理系に進みたいけれど、理学部と工学部と情報学部の違いが分からない。
武田塾大曽根校の受験相談で、高1・高2の生徒から毎年受ける質問です。
学部を決めないまま高3を迎えると、科目を絞れず勉強量が分散します。
結論を先に書きます。
理学部は「今あるものを解明する」学部、工学部は「解明されたものを使って作る」学部、情報学部は「情報という切り口で対象を扱う」学部です。
3つは目的が違い、そのため入試で問われる科目の重みまで違います。
この記事では、名古屋大学と名古屋工業大学の実際の学科構成と入試配点を公式サイトで確認し、3つの学部の違いと選び方を整理します。
大曽根校の校舎長と、理系学部に在籍する講師の説明をもとにしています。
3つの学部の違いを1行で
| 学部 | 中心にある問い | 学ぶことの例 |
|---|---|---|
| 理学部 | なぜそうなるのか | 数学、物理、化学、生物、地球惑星の原理を突き詰める |
| 工学部 | どう作るか | 材料、機械、電気、化学、建築など、ものと仕組みの設計 |
| 情報学部 | 情報をどう扱うか | データ解析、計算機科学、人と社会に関わる情報の分析 |
理学部と工学部の違いは「解明」と「応用」です。
工学部は理学部の成果を土台にして、社会で使えるものを作ります。
情報学部はこの2つと軸が違い、扱う対象が自然でも人工物でもなく「情報」である点が特徴です。
理学部で学ぶこと
理学部は、自然界の現象を論理的に突き詰める学部です。
高校で習った数学・物理・化学・生物・地学の内容を、公式を使う側から公式を証明する側へと深めていきます。
名古屋大学理学部は、数理学科、物理学科、化学科、生命理学科、地球惑星科学科の5学科で構成されています(名古屋大学理学部)。
学科ごとに扱う対象がはっきり分かれているので、「この分野を深くやりたい」が決まっている人に向いています。
一方で、扱う分野が絞られる分、入学後に別の分野へ移るのは工学部より難しくなります。
高1・高2のうちに、興味のある教科が数学寄りなのか、実験寄りなのかを見ておくと選びやすくなります。
工学部で学ぶこと
工学部は、既にある知識を使って新しいものを作る学部です。
学科の種類が多く、同じ「工学部」でも大学によって構成がかなり違います。
名古屋工業大学の工学部は、3つの教育課程に分かれています(名古屋工業大学 教育)。
| 課程 | 学科・コース |
|---|---|
| 高度工学教育課程 | 生命・応用化学科、物理工学科、電気・機械工学科、情報工学科、社会工学科 |
| 創造工学教育課程(6年一貫) | 材料・エネルギーコース、情報・社会コース |
| 基幹工学教育課程(夜間主・5年課程) | 電気・機械工学コース、環境都市工学コース |
このように、工学部は「学部の中でどの学科を選ぶか」で学ぶ内容が大きく変わります。
志望校を決めるときは学部名だけを見ず、必ず学科の一覧まで公式サイトで確認してください。
同じ名前の学科でも、大学によって研究の中身が違います。
情報学部で学ぶこと
情報学部は、情報を軸に自然科学と社会科学の両方を扱う学部です。
「理系なのか文系なのか」が分かりにくいと言われるのは、実際に両方の入り口があるためです。
名古屋大学情報学部は、自然情報学科、人間・社会情報学科、コンピュータ科学科の3学科で構成されています(名古屋大学情報学部)。
自然情報学科は自然現象と情報処理のつながりを、人間・社会情報学科は人間と社会における情報を、コンピュータ科学科は計算機の理論と応用を扱います。
入試を見ると、この違いがはっきりします。
名古屋大学の令和8年度入学者選抜要項では、自然情報学科とコンピュータ科学科は個別学力検査で数学・理科・外国語が課される一方、人間・社会情報学科は個別学力検査で国語と地理歴史が課されます。
同じ学部の中に、理系型と文系型の入口が並んでいるということです。
入試科目と配点の違い
名古屋大学の一般選抜(前期日程)の配点を並べると、学部ごとに何を重く見ているかが分かります。
| 学部・学科 | 共通テスト | 個別学力検査 | 個別の内訳 |
|---|---|---|---|
| 理学部 | 900 | 1500 | 数学600、理科600、外国語300 |
| 工学部 | 635 | 1300 | 数学500、理科500、外国語300 |
| 情報学部 自然情報学科 | 950 | 1100 | 数学400、理科300、外国語400 |
| 情報学部 コンピュータ科学科 | 950 | 1300 | 数学500、理科500、外国語300 |
理学部と工学部は数学と理科の比重が高く、外国語は300点です。
同じ情報学部でも、自然情報学科は外国語が400点で理科が300点、コンピュータ科学科は理科が500点で外国語が300点と、重みが入れ替わります。
学科を1つ変えるだけで、伸ばすべき科目が変わるということです。
工学部の共通テスト配点が635点と他学部より小さい点も見逃せません。
二次試験の記述力が、そのまま合否に直結します。
高1・高2の学部の決め方
大曽根校で高1・高2に伝えている順番です。
- 得意な教科ではなく、時間を忘れて取り組める教科を書き出す
- その教科が「原理を知りたい」寄りか「作りたい」寄りかを考える
- 志望候補の大学の学科一覧を公式サイトで開き、学科名を10個書き写す
- 気になった学科の研究内容を1つだけ読む
- その学科の入試科目と配点を確認し、いま足りない科目を1つ決める
4まで進めれば、5で「何を勉強すればいいか」が自動的に決まります。
学部選びは進路の話であると同時に、今週の勉強を決める話でもあります。
よくある質問
理学部と工学部はどちらが就職に有利ですか
学部名だけで決まるものではないので、この記事では有利・不利の断定はしません。
判断材料として見るべきは、志望する大学・学科が公表している進路データです。
各大学の公式サイトに学科ごとの進路先が公開されているので、学部を比べる前にそこを開いてください。
情報学部は理系ですか、文系ですか
名古屋大学情報学部の場合、学科によって入口が違います。
自然情報学科とコンピュータ科学科は個別学力検査で数学・理科・外国語が課され、人間・社会情報学科は国語と地理歴史が課されます。
文系の科目で受験できる情報系の学科もある、という理解が正確です。
高1・高2で学部を決められないときはどうすればいいですか
決めきれなくても構いませんが、「理系のどの方向か」だけは仮でも置いてください。
数学と英語はどの学部でも必要になるため、迷っている期間もこの2科目を進めておけば無駄になりません。
大曽根校では、学部が決まっていない高1・高2にも、まず数学と英語の基礎参考書から計画を作っています。
まとめ
- 理学部は解明、工学部は応用と設計、情報学部は情報を軸に対象を扱う学部
- 名古屋大学理学部は5学科、情報学部は3学科。名古屋工業大学の工学部は3課程に分かれる
- 同じ学部でも学科によって入試の配点が変わる。理学部・工学部は数学と理科が重い
- 学部が決まらない時期も、数学と英語を進めておけば選択肢は狭まらない
理系の学部選びで迷っている高校生と保護者の方は、武田塾大曽根校の無料受験相談で、志望候補の学科の配点を一緒に確認し、いま進めるべき科目と参考書を決めます。
学部が決まっていない段階でもお越しいただけます。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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