数学で解けない問題に出会ったときにやってはいけないのは、解答をそのままノートに書き写して終わりにすることです。
写した瞬間は分かった気になりますが、同じ問題が初見の形で出ると手が止まります。
正しい対処法は「自分がどこまで分かっていて、どこから分からないのか」を先に切り分けることです。
高校受験の勉強を進めていると、解けない問題は必ず出てきます。
そこでの処理のしかたが、そのまま成績の伸び方を決めます。
この記事では、数学で解けない問題に出会ったときの手順を3段階に分けて説明します。
名古屋市北区の武田塾大曽根校の校舎長が、中学生の面談で実際に伝えている内容です。
難関私立高校の入試で数学がどれくらいの重さを持つのかも、公表されているデータで確認します。
最初にやるのは「分からない場所」の切り分け
解けない問題は、全部が同じ「解けない」ではありません。
次の3つに分かれます。
| 状態 | 具体的には | 取るべき行動 |
|---|---|---|
| 方針は立つが、途中で詰まる | 使う定理や公式が思い出せない、計算が合わない | 解答を途中まで見る |
| 方針が立たない | 何から手をつければよいか浮かばない | 解答を最後まで読んでから再現する |
| 解説を読んでも意味が取れない | 用語や前提知識が抜けている | 人に聞く |
この切り分けをせずに解答を開くと、どの状態でも同じ読み方になります。
同じ読み方をすれば、同じだけしか身につきません。
まず「自分はどれか」を1秒で判断してください。
手順1 解答を途中まで見て、そこから自力で解き直す
方針は立つのに途中で詰まった場合は、解答を途中まで見ます。
使う定理や公式、最初の一手が分かった時点で解答を閉じ、そこから先は自分で解き直します。
大事なのは、閉じる場所を自分で決めることです。
「ここまで分かれば最後まで行けるはずだ」と思ったところで手を止めます。
読み進めれば楽ですが、読み進めた分だけ自分で考える機会が消えます。
この方法が効くのは、解けなかった原因が「知識の穴」だったときです。
穴を埋めたあとに自力で完走できれば、その問題はもう自分のものです。
手順2 方針が立たないときは、解説を読んでから自分の言葉で再現する
解答を見ても解き方の筋道がまったく浮かばない場合は、解説を最後まで読みます。
ここで丸写しをしないでください。
読む目的は「写すこと」ではなく「理解すること」です。
理解できたかどうかを測る基準は1つだけです。
解答を閉じた状態で、自分の言葉で解き方を説明できるかどうかです。
やり方は次のとおりです。
- 解説を最後まで読む
- 解答を閉じる
- 何も見ずにノートに解き直す
- 途中で止まったら、止まった場所だけ解説に戻る
- 最後まで書けたら、自分がなぜ最初に思いつかなかったのかを1行でメモする
5番目のメモが、あとで効いてきます。
「三角形が出たら相似を疑う」「文字が2つなら式を2本作る」といった、自分用の判断基準がたまっていきます。
復習のときにメモだけを見返せば、弱点が並んだリストになります。
手順3 それでも分からないときは、聞き方を決めてから聞く
解説を読んでも意味が取れない場合は、学校や塾の先生に聞きます。
ここで結果が変わるのが、聞き方です。
- 良くない聞き方:「この問題が分かりません」
- 良い聞き方:「この式の3行目までは追えましたが、4行目でなぜこの変形をするのかが分かりません」
分かる部分と分からない部分の境目を自分で示してから聞くと、返ってくる説明が自分に必要な範囲だけになります。
境目を示せない場合は、そもそも解説を最後まで読めていないことが多いので、手順2に戻ってください。
聞いたあとは、必ずその場でもう一度自分で解き直します。
説明を聞いて分かった気になった状態と、自分で解ける状態は別ものです。
丸写しがなぜ危ないのか
解答の丸写しは、時間あたりの進みがいちばん速い勉強です。
ノートは埋まりますし、量をこなした感覚も残ります。
だから続けてしまいます。
問題は、丸写しでは「思いつく力」がつかないことです。
入試で出るのは、見たことのある問題そのものではなく、少し形を変えた問題です。
解き方を思い出す作業ではなく、条件から解き方を選ぶ作業が必要になります。
丸写しはこの選ぶ作業を一度も練習しないまま、ノートだけを増やしていきます。
分からない問題に使った時間は、その場では損に見えます。
ですが、切り分けて、自力で解き直して、メモを残した1問は、次の10問に効きます。
難関私立高校の入試で数学はどれくらい重いか
愛知県の難関私立高校では、数学の配点が大きく設定されています。
滝高等学校の高校入学試験を例に見ます。
| 科目 | 配点 | 令和8年度の受験者平均点 |
|---|---|---|
| 国語 | 100点 | 59.1点 |
| 数学 | 100点 | 60.3点 |
| 英語 | 100点 | 52.3点 |
| 社会 | 50点 | 25.7点 |
| 理科 | 50点 | 26.7点 |
| 総合 | 400点 | 224.1点 |
令和8年度の合格者最低点は、A受験が400点満点中215点、B受験が249点でした(同出典)。
総合の受験者平均が224.1点なので、合否は数十点の幅で決まっています。
配点100点の科目で1問落とすかどうかは、この幅の中では小さくありません。
解けなかった問題を丸写しで流すか、切り分けて自分のものにするかの差が、そのまま数十点の差になります。
よくある質問
数学の解答はどこまで見てよいですか
方針が立っているなら、最初の一手や使う定理が分かった時点で閉じてください。
方針が立たないなら最後まで読み、そのあと解答を閉じて自分の言葉で再現します。
どちらの場合も「読んだあとに自力で解き直す」までがセットです。
分からない問題に何分かけてから解答を見ればよいですか
中学生の場合、1問につき5分から10分が目安です。
手が動かないまま10分を超えたら、その時間は考える時間ではなく止まっている時間です。
解答を開いて手順2に進んだほうが、同じ10分で身につくものは多くなります。
高校受験の数学と高校の数学はつながっていますか
つながっています。
方程式・関数・図形の考え方は高校でもそのまま使います。
中学内容を「答えを覚えている」ではなく「解き方を選べる」状態にして入学できるかどうかで、高1のスタートが変わります。
まとめ
- 解けない問題は、方針が立つか・立たないか・解説が読めないかで対処法を変えます
- 方針が立つなら解答を途中まで、立たないなら最後まで読んでから自分の言葉で再現します
- 人に聞くときは、分かる部分と分からない部分の境目を先に示します
- 解答の丸写しは進みが速く見えますが、条件から解き方を選ぶ練習が一度も入りません
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- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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