「過去問は基礎が終わってから」「直前期にまとめて解く」。
大曽根校の受験相談でこう答える生徒は多いのですが、どちらも遠回りです。
過去問は1回解いて終わりの教材ではなく、受験勉強の途中で何度も戻ってくる「現在地の測定器」です。
この記事では、過去問に触れる4つのタイミングと、それぞれの段階で何を見るか、解いた後にどう使うかをまとめます。
大曽根校の校舎長が、志望校別に過去問の使い方を指導している内容をそのまま書いています。
読み終えると、自分が今どの段階にいて、次にいつ過去問を開けばよいかが決まります。
結論:過去問に触れるタイミングは4回ある
| タイミング | 目的 | 解けなくてよいか |
|---|---|---|
| ① 志望校を決めたとき | 出題形式・大問数・制限時間を知る | 解けなくてよい(眺めるだけ) |
| ② 基礎レベルを仕上げたとき | 今の実力と本番のレベルの差を測る | 解けなくてよい |
| ③ 志望校レベルに到達したとき | 本気で解いて、残り期間の対策を決める | ここから点数を見る |
| ④ 分野別対策や解き直しが終わるたび | 対策の効果を確かめ、次の分野を決める | 点数と時間配分を見る |
多くの受験生は③しかやりません。
①と②を飛ばすと、本番の形式を知らないまま参考書を進めることになり、秋に「思っていた問題と違う」となります。
① 志望校を決めたタイミング
志望校が決まったら、その週のうちに最新年度の過去問を1年分開いてください。
解く必要はありません。
見るのは次の4点です。
- 大問がいくつあり、それぞれ何を問うているか
- 制限時間と、1問あたりに使える時間
- 記述か選択か、英作文や証明があるか
- 配点(公表されていれば)
ここで「自分を待ち構えている問題」を知っておくと、参考書を進めるときに「この単元は本番で記述が出るから、答えの書き方まで練習する」という判断ができます。
② 基礎レベルを仕上げたタイミング
英語なら英文法と英単語の基礎、数学なら基礎問題集が一周した段階です。
ここでもう一度、同じ年度の過去問を開きます。
見るのは「①のときと、見え方がどう変わったか」です。
問題文の意味が取れる、解法の方針が浮かぶ大問が増えていれば、基礎は機能しています。
まったく変わっていなければ、基礎の定着が甘いか、参考書のレベルが志望校と合っていません。
この段階で点数が取れなくても問題ありません。
点数ではなく「差の大きさ」を測る回です。
③ 志望校レベルに到達したタイミング
参考書のルートが志望校レベルまで進んだら、ここから本気で解きます。
時間を計り、本番と同じ順番で、採点まで行ってください。
このタイミングで決めることは1つです。
残された時間で何をするか。
合格最低点との差を大問ごとに出し、「どの大問で何点足りないか」を書き出します。
差が大きい分野から、分野別の対策に入ります。
目安として、共通テスト利用がない私立大学なら本番の3〜4ヶ月前、国公立大学の二次試験なら共通テストの前に一度この段階に入っておくと、冬に対策の時間を確保できます。
大曽根校では生徒ごとに、この到達目標日をルート表に書き込んでいます。
④ 分野別対策や解き直しが終わるたび
英作文の対策が終わったら英作文の大問だけ、確率の対策が終わったら確率の大問だけ、というように、対策した分野の過去問を解きます。
対策が効いたかをすぐに確かめられ、次にやる分野が決まります。
このサイクルを年度を変えて繰り返すのが、直前期の過去問演習です。
「10年分を順番に解く」よりも、「分野ごとに複数年度を横断して解く」ほうが弱点がはっきりします。
過去問を解いた後にやること
過去問は解いた後の使い方で差がつきます。
大曽根校で指導している手順は次のとおりです。
- 採点し、大問ごとの得点と合格最低点との差を記録する
- 間違えた問題を「知識不足」「読み違い」「時間切れ」の3つに分ける
- 知識不足は参考書の該当ページに戻る。読み違いは解き直しで根拠を言葉にする。時間切れは解く順番と時間配分を変える
- 1週間後に、間違えた問題だけをもう一度解く
3つに分けずに「全部解説を読む」だけで終わると、同じ間違いを本番で繰り返します。
何年分解けばよいか
年数は志望校の種類と併願の数で変わります。
大曽根校で目安にしている数字は次のとおりです。
| 志望校の種類 | 第一志望 | 併願校 |
|---|---|---|
| 国公立大学(二次試験あり) | 5〜10年分 | 2〜3年分 |
| 私立大学(一般入試) | 3〜5年分(学部別に) | 2〜3年分 |
| 共通テスト | 本試験5年分+予想問題 | ― |
私立大学は学部ごとに問題が違うことが多いので、「大学で5年」ではなく「受ける学部で3〜5年」と数えてください。
年数を増やすより、1年分を解き直しまで含めてやり切るほうが点は上がります。
過去問の管理方法
解いた過去問は、記録が残っていないと2回目に活かせません。
大曽根校では次の形で管理してもらっています。
- ノート1冊を「過去問ノート」にして、年度・大問ごとの得点・合格最低点との差・間違いの種類(知識不足/読み違い/時間切れ)を1行で書く
- 解いた問題用紙は捨てずに年度ごとに保管し、解き直しの日付を余白に書く
- 月に1回、ノートを見返して「差が縮まっていない大問」を確認し、翌月の対策に入れる
よくある失敗
- 直前期まで過去問を温存する。形式を知らずに勉強し、秋に方向転換することになる
- 最新年度を最後まで取っておく。最新年度が最も本番に近いので、③の段階で先に使う
- 解けなかった年度を放置する。解き直しをしない過去問は、解いていないのと同じ
- 点数だけ記録する。大問ごとの差を出さないと、次にやる対策が決まらない
高1・高2生へ
受験学年でなくても、①はできます。
志望校の候補が決まったら過去問を一度眺めてください。
「この形式なら英作文の練習が要る」「数学は記述が中心」と分かるだけで、高2のうちにやるべき参考書の選び方が変わります。
よくある質問
過去問は高3の何月から解き始めるのが目安ですか
「本気で解く③の段階」は、私立大学志望なら本番の3〜4ヶ月前、国公立大学志望なら共通テスト前が目安です。
ただし①の「眺める」は志望校が決まった時点で、②の「差を測る」は基礎の参考書が終わった時点で、学年に関係なく行います。
過去問で点数が取れないときはどうすればいいですか
大問ごとに合格最低点との差を出し、間違いを知識不足・読み違い・時間切れの3つに分けます。
知識不足なら参考書の該当ページへ戻り、時間切れなら解く順番を変えます。
点数だけを見て落ち込む必要はありません。
赤本は最新年度から解くべきですか
最新年度から解いてください。
最新年度が最も本番の形式に近いためです。
「最後に取っておく」と、本番直前まで現在の形式で練習できないことになります。
まとめ
- 過去問は①志望校決定 ②基礎完成 ③志望校レベル到達 ④分野対策後 の4回で使う
- ①②は解けなくてよい。形式と差を知るための回
- ③で合格最低点との差を大問ごとに出し、残り期間の対策を決める
- 解いた後は間違いを3つに分け、1週間後に解き直す
自分が今どの段階にいるか、いつ③に入れるかは、志望校と現在の参考書の進み具合で変わります。
武田塾大曽根校の無料受験相談では、志望校の過去問を一緒に開いて、③に入る目標日と、そこまでにやる参考書の順番を決めています。
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入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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