ノートを見せてもらうと、4色も5色も使ってきれいに色分けされているのに、確認テストになると点が取れない。
武田塾大曽根校で高校生のノートを見ていて、いちばん多く出会う場面です。
この記事では、ノートに使う色の数と、色に持たせる役割の決め方をまとめます。
文部科学省が学校向けに出している色覚の資料も踏まえて、読みにくくなる色の使い方まで説明します。
書いているのは大曽根校の校舎長です。
読み終えたときに、自分のノートのどこを直せばよいかが分かる状態を目指します。
結論はノートの色は3色まで、役割を決めて使う
ノートの色は3色で足ります。
黒・赤(またはオレンジ)・青の3色です。
大切なのは色数そのものではなく、それぞれの色に「あとで何をするための印か」という役割が決まっているかどうかです。
役割が決まっていない色は、書いた本人にも意味が分からなくなり、復習のときに使えません。
色を増やすと成績が上がりにくくなるのは、色そのものが悪いからではありません。
色を選ぶ判断に時間と注意を取られ、授業の内容を理解する作業がおろそかになるからです。
ノートは作品ではなく、あとで自分が使う道具です。
色を増やすと起きる3つのこと
大曽根校で生徒のノートを見ていて、色数が多いときに共通して起きていることは3つあります。
- 色を選ぶこと自体が作業になる。板書のどの色をどのペンで写すかを考えている間、説明は先に進んでいます
- 印の意味が思い出せなくなる。1週間後に見返したとき、緑の線が「重要」だったのか「先生が言っただけ」だったのか判別できません
- 全部が目立つと、何も目立たなくなる。ページの半分が色つきになった時点で、色は重要度の目印として機能しなくなります
授業の流れは、①内容を理解する ②理解した内容を記録する ③あとで思い出す ④問題で使えるようにする、の4段階です。
色分けが効くのは③と④のためであって、①を犠牲にしてまでやることではありません。
3色の役割分担
大曽根校で生徒にすすめている使い分けです。
自分で別のルールを作っても構いませんが、「色ごとに役割を1つだけ決める」という原則は変えないでください。
| 色 | 役割 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 黒 | 基本の記録 | 板書、説明、自分のメモ |
| 赤(またはオレンジ) | あとで隠して覚えるところ | 用語、公式、英単語の意味 |
| 青 | 理解の補助 | 因果関係、注意点、間違えた理由 |
赤またはオレンジを「あとで隠して覚える」用に固定しておくと、赤シートを重ねるだけで一問一答の形になります。
この使い方をすると、ノートが読み物ではなく問題集に変わります。
青は「なぜそうなるか」を書き足す色に固定します。
蛍光ペンを足したい場合は、1色だけにしてください。
役割は「テストに出ると言われた箇所」など、1つに限定します。
赤で細かく書くと読みにくくなる
色の使い方には、見え方の問題もあります。
文部科学省が学校向けに作成した「色覚に関する指導の資料」では、色覚特性の頻度をおよそ男子の5%、女子の0.2%としたうえで、板書について「赤、緑、青、茶色等の暗い色のチョークは避け、白と黄を主体に使用します」と示しています。
同じ資料には、「暗い所では、細字の赤と黒の識別が難しいことがある」ため、採点や添削には太字の朱色などを使うようにという記述もあります。
出典:大阪府 色覚に関する指導の資料(文部科学省作成)について
ここから、ノートを取る自分にも当てはめられることが2つあります。
- 細い赤ペンで小さく書き込んだ文字は、暗い場所や疲れた目では黒と見分けがつきにくくなります。赤を使うなら太めに、短い語で書きます
- 色だけで意味を区別しない。下線・囲み・記号を併用すると、コピーを取ったときや友人に見せたときにも意味が伝わります
ノートを誰かと共有する場面は、思っているより多くあります。
友人に見せる、先生に質問する、コピーを取って持ち歩く。
色だけに意味を持たせないほうが、結局は自分が使いやすくなります。
まとめノートを作るべきか
「教科書の内容をきれいにまとめ直したノート」を作るかどうかは、目的で判断してください。
まとめ直す作業は時間がかかるわりに、頭に残りにくい作業です。
書き写している間、脳は「理解する」よりも「写す」ほうに使われます。
武田塾は授業を受けずに参考書で進める塾なので、まとめノートを推奨していません。
参考書はすでに整理された状態で書かれているため、それを書き写すのは同じ内容をもう一度作る作業になります。
作るなら、次の2つに限ります。
| 作ってよいノート | 作らなくてよいノート |
|---|---|
| 間違えた問題と、間違えた理由を書いたノート | 教科書や参考書をきれいに書き写したノート |
| 何度覚えても抜ける項目だけを集めたノート | 板書をそのまま清書し直したノート |
間違いを集めたノートは、参考書には載っていない情報でできています。
自分がどこで詰まるかは、自分にしか書けません。
これが手を動かす価値のある唯一のノートです。
大曽根校で見ている「使える」ノートの条件
確認テストの前にノートを見返して点が伸びる生徒は、次の条件を満たしています。
- 1ページの中で、色つきの部分が3割を超えていない
- 赤で書いた語を隠すと、そこが問題として成立する
- 「なぜ間違えたか」が自分の言葉で1行書いてある
- 日付と、参考書のページ番号が入っている
- 見返すのに1ページ1分もかからない
4番目の日付とページ番号は、地味ですが効果が大きい項目です。
復習のときに参考書のどこへ戻ればよいかが即座に分かるため、探す時間がなくなります。
ノートの見た目を整える時間を、この5つに振り替えるだけで、同じ勉強時間でも定着は変わります。
よくある質問
ノートは何色使うのが正解ですか
黒・赤(またはオレンジ)・青の3色で足ります。
大切なのは色数よりも、それぞれの色に役割を1つだけ決めることです。
役割が決まっていない色は、見返したときに意味が分からなくなり、復習に使えなくなります。
蛍光ペンは使ってもよいですか
1色までなら使って構いません。
「テストに出ると言われた箇所」のように役割を限定してください。
複数の蛍光色を使うと、ページ全体が目立つ状態になり、重要度の目印として働かなくなります。
まとめノートは作ったほうがよいですか
教科書や参考書を書き写すまとめノートは必要ありません。
参考書はすでに整理された状態で書かれているためです。
作るなら、間違えた問題と間違えた理由を書いたノート、何度やっても抜ける項目だけを集めたノートの2種類に限ります。
まとめ
- ノートの色は3色まで。黒は記録、赤は隠して覚えるところ、青は理解の補助と役割を固定します
- 色を増やすと、色を選ぶ判断に注意が取られ、授業の内容を理解する作業がおろそかになります
- 文部科学省の資料では、細字の赤は黒と見分けにくいことがあると示されています。赤は太めに、短い語で使います
- 書き写すまとめノートは不要です。作るなら「間違えた問題と理由」を集めたノートにします
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