工学部は学科の数が多く、「どの学科を第1志望にするか」で迷ったまま勉強を始めてしまう受験生が多い学部です。
武田塾大曽根校の受験相談でも、名古屋大学の工学部を志望する高校生から学科選びの質問をよく受けます。
この記事では、名古屋大学工学部の7学科の募集人員、前期日程の配点、学科別の合格最低点、そして知っておくと出願が有利になる高得点者選抜と第2志望の仕組みを、公式の選抜要項と入試結果から整理します。
数字はすべて公式資料の引用です。
大曽根校の校舎長がまとめました。
読み終えたときに、「自分はどの学科に出願し、どの科目に時間を寄せるか」を判断できる状態になることを目指します。
結論:工学部は個別学力検査で決まる配点
名古屋大学工学部の前期日程は、共通テスト635点に対して個別学力検査1,300点、合計1,935点です。
個別学力検査が全体の67%を占めます。
名古屋大学のほかの学部と比べても、工学部は共通テストの比重がはっきり軽く設計されています。
共通テストで思うように取れなくても、個別学力検査の数学と理科で挽回できる配点です。
工学部は7学科
令和9年度の学科構成と、一般選抜前期日程の募集人員です。
| 学科 | 前期日程(一般枠) | 学校推薦型選抜 |
|---|---|---|
| 化学生命工学科 | 85名 | 7名(+女子枠7名) |
| 物理工学科 | 73名 | 6名(+女子枠4名) |
| マテリアル工学科 | 95名 | 11名(+女子枠4名) |
| 電気電子情報工学科 | 116名 | 6名(+女子枠6名) |
| 機械・航空宇宙工学科 | 145名 | 10名(+女子枠5名) |
| エネルギー理工学科 | 34名 | 3名(+女子枠3名) |
| 環境土木・建築学科 | 72名 | 8名 |
| 合計 | 620名 | 80名 |
環境土木・建築学科は、環境土木工学プログラムと建築学プログラムに分かれています。
学校推薦型選抜には女子枠が設けられており、6学科で合計29名が募集されています。
学校推薦型選抜は共通テストを課す方式で、各学科の口頭試問、志願理由書、推薦書、調査書と共通テストの成績で総合的に選抜されます。
校地は東山、大曽根から名城線1本
工学部の校地は東山にあります。
所在地は名古屋市千種区不老町で、地下鉄名城線の名古屋大学駅を降りてすぐです。
大曽根駅も名城線の駅なので、乗り換えなしで行けます(名古屋大学 交通アクセス)。
オープンキャンパスや大学見学に行きやすい距離です。
学科の違いはパンフレットの文字だけでは判断しづらいので、研究室の展示を見て「何を作っている学科か」を自分の目で確かめておくと、志望学科を決める材料になります。
前期日程の配点は7学科とも共通
工学部は7学科すべてで同じ配点です。
| 教科 | 共通テスト | 個別学力検査 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 200 | ― | 200 |
| 地歴・公民 | 100 | ― | 100 |
| 数学 | 100 | 500 | 600 |
| 理科 | 100 | 500 | 600 |
| 外国語 | 100 | 300 | 400 |
| 情報 | 35 | ― | 35 |
| 小計 | 635 | 1,300 | 1,935 |
この表で押さえてほしい点が3つあります。
- 共通テストの外国語は、ほかの学部が200点満点のところ、工学部だけ100点満点に換算されます。リーディングとリスニングの比率は3対1です
- 共通テストの情報は35点です。名古屋大学のほかの学部は50点なので、工学部は情報の比重がわずかに小さく設定されています
- 個別学力検査の数学500点と理科500点で1,000点。総配点1,935点の52%が、この2教科で動きます
国語200点と地歴・公民100点は共通テストのみです。
合計300点あり、無視できる大きさではありませんが、数学と理科に比べれば投資の優先度は下がります。
個別学力検査の中身と試験時間
個別学力検査の理科は、物理基礎・物理と化学基礎・化学で固定です。
生物や地学を選ぶことはできません。
理系科目の選択で迷う余地がないぶん、高2の段階で物理と化学の学習計画を立てやすい学部です。
数学は数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学Aが全範囲、数学Bは「数列」、数学Cは「ベクトル」と「平面上の曲線と複素数平面」から出題されます。
試験室では公式集が配付されます。
試験時間は次のとおりです(令和8年度一般選抜学生募集要項)。
| 日程 | 教科 | 時間 |
|---|---|---|
| 1日目 | 外国語 10:00〜11:45 | 105分 |
| 1日目 | 理科 13:45〜16:15 | 150分 |
| 2日目 | 数学 10:00〜12:30 | 150分 |
理科150分で2科目、数学150分。
どちらも1問に時間をかけられる長さです。
短時間で処理する練習だけでは足りません。
高3の秋以降は、実際の時間で通しの演習を入れてください。
工学部に後期日程はありません。
高得点者選抜と第2志望の仕組み
工学部には、知っているかどうかで出願戦略が変わる制度が2つあります。
高得点者選抜
- 共通テストの高得点者選抜:各学科の前期日程募集人員の10%を限度に、個別学力検査の成績が定められた基準を上回る者について、第1志望学科に限り、共通テストの成績で選抜します
