こんにちは！ 武田塾秋葉原校です！
過去問に取り組むようになると気になるのが
合格最低点ですよね。
「合格までにあと〇〇点必要……」と
計算してしまう気持ち、よく分かります。
ただ絶対に気をつけてほしい点が
「合格最低点を取れても落ちることがある」ことです！
そこでこの記事では
「合格最低点を取れても安心できない理由」と
「合格最低点をどう使えばいいのか」を解説します！
合格最低点とは？
合格者の最低点
合格最低点とは「合格者の中で合格順位が一番下の合格者の点数」です。
合格最低点と同じ、または一点でも点数が取れてれば合格
取れていないければ不合格であり
合否の明確な境界線として意識されることが多いです。
合格最低点より低いのに合格はあり得る？
「合格最低点より低いのに合格した」話がたまにありますが
これは補欠合格者や繰り上げ合格者のことだと思われます。
通常の合格者の中に合格最低点よりも低い人がいた場合
その合格者の点数が合格最低点になるため
「合格最低点より低いのに通常合格」は
ありえないと思っていただいて大丈夫です。
合格最低点を取っても安心できない理由
その合格最低点には得点調整が入っている
「過去問で合格最低点を取ったとしても安心はできない」と
最初に書きましたが、その理由を最初に言ってしまうと
「公表される合格最低点は得点調整されたものだから」です。
得点調整とは、科目ごとの不利を減らすためのシステムのこと。
たとえば数学と地理が選択科目にあったとして
平均点が数学は80点、地理は50点だと
地理受験者が不利になります。
そのため、数学の得点を下げるなどの得点調整を行うことで
科目ごとの不利を減らし、公平に学力が測れるようにします。
この得点調整は絶対に行われているとは限りません。
また、「あなたの受験科目には調整がされない」ことも
十分にありえます。
しかし、得点調整されている可能性があるにもかかわらず
「過去問を自己採点したら合格最低点超えたからもう大丈夫だろう！」
なんて油断は絶対にしないようにしましょう。
合格最低点は年度ごとに大きく変わる！
合格最低点が毎年変わるのは想像されていると思いますが
差が大きい時って何％くらい変わると考えていますか？
３％？ ５％？
いえ、１０％以上です。
例えば、慶應義塾大学 理工学部の合格最低点を見てみましょう。
| 入試年度 | 配点 | 合格最低点 | 合格最低得点率 |
|---|---|---|---|
| 2022 | 500 | 340 | 68% |
| 2021 | 500 | 266 | 53% |
| 2020 | 500 | 309 | 62% |
| 2019 | 500 | 280 | 56% |
| 2018 | 500 | 260 | 52% |
2021年は500点中266点、割合で言えば53%が合格最低点でした。
しかし次の年には割合が68%まで一気に上がっています。
これは差が大きいデータを持ってきたので極端な話ではありますが
これほど大きくなくても、5％程度の上下なら頻繁に起こっています。
たとえ最新版の過去問で合格最低点ギリギリを取れても
このように次の年には最低点が跳ね上がっている可能性もあります。
自信がなさすぎるのも問題ですが
持ちすぎて油断するのもアウトです。
得点調整される可能性がある。年度によって変わる。
この２つを意識して合格最低点を見ましょう！
合格最低点はこう使おう！
合格最低点を目安に目標を決める
合格最低点を信じすぎてはいけない理由を書きましたが
それがあっても合格最低点は重要な指標の１つです。
重要な理由は
「ざっくり〇〇点くらい取れれば合格できる
だったら目標は〇〇点プラス10点にしておこう」と
目標点数を決めることができるからです。
「目標なんて満点に決まってるだろう」と
考える方もいるかもしれませんが、その考え方にはデメリットがあります。
それは「戦略が作れないから」です。
志望校は自分の学力ギリギリになることが多いです。
そのため「試験時間がなくなるほど時間を使わないと解けない難問」に
ぶつかる可能性も低くありません。
もしも目標が「絶対に満点」だと
そんな問題にも正面からぶつかる必要が出てきます。
しかし「目標は〇〇点だから△△点は落としても大丈夫」と考えていれば
その難問を捨てて、その代わり取れる問題は絶対に取ると決められます。
また、目標点数を決めていない場合、上の例とは反対に
「これも捨てる、これも捨てる、これも捨てちゃおう！
……何点分なら捨てていいんだっけ？」となり
合格に必要な点数を取れない場合もあります。
捨てるべき問題、絶対に取る問題を明確にしておくことで
限られた時間を効率的に使うことができるため
目標点数を決めて戦略を作るようにしましょう。
目標の目安は合格最低点プラス10％
合格最低点を目標の目安にする必要はありますが
だからといって合格最低点をそのまま目標にしてしまうと
得点調整や年度ごとの上下で不合格になる場合もあります。
そこで、あくまで参考になりますが
目標点数は「合格最低点プラス10％」がオススメです。
年度によって10％以上変わることがあると書きましたが
やはりそれほど大きな変動は少ないですし
なにより上を見始めるとキリがありません。
プラス15％や20％は、プラス10％を
達成できたら目指しましょう。
また、プラス10％もかなり難しい目標です。
難しい目標を決めてしまうと、達成できずに
モチベーションが下がってしまう可能性もあります。
もし10％でも厳しいと感じたら、最初はプラス３〜５％を目標にして
少しずつ目標を上げると挫折しにくくなります。
合格最低点を飛び越えて合格を掴もう！
合格最低点はあくまで指標の一つ
得点調整や年度ごとの変動を考えると
合格最低点を取れても安心ではありません。
ただ、合格最低点が目標設定に使える
重要な指標の一つであることもまた事実です。
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