「毎日勉強しているのに、模試の偏差値が動かない」。
武田塾大曽根校の無料受験相談で、高1・高2の生徒から毎年出てくる悩みです。
先に結論を書きます。
偏差値が動かない原因のほとんどは、勉強量ではなく、勉強が「わかる」で止まっていることです。
授業や解説を聞いて納得した状態と、初見の問題を自力で解ける状態のあいだには、大きな段差があります。
この段差を越える工程を持っていないと、時間をかけても模試の点は変わりません。
この記事では、偏差値という数字が何を表しているのかを確認したうえで、勉強を「わかる」から「できる」まで運ぶ3段階の進め方をまとめます。
書いているのは、大曽根校で高1・高2の生徒を担当している校舎長です。
偏差値とは何を表す数字か
偏差値は、テストの成績の分布が正規分布であると仮定して、平均が50、標準偏差が10になるように変換した値です。
自分の得点が、受けた集団のなかでどのくらいの位置にあるかを表します。
計算の手順は次のとおりです。
- 自分の得点と平均値の差を、標準偏差で割る(この操作を標準化といいます)
- その値に10を掛ける
- 50を加える
出典:総務省統計局 なるほど統計学園 データの散らばりを見る
実際に当てはめると、次のようになります。
| 例 | 平均 | 標準偏差 | 自分の得点 | 偏差値 |
|---|---|---|---|---|
| 数学 | 42点 | 8点 | 58点 | 70 |
| 国語 | 47点 | 12点 | 65点 | 65 |
数学は平均より16点上、国語は18点上です。
得点差だけを見れば国語のほうが大きいのに、偏差値は数学のほうが高くなります。
標準偏差が小さい、つまり受験者の点が平均の近くに集まっているテストほど、平均より上に抜けたときの偏差値が大きくなるからです。
点数が上がったのに偏差値が下がることがある理由
計算式を見ると分かるとおり、偏差値は自分の得点だけでは決まりません。
平均点と標準偏差、つまり周りの結果が入ってきます。
- 自分の得点が上がっても、平均点がそれ以上に上がれば偏差値は下がる
- 自分の得点が下がっても、平均点がそれ以上に下がれば偏差値は上がる
- 受ける模試が変われば、集団が変わるので偏差値も変わる
だから、模試の結果を見るときに偏差値だけを追いかけても、自分の勉強が正しいかどうかは判断できません。
見るべきは、どの分野で何点落としたかです。
偏差値は最後に確認する数字であって、改善の材料にはなりません。
「わかる」「やってみる」「できる」の3段階
勉強を3つの段階に分けて考えます。
原文にあった3ステップを、判定の基準まで具体化したものです。
| 段階 | 状態 | 確認の方法 | 次に進む条件 |
|---|---|---|---|
| 1 わかる | 授業や解説を聞いて納得した | 解説を読み返さずに要点を言えるか | 内容を人に説明できる |
| 2 やってみる | 自分で解いてみた段階 | 解答を見ずに最後まで書き切れるか | 解けなかった原因を特定できる |
| 3 できる | 初見の類題も自力で解ける | 日を空けて解き直して正解するか | 時間内に安定して正解する |
多くの人は、段階1で止まっています。
授業を聞いた、動画を見た、解説を読んだ。
この時点で「理解した」と判断してしまうと、次の日には手が動きません。
段階2に入っても、答え合わせをして丸をつけるだけで終わると、段階3には行きません。
大事なのは、間違えた問題について「なぜ解けなかったか」を一言で書けることです。
公式を思い出せなかったのか、条件を読み落としたのか、計算でミスしたのか。
原因が違えば、次にやることも違います。
段階3の判定は「日を空けて解き直す」です。
解いた直後は覚えているので、その場の正解は判定になりません。
3日後、1週間後に同じ問題を解いて正解できるかで確かめてください。
段階を上げるための1週間の回し方
大曽根校で伝えている、1週間の組み立てです。
- 前半:新しい範囲を進める。1日にやる量を先に決め、終わったら答え合わせと原因の書き出しまでやる
- 中盤:前半で間違えた問題だけをもう一度解く。ここで解けたものは印を消す
- 週末:その週にやった範囲を、何も見ずに通しで解く。ここで解けたものが「できる」に到達したもの
新しい範囲を進める日と、戻る日を分けるのがポイントです。
毎日新しいところだけを進めると、段階2で止まったものが積み上がっていきます。
週に1日でも「戻る日」を作ると、段階3に運べる量が増えます。
もうひとつ、確認の質を上げる方法があります。
解けた問題について、自分の言葉で解き方を説明してみることです。
「わかっていない人にも伝わるように説明できるか」を基準にすると、理解の穴がはっきり出ます。
説明の途中で詰まったところが、次に埋めるべき箇所です。
模試の結果を次につなげる見方
模試が返ってきたら、次の順番で見てください。
- 分野別の得点率を見て、落とした分野を3つまで書き出す
- その分野の問題を、参考書のどの段階でやったかを確認する
- 段階2で止まっていた分野が原因なら、その参考書に戻る
判定の記号から見始めると、気持ちが上下するだけで作業に落ちません。
判定は最後に見れば十分です。
模試は、自分の勉強のどこが段階2で止まっているかを教えてくれる道具として使ってください。
よくある質問
偏差値はどのくらいの期間で上がりますか
科目と現在地によって変わるため、一律の期間は言えません。
ただし、参考書1冊を「日を空けて解き直しても正解できる」状態まで仕上げると、模試の分野別得点率にはっきり出ます。
1冊を終えないまま複数の参考書を並行させている場合は、変化が出るまでに時間がかかります。
勉強時間を増やせば偏差値は上がりますか
時間を増やすだけでは足りません。
増やした時間が「新しい範囲を進める」だけに使われていると、段階2で止まったものが増えるからです。
増やした時間の一部を、前に解いた問題の解き直しに回してください。
同じ時間でも結果が変わります。
模試の偏差値と志望校の偏差値はどう比べればよいですか
模試ごとに受験する集団が違うため、そのまま比べることはできません。
志望校の合格可能性は、同じ模試の判定と、過去問での得点率の両方で見てください。
判定だけを見て志望校を下げる判断は、時期が早いほど損になります。
まとめ
- 偏差値は、平均が50・標準偏差が10になるように変換した値で、周りの結果に左右される
- 得点が上がっても偏差値が下がることがあるので、偏差値だけを改善の材料にしない
- 勉強は「わかる」「やってみる」「できる」の3段階。判定は日を空けた解き直しで行う
- 1週間のなかに「戻る日」を作ると、段階3まで運べる量が増える
武田塾大曽根校の無料受験相談では、いま使っている参考書がどの段階で止まっているかを確認し、次の1週間で何を進めて何に戻るかを一緒に決めます。
模試の結果を持ってきていただければ、落とした分野から順に組み直します。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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