「名古屋大学を目指しているが、物理だけが伸びない」。
武田塾大曽根校の無料受験相談で、理系の高校生から毎年いただく相談です。
この記事では、名古屋大学の二次試験で物理がどう出題され、どれだけの点数を占めるのかを公式の募集要項から整理し、そこから逆算した勉強の順番をお伝えします。
書いているのは、大曽根校で理系生徒の学習計画を担当している校舎長です。
読み終わると、「物理にどれだけ時間を割くべきか」「今の時期に何をすべきか」が判断できるようになります。
結論:名大の理系は物理を捨てられない
名古屋大学の二次試験(個別学力検査)では、理科の配点が数学と同じ重さです。
工学部にいたっては、理科の選択科目に「物理基礎・物理と化学基礎・化学」が指定されており、物理を避けるという選択肢そのものがありません。
物理は「得意なら加点される科目」ではなく、「合否を分ける主要科目」です。
学部別に見る名大二次試験の理科
令和8年度(2026年度)入試の募集要項から、理系学部の理科の扱いを抜き出しました。
| 学部・学科 | 二次試験の理科 | 物理は必須か |
|---|---|---|
| 工学部 | 物理基礎・物理と化学基礎・化学 | 必須(選択の余地なし) |
| 情報学部 コンピュータ科学科 | 4科目から2科目選択 | 必須(物理を含むこと) |
| 理学部 | 物理・化学・生物・地学から2科目選択 | 選択可 |
| 医学部 医学科/保健学科 | 物理・化学・生物から2科目選択 | 選択可 |
| 農学部 | 物理・化学・生物から2科目選択 | 選択可 |
| 情報学部 自然情報学科 | 4科目から1科目選択 | 選択可 |
出題範囲は「物理基礎・物理の全範囲」と明記されています。
範囲を絞る前提は立てられません。
情報学部コンピュータ科学科が物理を必須としている理由も、募集要項に書かれています。
物理が高校理科の中でコンピュータ科学の教育内容に最も近いから、という説明です。
名大側が物理をどう位置づけているかが読み取れる一文です。
理科の配点と試験時間
配点も学部で異なります。
代表的な2学部を並べます。
| 工学部 | 理学部 | |
|---|---|---|
| 共通テストの満点 | 635点 | 900点 |
| 二次試験の満点 | 1,300点 | 1,500点 |
| 二次の数学 | 500点 | 600点 |
| 二次の理科 | 500点 | 600点 |
| 二次の外国語 | 300点 | 300点 |
工学部は総合1,935点のうち、二次の理科だけで500点です。
共通テスト全体(635点)に迫る重さがあります。
理学部も同じ構造で、二次の理科600点は共通テスト900点の3分の2に相当します。
試験時間は、理科2科目をまとめて150分(13時45分〜16時15分)です。
1科目あたり75分という配分ではなく、2科目分をどう割り振るかは受験生に委ねられています。
得意科目を先に片づけて時間を稼ぐ、という時間戦略が成立する形式です。
ここまでを整理すると、名大の理系志望者にとって物理は「共通テストと同じくらいの時間を投じる価値がある科目」だと分かります。
物理が伸びない生徒に共通する3つのつまずき
大曽根校で物理の相談を受けるとき、原因はだいたい次の3つに分かれます。
- 公式を「文字の並び」として覚えている。どんな状況で使える式なのかを説明できない
- 図を描かずに式から入る。力の矢印や運動の向きを紙に描かないまま計算を始めてしまう
- 1周目で全分野を薄くなでている。力学が完成しないまま電磁気に進み、どちらも中途半端になる
3つ目が特に多いです。
物理は分野ごとの独立性が高い科目です。
英語や数学のように「全体を薄く一周してから深める」やり方が効きにくく、1分野ずつ入試レベルまで仕上げていく方が結果が出ます。
大曽根校で伝えている物理の進め方
順番はこうです。
- 力学を入試レベルまで仕上げる。名大の物理は力学が土台になります。ここが崩れていると他分野の得点も安定しません
- 電磁気に進む。力学の運動方程式の扱いがそのまま使えるので、力学の後に置くと理解が速くなります
- 熱力学・波動のどちらかを進める。この2分野は独立性が高く、順番はどちらでもかまいません
