「わかった」と「できる」は別の状態です。
解説を読んで納得することと、何も見ずに初見の問題を解ききることのあいだには段差があります。
この段差に気づかないまま進むことを、大曽根校では「わかったつもり」と呼んでいます。
「授業も聞いているし、解説も読んでいるのに、テストになると解けません」。
武田塾大曽根校の無料受験相談で、名古屋市内の高校に通う高1・高2の生徒から毎年出てくる相談です。
原因は勉強量ではなく、確認の工程がないことにあります。
この記事では、自分が「わかったつもり」で止まっていないかを自分で見抜く方法を、4つの確認手順としてまとめます。
書いているのは、大曽根校で高1・高2の生徒を担当している校舎長です。
読み終えたときには、今日の勉強の最後の10分で使えるチェック方法が手元に残ります。
勉強は3つの状態を通る
同じ単元の勉強でも、頭の中の状態は3つに分かれます。
| 状態 | どういう状態か | このとき解けるもの |
|---|---|---|
| わかる | 授業や解説を聞いて筋道が追える | 解説を見ながらなら追える |
| やってみる | 自分で手を動かして解こうとしている | 途中で詰まりながらも進む |
| できる | 何も見ずに初見の問題を時間内に解ける | 入試問題・模試の問題 |
多くの高校生がつまずくのは「わかる」から「やってみる」への移行ではなく、「やってみる」から「できる」への移行です。
答えを見ながらなら解ける状態で止まっていると、テストでは点になりません。
そして厄介なのは、「わかる」の状態にいるとき、本人は勉強が進んでいる感覚を持っていることです。
理解できている手応えがあるので、確認をしないまま次の単元に進んでしまいます。
これが積み重なると、勉強時間は増えているのに模試の点が動かない状態になります。
わかったつもりが生まれる3つの場面
大曽根校で生徒の勉強の様子を見ていると、「わかったつもり」は決まった場面で生まれます。
- 解説を読んで「なるほど」と思ったところで手を止める。読んだ直後は解けそうな気がしますが、翌日には手が動かなくなります
- 答え合わせで丸をつけて終わる。合っていた問題も、たまたま合ったのか根拠を持って合ったのかは別です
- 学校の授業のノートを見返して満足する。ノートを見て思い出せることと、白紙から書き出せることは違います
いずれも共通しているのは、「見ながら」の状態で判定していることです。
判定は必ず「見ずに」行う必要があります。
定着を確認する4つの方法
確認の方法は4つあります。
科目と時間に応じて使い分けてください。
| 方法 | やり方 | 所要時間 | 向いている科目 |
|---|---|---|---|
| セルフレクチャー | 解法の手順を声に出して説明する | 1問1〜2分 | 数学・物理・化学 |
| 白紙復元 | 何も見ずに要点を白紙に書き出す | 1単元10分 | 社会・生物・古文文法 |
| 時間を計った再テスト | 制限時間を決めて解き直す | 1回15〜30分 | 全科目 |
| 日を空けた再テスト | 3日後・1週間後にもう一度解く | 1回15分 | 全科目 |
このうち、いちばん手軽で効果が大きいのはセルフレクチャーです。
問題を見て、「まずこの条件からこれが分かるので、次にこの公式を使う」と声に出して説明します。
途中で言葉に詰まったところが、理解が抜けている場所です。
答えが合っていても説明が詰まるなら、まだ「できる」には届いていません。
白紙復元は、暗記量の多い科目に向いています。
教科書やノートを閉じ、白紙に単元の要点を書き出します。
書けなかった部分だけを覚え直せばよいので、最初から全部を読み返すより時間が短くて済みます。
日を空けた再テストは、いちばん軽視されている確認です。
当日解けたことは、覚えている状態で解けたにすぎません。
3日後に同じ問題が解ければ、その知識は使える状態になっています。
科目ごとの「できる」の基準
「できる」の線引きは、科目によって違います。
大曽根校で生徒に伝えている基準です。
| 科目 | できると判定する基準 |
|---|---|
| 英単語 | 日本語訳が1秒で出る。つづりを見て迷わない |
| 英文法 | 選んだ選択肢の理由を文法用語で説明できる |
| 数学 | 何も見ずに解答を最後まで書き切れる。解法を選んだ理由を説明できる |