- 個別学力検査の高得点者選抜:各学科の前期日程募集人員の10%を限度に、第1志望学科に限り、共通テストの成績にかかわらず、個別学力検査の成績で選抜します
どちらも第1志望学科でしか適用されません。
共通テストで失敗しても個別学力検査で押し切れる道があり、逆に個別学力検査に不安があっても共通テストで拾われる道もあるということです。
第2志望学科
工学部では第2志望学科までの志願が認められています。
第1志望が不合格でも、第2志望学科での合否判定を受けられます。
ただし高得点者選抜は第1志望学科限定なので、第1志望をどこに置くかは慎重に決めてください。
学科別の合格最低点
令和8年度の前期日程の結果です。
満点は7学科とも1,935点です。
| 学科 | 合格最低点 | 得点率 | 合格者平均 |
|---|---|---|---|
| 化学生命工学科 | 1,197 | 61.9% | 1,291.05 |
| 物理工学科 | 1,191 | 61.6% | 1,263.19 |
| マテリアル工学科 | 1,190 | 61.5% | 1,264.88 |
| 電気電子情報工学科 | 1,266 | 65.4% | 1,351.72 |
| 機械・航空宇宙工学科 | 1,239 | 64.0% | 1,342.78 |
| エネルギー理工学科 | 1,200 | 62.0% | 1,242.51 |
| 環境土木・建築学科 | 1,192 | 61.6% | 1,291.91 |
出典:令和8年度 合格最高・最低点及び合格者の平均点一覧。
工学部の合格最低点は、高得点者選抜を除く合格者の最低点です。
学科によって最低点に76点の幅があります。
電気電子情報工学科と機械・航空宇宙工学科がやや高く、マテリアル工学科と物理工学科が低めです。
ただしどの学科も6割台前半で合格しています。
4割近く落としても届く試験だという事実は、目標設定を現実的にしてくれます。
令和8年度の志願状況は、前期日程が募集620名に対して志願1,509名、受験1,441名、合格636名でした(令和8年度 志願者数等一覧)。
志願倍率は約2.4倍です。
大曽根校で伝えている勉強の順番
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高1 | 英単語・英文法・数学ⅠAの基礎問題集を1冊ずつ終える |
| 高2 | 数学ⅡBCと数学Ⅲに入る。物理と化学の基礎を並行して固める |
| 高3の春 | 数学と理科の標準レベルへ。過去問を1年分解いて到達度を測る |
| 高3の夏 | 志望校レベルの問題集を進める。150分の通し演習を月1回入れる |
| 高3の秋 | 過去問演習と分野別の穴埋め。第1志望と第2志望の学科を決める |
| 高3の冬 | 共通テストの得点率を上げる。終了後は個別学力検査の過去問へ |
工学部志望で優先すべきは、数学と理科の完成度です。
共通テストの外国語が100点に圧縮される配点なので、英語に極端な時間を割く必要はありません。
ただし個別学力検査の外国語は300点あります。
捨てる科目ではなく、標準レベルを確実に取る科目という位置づけです。
よくある質問
名古屋大学工学部は共通テストと二次試験のどちらが重要ですか
個別学力検査です。
共通テスト635点に対して個別学力検査1,300点で、全体の67%を個別学力検査が占めます。
共通テストの外国語は100点満点に換算され、情報も35点と小さめです。
共通テストで失点しても個別学力検査で挽回できる配点になっています。
工学部の学科はどこが一番入りやすいですか
令和8年度の合格最低点で見ると、マテリアル工学科1,190点、物理工学科1,191点、環境土木・建築学科1,192点が低めでした。
ただし差は数十点で、年度によって入れ替わります。
入りやすさより、研究内容と第1志望に置いたときの高得点者選抜を考えて決めてください。
工学部の理科は生物で受験できますか
できません。
個別学力検査の理科は物理基礎・物理と化学基礎・化学で固定されています。
共通テストでも物理と化学が指定されているため、工学部志望なら高2の段階で物理と化学を選択しておく必要があります。
まとめ
- 工学部は7学科。前期日程の募集人員は合計620名で、学校推薦型選抜80名には女子枠29名が含まれる
- 配点は7学科共通で、共通テスト635点+個別学力検査1,300点の1,935点満点。個別が67%を占める
- 共通テストの外国語は100点満点に換算、情報は35点。理科は物理と化学に固定
- 高得点者選抜は第1志望学科限定で募集人員の10%が上限。第2志望学科まで志願できる
- 令和8年度の合格最低点は1,190〜1,266点で、得点率は6割台前半
武田塾大曽根校の無料受験相談では、工学部の配点表を一緒に開いて、数学と理科にどれだけ時間を寄せるか、第1志望と第2志望の学科をどう組むかまで含めて計画を作ります。
学科をまだ決めきれていない段階でもご相談ください。
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入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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