数学が得意な人と苦手な人の差は、頭の回転の速さではありません。
問題を見たときに浮かぶ解法の数と、その解法を選んだ先にどんな結果が出るかを予想できるかどうか。
この2つで決まります。
どちらも生まれつきの才能ではなく、勉強のやり方で後から身につく力です。
この記事では、武田塾大曽根校の校舎長が、数学が得意な生徒に共通する2つの考え方と、それを自分のものにするための具体的な勉強の手順をまとめます。
読み終えると、今日から問題集をどう解けばよいかが決まります。
結論:得意な人と苦手な人の差は2つだけ
| 得意な人 | 苦手な人 | 差が生まれる原因 |
|---|---|---|
| 問題を見て解法がいくつも浮かぶ | 解法が1つも浮かばないか、1つだけ | 解法をパターンとして覚えていない |
| 選んだ解法の先にどんな式が出るか予想できる | とりあえず書き始めて途中で詰まる | 解いたあとに過程を振り返っていない |
苦手な人は「ひらめかないから解けない」と考えがちです。
しかし実際に足りていないのは、ひらめきではなく手持ちの解法の数と、その解法を使った先を見通す経験です。
どちらも問題集の使い方を変えれば増やせます。
得意な人の考え方その1:手数が多い
図形問題で直角を見つけたとき、あなたは何を考えるでしょうか。
数学が得意な人の頭の中では、この時点でいくつもの選択肢が並びます。
- 直角三角形なので、円周角の性質から円を書いてみる
- 三角比が使えないか考える
- 面積を2通りで表せないか考える
- 三平方の定理で長さを出せないか考える
条件を1つ見ただけで、この数の選択肢が出てきます。
手数が多ければ、そのうちどれかが正解につながる可能性も高くなります。
逆に苦手な人は、直角を見ても「直角がある」で止まります。
条件と解法が結びついていないので、手が動きません。
ここで必要なのは考える時間を延ばすことではなく、条件と解法の対応を先に覚えることです。
得意な人の考え方その2:結果を予想しながら選ぶ
解法がいくつか浮かんだあと、どれを選ぶかをどう決めるか。
ここが2つ目の差です。
数学が得意な人は、その解法を選ぶとどんな過程をたどり、最終的にどんな形の式が出るかを、書き始める前にある程度予想しています。
予想した結果が問題の問われ方と噛み合わなければ、その解法は選びません。
だから途中で詰まって振り出しに戻ることが少なくなります。
苦手な人は、思いついた解法をとりあえず書き始めます。
行き当たりばったりに式を並べるので、計算が複雑になった時点で「これで合っているのか」が分からなくなり、時間だけが減っていきます。
解けるかどうかは、書き始める前の数十秒で決まっています。
手数を増やす勉強:解法をパターンで覚える
手数は問題を解いた量ではなく、覚えた解法の数で決まります。
大曽根校で指導している手順は次のとおりです。
- 1つの分野を決め、その分野の問題を型の違うものから順に解く
- 解けなかった問題は解説を読み、「どの条件を見て、どの解法を使ったか」を1行で書く
- 翌日に同じ問題をもう一度解き、その1行が再現できるか確かめる
- 分野の問題が一通り終わったら、条件と解法の対応表を自分で作る
大事なのは3の翌日の解き直しです。
解説を読んで納得しただけでは手数になりません。
何も見ずに同じ解法が出てくる状態まで持っていって、はじめて1つ増えたと数えます。
予想する力をつける勉強:解いたあとに説明する
予想する力は、解き終わったあとの数分でつきます。
問題を解いたら、次の3つを口に出すか書き出してください。
- なぜその解法を選んだのか(問題文のどの条件が根拠か)
- その解法を使うと、どんな過程で答えにたどり着くのか
- 他に候補があった解法は何で、なぜそれを選ばなかったのか
3つ目まで答えられれば、次に似た問題が出たときに解法を選ぶ基準ができています。
正解した問題こそ、この振り返りをする価値があります。
答えが合っていても、たまたま選んだ解法で合っただけなら次は再現できません。
数学を得意にするまでの進め方
| 段階 | やること | 次に進む目安 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 基礎の問題集で、条件と解法の対応を覚える | 例題を何も見ずに解ける |
| 第2段階 | 同じ分野の初見問題で、解法を選ぶ練習をする | 選んだ理由を言葉で説明できる |
| 第3段階 | 分野をまたいだ問題で、複数の解法を比べて選ぶ | 書き始める前に方針が立つ |
| 第4段階 | 志望校の過去問で、時間内に方針を決める練習をする | 制限時間内に手が止まらない |
第1段階を飛ばして初見問題ばかり解いても、手数がないので手が動きません。
逆に第1段階だけを繰り返しても、解法を選ぶ経験が積めないので本番で固まります。
段階を順に上げてください。
やってはいけない数学の勉強
- 解説を読んで納得した時点で次の問題へ進む。手数として残らない
- 解けた問題を振り返らない。選んだ根拠が言葉になっていないと再現できない
- 何冊も問題集を並行する。同じ分野の解法が分散して、対応表が作れない
- 計算練習だけを繰り返す。計算力は必要だが、解法を選ぶ力とは別物
よくある質問
数学の解法はどのくらい覚えれば手数が増えますか
冊数ではなく分野単位で数えてください。
1つの分野について、基礎の問題集の例題を何も見ずに再現できる状態になると、その分野では複数の解法が浮かぶようになります。
まず苦手な1分野で試して、手が動く感覚をつかむのが早道です。
ひらめきがない自分でも数学は得意になりますか
なります。
得意な人がひらめいているように見えるのは、条件と解法の対応が頭に入っていて、選択肢が一瞬で並ぶからです。
対応を覚える作業と、選んだ理由を振り返る作業を続ければ、同じ状態に近づきます。
解き方は合っていたのに答えが合いません。どうすればいいですか
方針と計算のどちらでつまずいたかを毎回記録してください。
方針が合っていて計算だけを落としているなら、必要なのは解法を増やすことではなく、途中式を省かずに書く習慣と見直しの手順です。
原因を分けずに問題数だけ増やしても、同じ失点が続きます。
まとめ
- 数学が得意な人は、条件を見た瞬間に浮かぶ解法の数が多い
- さらに、その解法を選んだ先の過程と結果を予想してから書き始めている
- 手数は、解けなかった問題の翌日の解き直しと、条件と解法の対応表で増やせる
- 予想する力は、解いたあとに「なぜその解法か」を言葉にすることで身につく
大曽根校の校舎長として多くの生徒を見てきましたが、数学が伸びる生徒は例外なくこの2つを毎日の問題演習の中でやっています。
今日の1問から、解き終わったあとに理由を書き足すところを始めてください。
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