| 物理・化学 | 使う公式とその条件を、問題文のどの語句から判断したか言える |
| 古文・漢文 | 品詞分解を自分でできる。訳と品詞の根拠が一致している |
| 社会 | 用語から説明を作れる。年号や順序を自分で並べ直せる |
どれも「見ずに」「説明できる」が共通しています。
この2つを満たしたときだけ、次の単元に進んでください。
1週間の中に確認を組み込む
確認は、思い出したときにやるものではなく、予定に入れておくものです。
大曽根校で使っている1週間の形は次のとおりです。
- 月曜から木曜:新しい範囲を進める。1日の終わりに、その日の範囲をセルフレクチャーで確認する
- 金曜:月曜から木曜の範囲を、時間を計って再テストする
- 土曜:再テストで落とした問題だけをやり直す
- 日曜:1週間前にやった範囲をもう一度確認する
新しい範囲を進める日と、確認する日を分けるのがこの形の要点です。
同じ日に進めて確認すると、記憶が新しいうちに判定してしまい、甘い判定になります。
再テストの正答率が8割に届かない週は、次の範囲に進まず同じ範囲をもう1週続けてください。
進度が落ちるように見えますが、あとで戻ってやり直す時間を考えれば、こちらのほうが早く終わります。
確認でつまずいたときの戻り方
確認テストで解けなかったとき、同じ問題をもう一度解くだけでは変わりません。
落とした理由によって戻る場所が違います。
- 用語や公式を思い出せなかった:暗記の工程に戻る。翌日と3日後にもう一度確認する
- 公式は出たが使い方を間違えた:解説を読み、同じ形の類題を2問解く
- 解法の方針が立たなかった:その単元の基本例題からやり直す
- 計算で間違えた:解き直しではなく、途中式を書く量を増やす
いちばん多いのは3番目です。
方針が立たないのは演習不足ではなく、基本例題のパターンが頭に入っていない状態です。
難しい問題を増やしても解決しないので、基本に戻ってください。
入試までの時間から逆算する
高1・高2のうちにこの確認の習慣がつくかどうかで、高3の1年間の密度が変わります。
令和9年度の大学入学共通テストは令和9年1月16日・17日に実施されます(大学入試センター 令和9年度大学入学共通テスト)。
英語リーディングは80分、『数学Ⅰ,数学A』と『数学Ⅱ,数学B,数学C』はそれぞれ70分です。
この時間内で解ききるには、解法を思い出す時間があってはいけません。
「見れば分かる」ではなく「見た瞬間に手が動く」状態まで持っていく必要があります。
確認の工程は、そのための練習でもあります。
よくある質問
わかったつもりかどうかは、どうやって判断すればよいですか
何も見ずに、時間を計って解いてください。
答えが合っていても、解法を選んだ理由を声に出して説明できなければ、まだ「わかったつもり」の段階です。
説明が詰まった箇所が、理解の抜けている場所です。
確認の時間を取ると、勉強が前に進まないのではないですか
前に進む速さは落ちますが、戻ってやり直す回数が減るため、結果として早く終わります。
確認をせずに進んだ範囲は、模試で解けないと分かった時点でもう一度やり直すことになります。
同じ範囲を2回やるより、1回目に確認まで入れるほうが短く済みます。
名古屋の高校生は1日のどこで確認をすればよいですか
その日の勉強の最後の10分を確認に充ててください。
新しい範囲を進める時間を10分短くして、その10分をセルフレクチャーに回します。
大曽根校では、この10分を毎日の宿題の一部として組み込んでいます。
まとめ
- 勉強は「わかる」「やってみる」「できる」の3つの状態を通り、点になるのは「できる」だけです
- 判定は必ず「見ずに」行います。見ながら解けることと、初見で解けることは違います
- 確認の方法はセルフレクチャー・白紙復元・時間を計った再テスト・日を空けた再テストの4つです
- 新しい範囲を進める日と確認する日を分けると、判定が甘くなりません
武田塾大曽根校の無料受験相談では、今の勉強がどの状態で止まっているかを実際に問題を解いてもらいながら確認し、確認の工程をどこに入れるかを一緒に決めます。
学校の課題との組み合わせ方まで、その場で組み立てます。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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