「第1志望の過去問だけ解いていれば大丈夫ですか」。
武田塾大曽根校の受験相談で、秋以降にいちばん増える質問です。
この記事では、第2志望以下の併願校の過去問を、いつ・何年分・どこを見て解くのかを手順にまとめます。
書いているのは、大曽根校で国公立と私立を併願する受験生を毎年担当している校舎長です。
入試の日程は文部科学省と大学入試センターの公表資料から引いています。
読み終えたときに、自分の受験校リストのどの大学から過去問を開けばよいかが決まる状態を目指します。
結論:出願する大学は全部、最低1年分を解く
併願校の過去問は「解けるかどうか」を確かめるために解くのではありません。
出題形式が自分と合うかを確かめるために解きます。
だから、出願するすべての大学・学部について、最低1年分は本番前に解いておくのが基本です。
偏差値表の上では余裕があるように見える大学でも、形式が合わなければ得点は落ちます。
逆に、第1志望より難しく見える大学でも、形式が合えば得点できることがあります。
合否を分けるのは偏差値の差ではなく、形式と自分の相性です。
併願校の過去問を飛ばすと起きること
大曽根校で実際に相談を受ける「飛ばした結果」を整理すると、次の3つに分かれます。
| 起きること | 中身 | 気づく時期 |
|---|---|---|
| 形式の不意打ち | 自由英作文・小論文・記述解答など、第1志望にはない出題が併願校にあった | 試験当日 |
| 時間配分の崩壊 | 大問数と制限時間の比が第1志望と違い、最後まで到達できない | 試験当日 |
| 受験プランの誤り | 合格確保校のつもりだった大学が、自分にとっては実力相応校だった | 合格発表後 |
3つとも、過去問を1年分開いていれば防げるものです。
どれも「気づく時期」が遅く、気づいた時点では打つ手がありません。
なお、併願校で点が取れない状態は「実力が足りない」だけを意味しません。
基礎が固まっていない場合もあれば、形式に慣れていないだけの場合もあります。
どちらなのかは、解いた答案を見れば区別がつきます。
基礎の抜けなら知識を問う小問から落ちますし、形式の問題なら知っているはずの内容を時間内に書けていません。
いつ解くか:3つの時期に分ける
併願校の過去問を開くタイミングは、志望順位ごとにずらします。
| 対象 | 開く時期 | 目的 | 点数を見るか |
|---|---|---|---|
| 第1志望 | 志望校を決めた直後と、志望校レベルの参考書を終えた時点 | 形式を知る/到達度を測る | 2回目から見る |
| 第2志望・実力相応校 | 第1志望の過去問を1年分解いたあと(多くは秋) | 形式の違いを把握する | 見る |
| 合格確保校 | 出願校を確定する時期(多くは11〜12月) | 確保校として妥当かを判断する | 見る |
第1志望の過去問に一度も触れていない段階で併願校から始めると、比較の基準がないまま解くことになります。
順番は第1志望が先です。
何年分解くかの目安
年数は志望順位で変えます。
全校を10年分解く時間はどの受験生にもありません。
| 志望順位 | 年数の目安 | 解き方 |
|---|---|---|
| 第1志望 | 5年分以上 | 時間を計り、採点し、大問ごとに失点を分析する |
| 第2志望・実力相応校 | 2〜3年分 | 時間を計って通しで解く。時間配分まで決める |
| 合格確保校 | 1〜2年分 | 通しで1年分。形式に不意打ちがなければそれでよい |
同じ大学でも学部で問題が違うことがあります。
学部別に問題を作っている大学では、出願する学部の問題を選んでください。
併願校の過去問で必ず見る5つの点
解いたあとに確認するのは、点数だけではありません。
次の5点をメモに残します。
- 大問の数と、それぞれが何を問う問題か
- 制限時間と大問数の比(1問あたり何分使えるか)
- 記述の有無と分量(何字書かせるか、証明を要求するか)
- 第1志望では出ない出題があるか(自由英作文、小論文、リスニング、実技)
- 合格最低点が公表されているか。公表されていれば、自分の得点との差
このメモが、直前期に「どの併願校に何時間かけるか」を決める材料になります。
メモがないと、直前期は不安の大きい大学から順に時間を使ってしまい、配分が感覚任せになります。
入試日程から逆算すると、締め切りが見える
過去問を解く時期は、入試日程から逆算すると自動的に決まります。
- 令和9年度の大学入学共通テストは、本試験が令和9年1月16日・17日、追試験が1月23日・24日です(大学入試センター 令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項)
- 各大学が実施する個別テストの試験期日は令和9年2月1日から3月25日までの間、合格者の決定発表は3月31日までと定められています(文部科学省 令和9年度大学入学者選抜実施要項)
つまり、1月中旬から3月下旬までが入試期間です。
1月は共通テストと第1志望の対策に時間を使いたい時期なので、併願校の過去問は12月までに1周しておくのが現実的な締め切りになります。
年内に形式を把握しておけば、1月以降は不足している部分だけを補えます。
受験校リストは3層に分けて作る
大曽根校では、受験校を次の3層に分けて書き出してもらっています。
層ごとに過去問の扱い方が変わるためです。
| 層 | 位置づけ | 過去問の扱い |
|---|---|---|
| チャレンジ校 | 現状では届いていないが目標にする大学 | 形式を知り、必要な到達点を逆算する |
| 実力相応校 | 現状の実力で合否が分かれる大学 | 時間を計って解き、点差を埋める対策を組む |
| 合格確保校 | 現状の実力で得点できる見込みが立つ大学 | 1年分解いて形式を確認し、出願を確定する |
この3層のうち、いちばん扱いが雑になりやすいのが合格確保校です。
「確保校」と呼べるのは、過去問を解いて得点できることを確かめたあとだけです。
解く前は候補にすぎません。
よくある質問
併願校の過去問は何年分解けばよいですか
第2志望や実力相応校は2〜3年分、合格確保校は1〜2年分が目安です。
第1志望は5年分以上を時間を計って解きます。
全校を同じ年数解く必要はありません。
志望順位が下がるほど、目的は「形式の確認」に近づくため年数は減らせます。
合格確保校の過去問で点が取れないときはどうすればよいですか
次のレベルの参考書に進まず、今のレベルを固め直してください。
合格確保校で得点できない状態は、第1志望のレベルに手を伸ばしても得点にならないことを示しています。
同時に、失点が知識の抜けによるものか、形式に慣れていないためかを答案で切り分けます。
前者なら基礎の参考書へ戻り、後者なら同じ形式をもう1年分解きます。
第1志望と傾向が違う併願校は受けないほうがよいですか
傾向が違うことだけを理由に外す必要はありません。
判断材料は「その対策に使う時間を確保できるか」です。
小論文や自由英作文のように準備に時間がかかる形式が加わる場合は、いつ・週何時間使うかを年内に決められるかで判断します。
決められないなら、形式の近い大学に差し替えるほうが合計の合格可能性は上がります。
まとめ
- 出願するすべての大学・学部について、最低1年分の過去問を本番前に解く
- 年数の目安は第1志望5年分以上、実力相応校2〜3年分、合格確保校1〜2年分
- 見るのは点数だけでなく、大問数・制限時間・記述量・第1志望にない出題・合格最低点との差
- 入試期間は令和9年2月1日から3月25日。併願校の過去問は12月までに1周しておく
武田塾大曽根校の無料受験相談では、受験校リストを3層に分けたうえで、どの大学の過去問をいつ・何年分解くかを一緒に決めます。
併願校が決まりきっていない段階でもご相談いただけます。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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