愛知県内で工学系の学部を置いている代表的な大学は、名古屋大学、名古屋工業大学、豊田工業大学、名城大学です。
4校の違いは、学科をどこまで細かく分けているかに表れます。
名古屋大学は7学科、名城大学の理工学部は9学科、名古屋工業大学は課程と学科を組み合わせた形、豊田工業大学は1学科です。
「工学部に行きたいが、どの大学のどの学科を選べばよいか分からない」「入学時に専門を決めきれない」。
武田塾大曽根校の受験相談で、名古屋市北区・東区・守山区の高校生からよく出る質問です。
この記事では、4大学の工学系学部の学科構成と入学定員、入試の設計を公式資料から整理します。
数字はすべて大学が公表している資料からの引用です。
大曽根校の校舎長がまとめました。
4大学の工学系学部の全体像
| 大学 | 設置 | 学部・学科 | 出願の単位 |
|---|---|---|---|
| 名古屋大学 | 国立 | 工学部:7学科 | 学科ごと(第2志望学科まで志願可) |
| 名古屋工業大学 | 国立 | 工学部:高度工学教育課程5学科/創造工学教育課程/基幹工学教育課程(夜間主) | 課程・学科ごと |
| 豊田工業大学 | 私立 | 工学部:先端工学基礎学科の1学科 | 1学科で出願し2年次後期に主専攻を決定 |
| 名城大学 | 私立 | 理工学部:9学科(情報工学部は別学部) | 学科ごと |
出典:名古屋大学 令和9年度入学者選抜要項/名古屋工業大学 募集区分・募集人員/豊田工業大学 概要と特色/名城大学 理工学部
出願の時点で学科まで決める大学と、入学後に専門を決められる大学があります。
この違いが、志望校選びでいちばん効いてきます。
名古屋大学 工学部
工学部は、化学生命工学科、物理工学科、マテリアル工学科、電気電子情報工学科、機械・航空宇宙工学科、エネルギー理工学科、環境土木・建築学科の7学科です。
令和9年度の募集人員は、前期日程の一般枠620名と女子枠80名の合計700名です。
前期日程の配点は次のとおりです。
| 区分 | 国語 | 地歴公民 | 数学 | 理科 | 外国語 | 情報 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 共通テスト | 200 | 100 | 100 | 100 | 100 | 35 | 635 |
| 個別学力検査 | ― | ― | 500 | 500 | 300 | ― | 1,300 |
| 合計 | 200 | 100 | 600 | 600 | 400 | 35 | 1,935 |
個別学力検査が全体の約67%を占めます。
数学と理科でそれぞれ500点なので、この2科目の完成度がそのまま合否に直結します。
工学部には他学部にない仕組みが2つあります。
1つは第2志望学科まで志願できること。
もう1つは高得点者選抜で、各学科の前期日程募集人員の10%を限度に、共通テストの高得点者と個別学力検査の高得点者をそれぞれ第1志望学科に限って選抜します。
得意科目が突き抜けている受験生には、この枠が働くことがあります。
名古屋工業大学 工学部
名古屋工業大学は、学科ではなく「課程」で募集の枠組みが分かれています。
- 高度工学教育課程(昼間部):生命・応用化学科210名、物理工学科105名、電気・機械工学科200名、情報工学科145名、社会工学科150名
- 創造工学教育課程(昼間部):材料・エネルギーコースと情報・社会コースの2コースで合計100名
- 基幹工学教育課程(夜間主):電気・機械工学コース20名ほか
工学部全体の入学定員は930名です。
名古屋大学の工学部より定員が大きく、学科ごとの定員も200名前後の枠があります。
工学系に絞った単科大学で、学科ごとの定員が大きいのが特徴です。
志望する課程と学科の定員を、募集要項で確認してから出願先を決めてください。
豊田工業大学 工学部
工学部は先端工学基礎学科の1学科です。
機械システム、電子情報、物質工学の3分野を横断的に学び、2年次後期に主専攻を決める仕組みになっています。
高校生の段階で「機械か電気か」を決めきれない場合、この設計は選ぶ理由になります。
入学してから1年半、実際に学んだうえで専攻を選べるためです。
もう1つの特徴が、企業から派遣された社会人学生と高校卒業の一般学生が同じ教室で学ぶ環境です。
大学の説明では、双方にとって刺激となる勉学の環境と位置づけられています。
少人数の教育体制で、アドバイザー制度により科目履修や研究室選択の相談ができる仕組みも用意されています。
名城大学 理工学部
