より実践的な英語学習という文部科学省の取り組みの影響もあって、
リスニングは重要視されてきつつあります。
50点だったセンター試験のリスニング配点から、
100点への共通テストのリスニング配点の増加や、
各大学英語試験のリスニング項目設置などからも分かるように、
大学受験においてもリスニングの重要性は高まっています。
ですが、多くの人はリスニングが苦手で
「多少リスニングの点数が低くても、他で挽回する」と考えていると思います。
しかし、ここまでリスニングの重要性が高まった以上そうは言ってられません。
しっかりと対策に時間を費やしリスニングを「得点源」にする必要があります。
ここでは、高１高２生などの非受験生に対してと
受験生に対してのリスニング対策法をそれぞれ伝授していきます。
非受験生向けリスニング対策
英語に触れて「英語を聞く耳を鍛える」
受験が目前に迫っているわけではないので、
非受験生のやるべきことはリスニング対策ではなく、
「英語を聞く耳を鍛えること」です。
具体的には洋楽を聞いたり、洋画を英語音声で視聴することを推奨します。
きっちりした教材で学習するのが効率的ではありますが、
リスニングに限らず継続することが受験勉強で最も重要な要素の一つです。
その点において音楽や映画は苦に感じることが少なく、程
よい集中力で英語を聞くことができます。
一気に鍛えるのではなく徐々に鍛えていく
「英語を聞く耳」は何かしらの絶対的な基準があるわけではなく、
少しずつ培っていく物ですので、リスニング力が向上しているとは気付きにくいですが、
決して短期間で得られる物ではなく他の受験生との差をつける
大きな武器になるので継続的に洋画や洋楽を視聴するようにしてください。
主体的にリスニング能力を更に向上したいと思えるようになったら、
好きな洋画の好きなシーンで音声や字幕で何と言ってるのか、
日本語の意味は何かを考えるようにするのが効果的です。
特にYouTubeなどで、大作映画の名シーンだけが
切り取られている動画も多数あるのでそれらを活用するのも有効な勉強方法です。
受験生向けリスニング対策
時間をかけてはいられないから使っている単語帳・文法書を最大限活用する！
残念ながら受験生は楽しい方法で英語を聞く耳を育てる時間はありません。
ただでさえ1年という短い時間で他の教科にも
たくさんの時間をかける必要があるからです。
なので手っ取り早くリスニング力を向上させる必要があります。
しかし、全てを0から積み上げていく必要はありません。
まずは、リーディングでやっている単語と文法を
できる限り完璧に把握することです。
単語はもちろん文法もリスニングで必要不可欠なピースです。
基本文型がわかっていれば次に来る品詞や聞き逃した品詞を推測することで、
結果的に確実性の高い意味を推測することができますが、
あいまいな感覚に基づく憶測は当てになりません。
そのためやるべきことの一つは単語と文法に時間を割くことです。
このことに関してはリスニングに限らず
リーディングでも必要になるので、
より重点的に取り組むようにしましょう。
おススメの取り組み方
また、具体的なリスニングの対策としては
「志望校のリスニング難易度の一つ上の教材を使用すること」です。
さらに、最初は初級編の教材を使用することも必要ないと私は考えます。
その場合志望校の一つ上の難易度だとほとんどの人が
何を言っているのか全く把握できずに設問にも一切答えられないと思います。
なので設問を解くのではなく、
「原稿を見て一語一句何を言っているかを追うこと」を目的としてください。
完全に原稿無しでも一語一句追えるようになるまで繰り返します。
恐らく10回ほどはかかると思います。
別の問題に移ってもまだ原稿がなければ何と言っているかは把握できないでしょう。
しかし、同じように繰り返すことで英語を聞く耳は必ず鍛えられます。
ただ聞くだけになってはいけません。
「聞きにくい箇所はどうして聞きにくいのか？」を分析していきましょう。
前置詞の弱発音だったりリンキングだったり、
難しいところを難しいで終わらすのではなく、
反復練習を繰り返して克服していく必要があります。
難易度が一つ上の教材を使用する理由は、
「受験本番時にリスニングは時間をかけて考えると言ったことができないから」です。
長文読解にしろ、文法問題にしろ、試験問題は立ち止まって考える時間があります。
しかし、リスニングの再生を途中で止めることはできません。
最後まで聴き終えてから考えることはできますが、
途中でなんと言っていたかを熟考することはできません。
しかし練習段階でより難しいリスニングに慣れていれば、
本番の焦りやプレッシャーを考慮しても
比較的簡単な問題に対して余裕を持って臨むことができます。
また、原稿を使わないときや試験の時には
頭の中で訳さずにシャドーイングすることを推奨します。
『単語帳の効果的な活用方法』のとこでも紹介しましたが、
そこにあるように英語脳を鍛えることができれば
意識的に翻訳するというステップをなくすことができます。
リスニングにおいて、意識的に訳すという時間を
確保することは非常に困難であるため、
シャドーイングの練習と英語脳を上達させるように日々取り組み、
本番では聞いた英語をそのまま英語のままで理解できるようにしてください。
さいごに
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