コラム

「ポンキンカン」という大学群を皆さんはご存知ですか?

2019年07月08日(月)

受験生の皆さんは「ポンキンカン」という大学群はご存知ですか?今では全く使われなくなってしまった言葉のため、一度も聞いたことがないという方も多いかと思います。

実はこの「ポンキンカン」という大学群は現在よく使われている「関関同立」という大学群が生まれたことにも深く関係しているのです。

今回は「ポンキンカン」の意味や、それに関係する大学の歴史をご紹介したいと思います。

「ポンキンカン」とは?

学内の講堂

ポンキンカンとは昔使われていた大学群の名称です。現在ではほとんど使われていないので聞いたことがない方も多いかと思います。

ポンキンカンに属しているのは日本大学、近畿大学、関西大学です。それぞれ日”本”大学の「ポン」、”近”畿大学の「キン」、”関”西大学の「カン」を表しています。

この「ポンキンカン」という言葉が実際に使われていたのは、1970年代頃までのようです。

1970年と言うともう50年近くも前のことなので、今受験生をしている方のご両親の世代でも既に使われていなかったかもしれません。

なぜ「ポンキンカン」なのか

現在では関関同立や日東駒専、GMARCHのようにそれぞれのエリアで同じくらいのレベルの大学をまとめて呼ぶことが多い大学群の名称ですが、ポンキンカンはそこまで距離的に近いという訳でもありません。

では、どうして日本大学、近畿大学、関西大学の3つを総称して「ポンキンカン」と呼ぶようになったのでしょうか。

ポンキンカンはマンモス校3つの総称

当時、日本大学、近畿大学、関西大学の3大学は日本の中でもトップクラスの規模を持つマンモス校として有名でした。

しかしその反面、入学するのに苦労するようなレベルの大学かと言えばそうでもないというのが現実でした。

この様な、「規模こそ非常に大きいマンモス校ではあるがちょっと頑張れば誰でも入れる」大学をまとめて「ポンキンカン」と呼んでいたのです。

「ポンキンカン」という言葉自体ちょっと馬鹿にしたような響きがあるように感じられ、実際当時は簡単に入学できてしまうこれらの大学を揶揄するように使われていたそうです。

関関同立の成り立ちとの関係は?

この「ポンキンカン」という言葉は、現在よく使われている「関関同立」という大学群の成り立ちとも深く関係しています。

関関同立と言えば関西の有名私立大学の総称ですが、ポンキンカンにも含まれている関西大学もこの関関同立の1つです。

いったいどのような経緯で関西大学はポンキンカンから関関同立に属するようになったのでしょうか。

大阪には無かった「人気の私立大学」

当時、関西で有名な私立大学は同志社大学、立命館大学、関西学院大学の3つでした。現在の関関同立から関西大学を抜いた3校です。

これらの大学は同志社大学と立命館大学は京都、関西学院大学は兵庫県にあったため、大阪には人気の私立大学というものが存在しませんでした。

関西大学は規模こそ大きいものの、「ポンキンカン」と呼ばれるように比較的簡単に入れてしまうというのが当時の受験生の印象だったため、大阪を代表するというような立ち位置では無かったようです。

関西大学を人気にするために作られた「関関同立」

このことを寂しく思ったのが大阪にある夕陽丘予備校の塾長をされていた白山桂三さんという方でした。

白山さんは東京帝国大学を卒業後、高校教師を経て夕陽丘予備校の前身となる浪速予備校を設立されました。人望も厚く、塾生の方々からも慕われていたとのことです。

そんな白山さんは、関西大学に大阪を代表する人気私立大学になって欲しいという思いから、当時人気だった同志社大学、立命館大学、関西学院大学に関西大学を加えた4校をまとめて「関関同立」という大学群を作ったのです。

つまり、現在盛んに使われている「関関同立」という大学群は関西大学を人気大学にするためだけに作られた言葉だったのです。

この「関関同立」は白山さんの思惑通り全国で使われるようになり、関西大学もマンモス校というイメージそのままに、大阪の有名・人気大学という地位に収まりました。

それと同時に「ポンキンカン」という言葉も段々と使われなくなっていきました。

現在の「ポンキンカン」

学校の教室

現在では関西大学は10を超える学部を持ち大阪を代表する有名マンモス校として親しまれるようになりましたが、他のポンキンカンに属する日本大学と近畿大学はどうなったのでしょうか。

日本大学と近畿大学の現在の様子をご紹介します。

日本一の規模を持つ日本大学

現在日本大学は「日東駒専」の一つとして数えらるようになり、日本で一番の規模を持つ有名大学として知られるようになりました。生徒数は7万人で、毎年幅広い分野に多数の人材を輩出しています。

また、そもそも1970年代は今と違い大学に進学する人自体が限られていたため受験全体のレベルは高かったようです。

そのため昔は「ポンキンカン」と呼ばれ簡単に入れることを馬鹿にされていましたが決して偏差値が低いと言う訳ではなく、今ではGMARCHに次ぐ中堅私立大学として知られるようになりました。

「近大マグロ」で有名になった近畿大学

近畿大学は、日東駒専の関西版とも言える立ち位置にある「産近甲龍」という大学群の1つになっています。

関西地方での大学受験では、非常に人気の大学となっています。

特に近年では「近大マグロ」でも有名になり、全体的な偏差値も上昇傾向にあります。産近甲龍の中でも頭一つ飛び抜けており、今では1ランク上と言われていた関関同立にも迫る勢いです。

ポンキンカンの意味、由来とは?|まとめ

「ポンキンカン」は日本大学、近畿大学、関西大学の3つを指す大学群です。

今ではほぼ使われることは無くなりましたが、昔は「簡単に入れるマンモス校」を総称した呼び名でした。

その後、大阪の夕陽丘予備校塾長の白山さんにより「関関同立」という大学群が考えられたことにより関西大学は関関同立に含まれ、ポンキンカンは使われなくなりました。

現在では日本大学も近畿大学も関西大学も説明がいらないくらい有名な大学になっています。

どれもマンモス校という特徴はそのままに個性ある人気大学になっていますので、志望校としてもおすすめです。

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