- 原子は最後。出題頻度が下がるため、優先順位は最も低くなります
各分野で踏む手順も固定しています。
- 講義系の参考書で現象のイメージをつかむ(読むだけで終わらせない)
- 基本問題集で公式を「どんな場面で使う式か」とセットで覚える
- 標準レベルの入試問題集で、初見の設定に対応する練習をする
- 名大の過去問で、150分をどう配分するかを含めて演習する
大切なのは1と2の間です。
講義系参考書を読んで「分かった」で止まると、問題を前にして手が動きません。
読んだその日のうちに、同じ単元の基本問題を自分の手で解いてください。
「分かる」と「解ける」の間には、必ず自分で手を動かす時間が要ります。
学年別の優先順位
| 学年 | この時期にやること |
|---|---|
| 高1 | 物理基礎の範囲を学校の進度に合わせて理解する。数学のベクトル・三角関数を先に固めると物理が楽になる |
| 高2 | 力学を入試レベルまで先行して仕上げる。学校が電磁気に入る前に力学を終えておくと、以降の授業が復習になる |
| 高3の春〜夏 | 電磁気と熱力学・波動を標準問題集で仕上げる。夏の終わりに全分野が一周している状態を目標にする |
| 高3の秋以降 | 名大の過去問と分野別演習。時間配分と、答案に何をどこまで書くかを固める |
高2のうちに力学を終えられるかどうかが、高3の物理の余裕を決めます。
学校の授業を待つ必要はありません。
名大の物理で答案に書くこと
名大の二次試験は記述式です。
答えの数値だけでなく、そこに至る過程が採点対象になります。
日ごろの演習でも、次の3つを紙に残す習慣をつけてください。
- どの物理法則を使ったか(運動方程式、エネルギー保存、電磁誘導の法則など、名前を書く)
- どの向きを正としたか(座標軸の取り方)
- 文字で答える問題では、使ってよい文字が何かを確認したうえでの式変形
普段からノートに残していない生徒は、本番でも書けません。
逆に、正解した問題でも過程が書けていなければ、それは本番で点を落とす練習をしていることになります。
よくある質問
名古屋大学の物理は難しいですか
出題範囲は物理基礎・物理の全範囲で、範囲を絞ることはできません。
ただし、二次試験は理科2科目150分という時間があり、大問の中で誘導が組まれる形式です。
標準レベルの問題集を確実に仕上げていれば対応できます。
奇問を追うより、力学と電磁気を確実にする方が得点は伸びます。
名大工学部を受けるのに物理を避けることはできますか
できません。
令和8年度の募集要項では、工学部の二次試験の理科は「物理基礎・物理と化学基礎・化学」と指定されています。
情報学部コンピュータ科学科も、2科目のうち物理を含むことが条件です。
物理と化学のどちらを先に固めるべきですか
工学部志望なら両方必要なので、先に固めるのは物理をおすすめしています。
物理は力学を仕上げると他分野の理解が加速する構造で、早く着手するほど伸びる時間が長く取れるためです。
化学は暗記の比重があるぶん、直前期でも積み増しがきく科目です。
まとめ
- 名大の理系は、二次試験の理科が数学と同じ配点。工学部は物理が指定科目で避けられない
- 理科は2科目150分。時間配分も含めて過去問で練習する必要がある
- 物理は全分野を薄く回すより、力学から1分野ずつ入試レベルまで仕上げる方が伸びる
- 高2のうちに力学を終えられるかが、高3の物理の余裕を決める
武田塾大曽根校の無料受験相談では、志望学部の配点を確認したうえで、物理にどれだけ時間を割くか、どの参考書をいつまでに終えるかを一緒に決めます。
物理が止まっている状態でも、現在地から組み直せます。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
名古屋市北区・大曽根駅の予備校・個別指導塾|武田塾大曽根校
〒462-0810 愛知県名古屋市北区山田1丁目4-30 ファーストヒビノビル2F・4F
地下鉄名城線・JR中央線・名鉄瀬戸線 大曽根駅 徒歩1分
TEL:052-982-6603(受付 13:30〜22:00、日曜休)
Mail:ozone@takeda.tv