理系科目でつまずく生徒の相談は、科目が違っても原因が似ています。
数学は「時間内に解く練習」の不足、化学は「学校の進度と受験の進度を別物として扱っていること」、物理は「式を覚えて現象を理解していないこと」。
この3つでほとんどが説明できます。
この記事では、武田塾安城校で理系志望の生徒から実際に多い質問を3つ取り上げ、その場でできる対処法まで書きます。
書いているのは安城校(JR安城駅南口から徒歩2分)の講師陣で、日々の特訓で同じ質問を受けている内容です。
数学:テストで時間が足りなくなります
原因は「解けない」ではなく「解くのが遅い」
この相談を受けたとき、まず確認するのは「時間無制限なら解けたのか」です。
ここで結果が分かれます。
| 時間無制限だと | つまずいている場所 | やるべきこと |
|---|---|---|
| 解けた | 処理速度・時間配分 | 制限時間つきの演習を増やす |
| 解けなかった | 解法の定着 | 問題集に戻って解法を固め直す |
時間が足りない人の多くは前者だと思い込みますが、実際に測ると後者であることも珍しくありません。
まず1回、時間を測らずに解き直してみてください。 ここを間違えると、必要のない演習量を積むことになります。
時間配分を身につける3つの手順
- 本番より短い時間で解く。試験時間が60分なら50分で解き終える設定にします。余白があると、本番の緊張で確実に足りなくなります
- 大問ごとに制限時間を決める。「大問1は8分」と紙に書いてから始めます。時間が来たら解けていなくても次へ進みます。1問に沈んで全体を落とすのが一番もったいないパターンです
- 飛ばした問題に戻る順番を決めておく。全部解き終えてから戻るのか、大問が終わるたびに戻るのか。本番で迷う時間をなくします
復習は「何も見ずに解ける」まで
解き直して答えが合ったところで終わりにしないでください。
同じタイプの問題が次に出たときに、解答も解説も見ずに最後まで解ける状態になって、はじめて復習が完了します。
- 解説を読んで理解した → まだ終わっていない
- 解説を見ながらもう一度解いた → まだ終わっていない
- 何も見ずに最後まで解けた → 完了
このラインを自分の中で決めておくと、「やったのに伸びない」が減ります。
化学:学校の進度が遅く、受験までに履修が終わりません
学校を無視する選択はしない
理系の相談で毎年出る悩みです。
学校の進度は個人ではどうにもならない部分があります。
ただ、ここで学校の授業や定期テストを切り捨てるのは、遠回りになります。
理由は単純で、定期テストは「範囲が区切られた状態で、一定の期限までに仕上げる」練習になるからです。
この練習は受験勉強そのものの練習です。
授業を捨てると、この機会を年に5回ほど手放すことになります。
学校の進度が遅いときの現実的な進め方
| やること | 具体的に |
|---|---|
| 定期テストを深く使う | 範囲の分野を「応用・発展まで」やり切る。テスト範囲=受験範囲の一部だと考える |
| 未履修範囲を先に潰す | 学校が扱わない見込みの単元(有機・高分子など後半に来やすい分野)を、参考書で自分で進める |
| 進度の遅れを数値で把握する | 「あと何単元残っているか」を紙に書き出す。漠然とした不安が、こなせる量に変わります |
化学と物理は、数学と並んで理系入試の配点が大きい科目です。
避けて通れない以上、遅れを嘆く時間を、残り単元の洗い出しに使ったほうが早いです。
自分で先に進めるときの注意点
参考書で先取りするとき、「読んで分かったつもり」で進むと後で全部やり直しになります。
1単元ごとに、解けるかどうかで確認してから次へ進んでください。
理論分野は特に、途中の式変形を自分の手で書けるかを基準にすると安全です。
物理:電磁気が全く分かりません
式を覚える前に、現象を絵にする
電磁気が難しく感じる理由は、扱う対象が目に見えないからです。
力学なら物体の動きを想像できますが、電流や磁界は想像の手がかりが少ない。
そのため、多くの人が式の暗記から入ります。
そして問題になると手が出ません。
物理は「公式を覚える教科」ではなく「現象を説明できる教科」です。 電磁気こそ、図や絵で現象をイメージする練習をしてください。
イメージに置き換える例
キルヒホッフの法則(起電力の和=電圧降下の和)を、水の流れに置き換えて考えてみます。
- 電流 … 流れる水の量。途中で消えたり湧いたりしない
- 電圧 … 水を押し出す高さ(落差)
- 抵抗 … 細くなった管。ここで落差を使う
回路を1周して元の場所に戻れば高さは元通り、つまり「上げた分=下げた分」になります。
これがキルヒホッフの第2法則です。
式だけを見ていたときより、なぜその式になるのかが説明しやすくなります。
電磁気を固め直す手順
- その単元の現象を、図と自分の言葉で説明してみる(誰かに話すつもりで声に出す)
- 説明できない部分を特定する。そこが理解の穴です
- 穴の部分だけ教科書・参考書に戻る
- 基本問題で「図を描いてから立式する」癖をつける
図を描かずに式から書き始める人は、ほぼ確実に途中で詰まります。
手を動かして図を描くところから習慣にしてください。
よくある質問
理科は物理と化学、どちらを選ぶべきですか
志望する学部・学科の指定を先に確認してください。
指定がある場合は選択の余地がありません。
指定がない場合の判断材料は次のとおりです。
- 数学が得意で、暗記が苦手 → 物理が合いやすい
- 暗記に抵抗がなく、計算を積み重ねるのが苦手 → 化学が合いやすい
- どちらも決め手がない → 学校の授業で進度が速いほう(演習機会が多いほう)
なお、多くの理系学科で化学は必須指定になっています。
迷っている段階なら、化学を基準に考えると選択肢を狭めずに済みます。
詳しくは志望校の募集要項をご確認ください。
理系科目は1日どれくらいやればいいですか
時間で決めるより、「今週やり切る範囲」で決めることをおすすめします。
理系科目は1問あたりの所要時間の差が大きく、時間で区切ると中途半端なところで止まります。
「この単元の基本問題を今週で終える」と決めて、そこから逆算して1日の量を出してください。
途中式は省いてもいいですか
省かないでください。
特に理系科目では、答えが合っていても途中の考え方が間違っていることがあります。
途中式を残しておけば、間違えたときにどこで崩れたかが分かります。
途中式は自分のためのログです。
まとめ
理系科目でやることを整理すると、次の3点です。
- 数学:時間を測らずに解き直して、原因が「速度」か「定着」かを切り分ける
- 化学:学校の授業・定期テストを受験勉強として使い、残り単元を紙に書き出す
- 物理:式の前に図。現象を自分の言葉で説明できるかを基準にする
理系科目は、理解の軸が1つできると一気に楽になります。
逆に、軸ができないまま演習量だけ増やすと、同じ場所で何度も止まります。
「自分がどこで止まっているのか分からない」「残りの単元をどの順番で進めればいいか決められない」という場合は、武田塾安城校の無料受験相談をご利用ください。
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