同じ名古屋市内にある理系の国立大学。
名古屋大学工学部と名古屋工業大学、どちらを目指すか決めきれない。
武田塾大曽根校の受験相談で、理系の高2生から毎年出てくる相談です。
結論から書きます。
2校のいちばん大きな違いは、名古屋工業大学には後期日程があり、名古屋大学工学部には後期日程がないことです。
次に大きいのが、二次試験で必要な理科の科目数です。
名古屋大学工学部は物理と化学の2科目、名古屋工業大学は学科によって1科目で受けられます。
この記事では、両大学が公表している入学者選抜要項をもとに、募集人員と配点、入試科目を並べて比べます。
愛知の理系受験生を毎年見ている大曽根校の校舎長がまとめました。
学部・学科の構成が違う
名古屋大学工学部は7学科で構成されています。
- 化学生命工学科/物理工学科/マテリアル工学科/電気電子情報工学科/機械・航空宇宙工学科/エネルギー理工学科/環境土木・建築学科
名古屋工業大学は工学部の1学部ですが、その中が3つの教育課程に分かれています。
| 教育課程 | 学科・コース |
|---|---|
| 高度工学教育課程 | 生命・応用化学科/物理工学科/電気・機械工学科/情報工学科/社会工学科(建築・デザイン分野、環境都市分野、経営システム分野) |
| 創造工学教育課程 | 材料・エネルギーコース/情報・社会コース |
| 基幹工学教育課程(夜間主) | 電気・機械工学コース/環境都市工学コース |
出典:名古屋工業大学 2027年度(令和9年度)入学者選抜要項
基幹工学教育課程は夜間を主とした昼夜開講の課程で、修業年限は5年です。
働きながら学ぶ、あるいは学費と時間の使い方を変えて学ぶ選択肢が用意されている点は、名古屋大学工学部にはない特徴です。
校地は、名古屋大学工学部が名古屋市千種区の東山地区、名古屋工業大学が名古屋市昭和区御器所町にあります。
どちらも大曽根から地下鉄で通える範囲です。
募集人員を並べる
| 項目 | 名古屋大学 工学部 | 名古屋工業大学 工学部 |
|---|---|---|
| 一般選抜 前期日程 | 620名 | 487名 |
| 一般選抜 後期日程 | なし | 296名 |
| 学校推薦型選抜 | 80名(うち女子枠29名) | Ⅰ(共通テストなし)72名/Ⅱ(共通テストあり)65名 |
| 総合型選抜 | なし | 10名 |
| 合計 | 700名 | 930名(入学定員) |
出典:名古屋大学 令和9年度 入学者選抜要項/名古屋工業大学 2027年度 入学者選抜要項
名古屋大学の後期日程は医学部医学科の5名のみで、工学部の募集はありません。
つまり名古屋大学工学部は前期日程の一発勝負です。
一方、名古屋工業大学は後期日程に296名を割いています。
前期で不合格でももう一度受けられるかどうかは、出願戦略に直結します。
配点の違いが対策の違いになる
一般選抜の配点を比べます。
名古屋工業大学は共通テストの950点を換算して使う方式です。
| 区分 | 名古屋大学 工学部(前期) | 名古屋工業大学(前期) | 名古屋工業大学(後期) |
|---|---|---|---|
| 共通テスト | 635 | 450(950点を換算) | 300(950点を換算) |
| 個別 数学 | 500 | 400 | 400 |
| 個別 理科 | 500 | 400 | 400 |
| 個別 英語 | 300 | 200 | 200 |
| 個別 合計 | 1,300 | 1,000 | 1,000 |
| 総合計 | 1,935 | 1,450 | 1,300 |
| 共通テストの占める割合 | 約33% | 約31% | 約23% |
数字の並びは似ていますが、中身が違います。
名古屋大学工学部の共通テスト635点は、国語200点・地歴公民100点・数学100点・理科100点・外国語100点・情報35点という独自の配点です。
つまり共通テストの中で国語と地歴公民が300点、全体の約47%を占めます。
理系科目は100点ずつまで圧縮されるので、共通テストで理系科目に強くても差はつきにくく、逆に国語で崩れると響きます。
名古屋工業大学は950点満点をそのまま450点に換算するため、共通テストの中の科目比率は一般的な形(国語200・地歴公民100・数学200・理科200・外国語200・情報50)のままです。
数学と理科の得点がそのまま反映されます。
二次試験で必要な理科の科目数
ここが受験勉強の負担にいちばん効いてくる違いです。
| 大学 | 個別学力検査の理科 |
|---|---|
| 名古屋大学 工学部 | 物理基礎・物理と化学基礎・化学の2科目 |
| 名古屋工業大学 生命・応用化学科/物理工学科/社会工学科(前期) | 物理か化学から1科目を選択 |
