志望校を選ぶとき、実家から通える大学だけで考えるのか、一人暮らしを前提に全国から選ぶのかで、候補の数はまったく変わります。
武田塾大曽根校の受験相談でも、高2の終わりから高3のはじめにかけて必ず出てくる分岐です。
この記事では、自宅から通う場合と下宿する場合で費用がどれだけ違うかを、日本学生支援機構の調査から示します。
そのうえで生活面の違いと、家庭で話し合う順番を整理します。
書いているのは大曽根校の校舎長です。
読み終えたときに、志望校リストを絞る基準が決まっている状態を目指します。
結論は学部を先に決め、住む場所はあとで決める
先に決めるのは、学びたい学部と学科です。
生活形態から先に決めると、志望校の候補が地理で切られ、行きたい学問がある大学を最初から外してしまいます。
まず学部を決め、その学部を置いている大学を全国から挙げ、そのあとで「通えるか、下宿になるか」を費用と生活の面から判断します。
この順番であれば、費用を理由に諦める場合でも、何を諦めたのかが自分で分かります。
判断材料になる費用の差は、次のとおり公的な調査で示されています。
自宅通学と下宿で学生生活費はどれだけ違うか
日本学生支援機構の「令和4年度学生生活調査報告」に、大学学部(昼間部)の1年間の学生生活費が居住形態別に出ています。
学生生活費とは、学費(学校に納める費用、修学費、課外活動費、通学費)と生活費(食費、住居・光熱費、保健衛生費、娯楽・し好費、その他の日常費)の合計です。
| 設置者 | 自宅 | 学寮 | アパート等 | 自宅との差 |
|---|---|---|---|---|
| 国立 | 1,082,600円 | 1,297,900円 | 1,681,800円 | 約59.9万円 |
| 公立 | 998,900円 | 1,390,900円 | 1,583,400円 | 約58.5万円 |
| 私立 | 1,731,800円 | 2,021,100円 | 2,403,800円 | 約67.2万円 |
1年でおよそ60万円から67万円の差です。
4年間だと240万円から270万円ほどになります。
表の「アパート等」には下宿とその他の形態が含まれます。
注目したいのは学寮です。
国立の学寮は1,297,900円で、自宅との差は約21.5万円にとどまります。
下宿と比べると1年で約38万円の差になります。
大学によっては寮の募集がありますので、志望校の学生寮の有無は早い段階で調べておく価値があります。
差額の中身は住居費と食費
同じ調査には、1か月あたりの支出の内訳も出ています。
大学学部(昼間部)の平均です。
| 項目 | 自宅 | アパート等 |
|---|---|---|
| 食費 | 7,375円 | 21,867円 |
| 住居・光熱費 | 該当なし | 37,950円 |
自宅生には住居・光熱費のデータがありません。
家族と暮らしているため、学生本人の支出として計上されないからです。
つまり一人暮らしで増える費用は、ほぼ住居費と食費だと言えます。
この2つは、努力で圧縮しにくい固定費です。
家賃は地域と物件で決まり、食費も自炊で下げられる幅には限りがあります。
「アルバイトを増やせば何とかなる」と考える前に、家賃の相場を調べたうえで家庭と話してください。
学生の何割が一人暮らしをしているのか
同じ調査の居住形態別の学生数の割合です。
| 設置者 | 自宅 | 学寮 | アパート等 |
|---|---|---|---|
| 国立 | 32.3% | 7.3% | 60.4% |
| 公立 | 41.0% | 3.7% | 55.2% |
| 私立 | 66.0% | 5.4% | 28.6% |
| 平均 | 59.1% | 5.7% | 35.2% |
全体では自宅生が約6割ですが、国立大学に限ると6割がアパート等です。
国立大学は都道府県に数校しかないため、地元を離れる学生が多くなります。
愛知県の高校生が国公立を志望する場合、県外の大学も候補に入れるなら下宿を前提に考えることになります。
費用をまかなう方法も調査に出ています。
国立大学の学部生の1年間の収入は、家庭からの給付が864,200円、奨学金が327,900円、アルバイト収入が353,300円です。
奨学金とアルバイトで半分近くを自分でまかなっている姿が見えます。
生活面の違い
実家から通う場合
- 高校までの生活リズムがそのまま続くため、大学生活の変化に慣れる負担が小さい
- 食事と洗濯にかかる時間を、勉強やアルバイト、サークルに回せる
- 通学時間が長い場合、往復の時間が毎日固定で消える
- 一人で生活を回す経験は、就職後まで持ち越しになる
一人暮らしをする場合
- 時間の使い方を自分で決められる。授業と生活の組み方の自由度が高い
- 家事・金銭管理・体調管理を自分でやることになり、生活を回す技術が身につく
- 生活が乱れたときに気づいてくれる人がいない。修正が遅れやすい
- 引っ越し費用、家具家電、初期費用など、初年度だけ余分にかかる支出がある
どちらが優れているという話ではありません。
実家通学でも家事を分担すれば生活の経験は積めますし、一人暮らしでも生活が回らず学業に影響が出る例があります。
決め手になるのは、自分が生活リズムを自力で立て直せるかどうかです。
大曽根校で伝えている決める順番
受験相談では、次の順番で家庭と話してもらっています。
- 学びたい学部・学科を決める。職業名ではなく学問名で決める
- その学部を置いている大学を全国から挙げる。この段階では地理で切らない
- それぞれの大学について、自宅から通えるか、下宿が必要かを確認する
- 下宿が必要な大学について、学生寮の有無と募集条件を調べる
- 4年間の費用の差を家庭で共有し、奨学金を使うかどうかを含めて話す
- 費用と学びたい内容の両方を見たうえで、志望校の順位を決める
3番から5番は、高3の夏までに済ませておくのが目安です。
共通テストの出願や、受験する大学の数を決める時期に、この話が終わっていないと候補を絞りきれません。
費用の話は早いほど選択肢が残ります。
よくある質問
一人暮らしをすると1年でいくら多くかかりますか
日本学生支援機構の令和4年度の調査では、大学学部(昼間部)の学生生活費は、国立で自宅1,082,600円に対しアパート等1,681,800円、私立で自宅1,731,800円に対しアパート等2,403,800円です。
差は1年でおよそ60万円から67万円になります。
学生寮は一人暮らしよりどれくらい安いですか
同じ調査で、国立の学寮の学生生活費は1,297,900円、アパート等は1,681,800円です。
差はおよそ38万円です。
募集人数や入居条件は大学ごとに違うため、志望校の学生課のページで確認してください。
実家から通える大学だけで志望校を選ぶべきですか
先に学部を決めてから住む場所を考えることをおすすめします。
地理で先に切ると、学びたい学問がある大学を候補から外すことになります。
費用の差は表のとおり示せますので、学部を挙げたうえで家庭で話すほうが、納得のいく判断になります。
まとめ
- 学生生活費の差は1年でおよそ60万円から67万円。4年間で240万円から270万円です
- 差の中身はほぼ住居費と食費で、努力で圧縮しにくい固定費です
- 学寮を使えると、下宿より1年で約38万円抑えられます。志望校の寮は早めに調べます
- 決める順番は「学部→大学→通えるか→費用」です。地理から先に切らないでください
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- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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