アッバース朝を滅ぼしています。
翌1259年に、朝鮮半島の高麗を服属させることに成功。
同年、モンケ=ハンは南宋への遠征途中に病死します。
5代目:フビライ=ハン
モンケ=ハンの死後、クリルタイでフビライ=ハンが第5代ハンに選ばれました。
これに対抗してオゴタイ=ハンの孫・ハイドゥが反乱を起こしています。
フビライは1264年に大都へ遷都。
1271年には、国号を中国風の元に改めました。
1274年と1281年に、日本遠征(元寇)を行ったことも有名ですね。
またこの間の1279年に臨安を攻略し、南宋を滅ぼしています。
他にも、ビルマのパガン朝や雲南地方の大理国を滅ぼしました。
またマルコ=ポーロが来訪したことも重要です。
彼は福建省の泉州を世界一の港町として紹介。
また大運河の南の出発点・杭州もヨーロッパに紹介するなど、記録を残しました。
フビライが亡くなった1294年には、モンテ=コルヴィノが大都を来訪。
彼もフランチェスコ派修道士で、教皇の使節としてカトリックを布教します。
元の崩壊
1351年、紅巾の乱という農民反乱が江南で発生。
白蓮教徒を統率する韓林児の反乱が大規模化したものでした。
この反乱から台頭した貧農出身の朱元璋が、1368年に明を建国。
元はモンゴルに追い返されることになります。

ヨコの軸
元の宗教
元のもとでは、チベット仏教(ラマ教)が保護されました。
パスパという高僧が厚遇され、パスパ文字という文字も作成しています。
また南宋の時期に結成された、白蓮教という仏教系の宗教結社も重要です。
創設者は弥勒下生の信仰を唱える韓山童です。
のちの紅巾の乱に繋がっているので、併せて覚えましょう。
元の文化
フビライ=ハンに仕えた科学者・郭守敬は水利工事で活躍。
のちにイスラム暦を参考に授時暦という暦を作成しています。
『水滸伝』、『西遊記』、『三国志演義』などの小説の原形は元の時代に作られました。
また宗の時代に始まった雑劇が完成。
そして一般に元曲と呼ばれ始めたのもこの頃です。
雑劇では以下の二つが特に有名です。
●『西廂記』
・王実甫が雑劇化
・上流社会の圧力に抵抗した男女の悲恋物語
●『琵琶記』
・高則誠の作品
・出世した夫と故郷に残された妻の苦労が題材
元の制度
元では、六部を掌握することで政務行政を統括していた尚書省が廃止されました。
そして六部を中書省に直属させ、中央行政の一本化を図っています。
地方行政に関しては、中書省に直属する行中書省を設置し、各州が統治されました。
また元では、次のような身分制度が採用されていました。
服属した時期が遅いほど、下の身分になっています。
|
第一身分:モンゴル人 第二身分:色目人(西域出身者など) 高級官僚や財政担当など重用された
第三身分:漢人(金の支配下にあった人民) 第四身分:南人(南宋の支配下にあった人民) |
主要道路で10里ごとに駅を置く駅伝制(ジャムチ)を完備したことも重要です。
また紙幣に関しては、金で使用されていた交鈔が元でも使われていました。
語句の覚え方
まとまりで覚える
柱となる王朝の名前、建国者、有力な皇帝、その文化などを整理しましょう。
一つのまとまりをセットで覚える習慣を作りましょう。
|
・王朝…モンゴル帝国 ・首都…カラコルム ・建国者…チンギス=ハン ・有力な皇帝…チンギス=ハン、オゴタイ=ハン、フビライ=ハンなど ・文化…クリルタイ、プラノ=カルピニやルブルックなどの来訪 |
|
・王朝…元 ・場所…モンゴルや中国など ・首都…大都 ・建国者…フビライ=ハン ・有力な皇帝…フビライ=ハン ・文化…授時暦、元曲、交鈔など |
|
・王朝…オゴタイ=ハン国 ・場所…北アジア(もっとも規模が小さい) |
|
・王朝…チャガタイ=ハン国 ・場所…中央アジア(のちに東西分裂し、西側からティムールが台頭) ・建国者…チンギス=ハンの第2子 |
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・王朝…イル=ハン国 ・場所…西アジア ・建国者…フラグ ・文化…イスラム教(7代目のガザン=ハンが改宗し、国教化) 『集史』(イラン人宰相・ラシード=アッディーンの歴史書) |
|
・王朝…キプチャク=ハン国 ・場所…ロシア方面 ・建国者…バトゥ |

東西交流
フランチェスコ派の修道士の来訪もよく出題されます。
間違えないように、こちらもまとまりで覚えましょう。
|
●プラノ=カルピニ ・時期…第3代・グユク=ハンの治世 ・来訪地…カラコルム ・誰の使者か…教皇インノケンティウス4世 |
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●ルブルック ・時期…第4代・モンケ=ハンの治世 ・来訪地…カラコルム ・誰の使者か…フランス王・ルイ9世 |
|
●モンテ=コルヴィノ ・時期…第5代・フビライの死後 ・来訪地…大都 ・誰の使者か…教皇の使節としてカトリックを布教 |
またマルコ=ポーロが元の大都を訪れたことも重要です。
彼の著作『世界の記述(東方見聞録)』は、大航海時代にも影響を与えてます。
【世界史の勉強法】大航海時代の覚え方についてわかりやすく解説します! 下曽根校・ブログ
イスラム世界からは、モロッコのイブン=バットゥータが元末に来訪しました。
意味で覚える
元が滅びるきっかけになった紅巾の乱は、黄巾の乱と間違えやすいです。
同じ読み方ですが、まったく別物です。
|
●紅巾の乱 ・王朝…元 ・時期…1351年 ・中心…白蓮教徒(韓林児がリーダー) |
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●黄巾の乱 ・王朝…後漢 ・時期…184年 ・中心…太平道と呼ばれる宗教結社 |
まとめ
モンゴル帝国は東洋と西洋の交流を活性化させ、世界史に大きな影響を与えました。
いくつもの国が征服され、歴史の転換点にもなっています。
また文化面も意外なほど発展しました。
この記事を読んで、理解を深めていきましょう!
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