| 名古屋工業大学 電気・機械工学科/情報工学科(前期) | 物理基礎・物理 |
| 名古屋工業大学 創造工学教育課程(前期) | 物理か化学から1科目を選択 |
名古屋大学工学部は物理と化学の両方を二次試験のレベルまで仕上げる必要があります。
名古屋工業大学は学科によって1科目に絞れます。
高3の夏の時点で理科2科目のうち片方が仕上がっていない場合、この差は大きな意味を持ちます。
英語の扱いも違います。
名古屋大学工学部は共通テストの英語を100点満点に換算します(リーディングとリスニングを3対1で200点満点にしたうえで、さらに100点に換算)。
名古屋工業大学は950点の中の200点としてそのまま扱ったうえで450点に換算します。
出願で使える仕組み
要項に書かれている、知っておくと得をする仕組みです。
- 名古屋大学工学部の高得点者選抜:各学科の前期日程募集人員の10%を限度として、第1志望学科に限り、共通テストの高得点者を選抜する枠と、共通テストの成績にかかわらず個別学力検査の高得点者を選抜する枠があります
- 名古屋大学工学部の第2志望学科:第2志望学科までの志願が認められています
- 名古屋工業大学の学校推薦型選抜:共通テストを課さないⅠ(72名)と、共通テストを課すⅡ(65名)の2種類があります。共通テストを課さない女子対象の枠も設けられています
- 名古屋工業大学の総合型選抜:社会工学科の建築・デザイン分野と環境都市分野、基幹工学教育課程(夜間主)で実施されます
いずれも出願資格や必要書類の条件があります。
使えるかどうかは、高2の冬までに募集要項で確認しておいてください。
大曽根校で伝えている選び方
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 二次試験で理科を2科目やり切れるか、高2の冬までに判断する |
| 2 | 共通テストで国語をどこまで伸ばせるかを模試の結果で見る |
| 3 | 前期一発で行くのか、後期も含めて2回受けたいのかを決める |
| 4 | 決めた大学の配点表を見て、重い科目から参考書の順番を組む |
判断に迷ったら、まずは共通の土台をつくってください。
どちらを受けるにしても、数学ⅠAⅡBC・数Ⅲの基礎、物理か化学の基礎、英文法と英文解釈は必ず必要です。
志望校を決めきる前でも進められる勉強は多くあります。
よくある質問
名古屋大学工学部と名古屋工業大学はどちらが受かりやすいですか
入試の構造が違うので、単純な比較はできません。
判断材料になるのは3点です。
名古屋工業大学には後期日程が296名分あり受験機会が2回あること、名古屋工業大学は学科によって二次の理科が1科目で済むこと、名古屋大学工学部は共通テストの中で国語と地歴公民が約47%を占めること。
自分の得意科目と、理科2科目を仕上げられるかで考えてください。
名古屋工業大学に夜間の課程はありますか
基幹工学教育課程(夜間主)があり、電気・機械工学コースと環境都市工学コースが設けられています。
夜間を主とした昼夜開講で、修業年限は5年です。
総合型選抜と学校推薦型選抜Ⅰでそれぞれ募集されています。
二次試験の理科は物理と化学のどちらを選ぶべきですか
名古屋工業大学の電気・機械工学科と情報工学科は前期日程で物理が指定されているため、この2学科を志望するなら物理が必要です。
生命・応用化学科・物理工学科・社会工学科と創造工学教育課程は物理か化学から1科目を選べます。
名古屋大学工学部は両方必要なので、名大を第1志望にするなら選ぶ余地はありません。
志望が固まっていない段階では、両方の基礎を進めておくのが安全です。
まとめ
- 名古屋大学工学部は前期日程のみ620名。名古屋工業大学は前期487名に加えて後期296名があります
- 配点は名大工学部が共通テスト635点+個別1,300点の合計1,935点、名工大前期が共通テスト450点換算+個別1,000点の合計1,450点です
- 名大工学部は共通テストの中で国語と地歴公民が約47%を占めます。理系科目は100点ずつに圧縮されます
- 二次の理科は名大工学部が物理と化学の2科目、名工大は学科により1科目で受けられます
武田塾大曽根校の無料受験相談では、両大学の配点表を並べて、今の学力と得意科目からどちらが届きやすいかを一緒に判断します。
そのうえで、理科を2科目やり切る計画にするのか1科目に絞るのかまで決めてお渡しします。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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