理工学部は、数学科、電気電子工学科、化学・物質学科、機械工学科、交通機械工学科、メカトロニクス工学科、社会基盤デザイン工学科、環境創造工学科、建築学科の9学科です。
天白校地にあります。
注意が必要なのは学科の変更です。
情報工学科は募集を停止し、情報工学部として独立しました。
材料機能工学科と応用化学科も2026年度以降は募集停止で、化学・物質学科に再編されています。
数年前の情報を載せたサイトを見ると、いまは募集していない学科が並んでいることがあります。
学科名は必ず大学公式ページで確認してください。
交通機械工学科やメカトロニクス工学科のように、名称の段階で分野が絞られている学科があるのが特徴です。
学びたい分野が決まっている人には選びやすい構成になります。
4校から絞り込む順番
大曽根校では、次の順番で考えてもらっています。
| 手順 | 決めること |
|---|---|
| 1 | 入学時に専門を決めるか、入学後に決めるか。決めきれないなら豊田工業大学や名古屋工業大学の創造工学教育課程が候補です |
| 2 | 学びたい分野。建築・土木なら名古屋大学の環境土木・建築学科や名城大学の建築学科・社会基盤デザイン工学科が候補になります |
| 3 | 国公立か私立か。国公立は共通テストが必要で、情報を含めた科目数の準備が要ります |
| 4 | 配点。名古屋大学の前期は数学500点・理科500点で、この2科目の比重が特に大きい設計です |
| 5 | 校地までの通学時間。理系は実験や研究室で拘束時間が長くなります |
工学部志望で多いのが、学科名から中身を想像して決めてしまうことです。
同じ「機械」でも大学によって学ぶ範囲が違います。
オープンキャンパスの模擬講義やシラバスを見て、4年間の中身を確認してから決めてください。
工学部を目指す高校生がいまやること
工学部の入試は、どの大学でも数学と理科の配点が重い設計です。
順番は変わりません。
- 高1:数学ⅠAの基礎問題集と英単語・英文法を1冊ずつ終える。公式を覚えるのではなく、定義を説明できる状態にする
- 高2:数学ⅡBCまで基礎を終え、物理・化学の基礎問題集に入る。志望校の配点を確認し、理科2科目の選択を決める
- 高3の前半:数学Ⅲと理科の標準レベルを終える。国公立志望は共通テストの情報も計画に入れる
- 高3の後半:過去問演習。数学と理科の記述量に慣れる時間を確保する
大曽根校の受験相談でよく分かるのは、「解けるが説明できない」まま先に進んでいる生徒が多いことです。
物理で「速さと速度の違い」を説明できるか、数学で解法を選んだ理由を言えるか。
工学部の個別試験は記述なので、この差がそのまま得点差になります。
よくある質問
名古屋大学の工学部は共通テストと2次試験のどちらが重要ですか
前期日程は共通テスト635点に対して個別学力検査1,300点で、個別学力検査が全体の約67%を占めます。
特に数学500点・理科500点の比重が大きい設計です。
ただし共通テストの高得点者選抜もあるため、共通テストを捨てることはできません。
入学時に専門分野を決めきれない場合はどの大学が向いていますか
豊田工業大学の先端工学基礎学科は1学科制で、2年次後期に主専攻を決めます。
名古屋工業大学の創造工学教育課程も、材料・エネルギーコースと情報・社会コースという広い枠での募集です。
入学後に決めたい人にはこの2つが候補になります。
名城大学の理工学部に情報工学科はありますか
情報工学科は募集を停止し、情報工学部として独立しました。
情報系を志望する場合は理工学部ではなく情報工学部を確認してください。
学科の再編は数年おきに起きるため、志望校の学科名は必ず公式ページで確認してください。
まとめ
- 名古屋大学工学部は7学科で、令和9年度の前期募集人員は一般枠620名・女子枠80名です
- 名古屋工業大学は課程制で、工学部全体の入学定員は930名です
- 豊田工業大学は先端工学基礎学科の1学科制で、2年次後期に主専攻を決めます
- 名城大学の理工学部は9学科。情報工学科は情報工学部として独立しています
- 名古屋大学の前期は数学500点・理科500点。志望校の配点を確認してから勉強の配分を決めてください
武田塾大曽根校の無料受験相談では、志望する工学部の学科と配点を公式資料で一緒に確認し、数学と理科をいつまでにどこまで仕上げるかの計画をその場で作ります。
学科を決めきれていない段階でもご相談ください。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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