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愛知の法学部4大学を比較|学びとコースの違いを大曽根校が解説

法学部は、法律を暗記する学部ではありません。
社会で起きた対立に対して、どの法をどう解釈して、どんな結論を出すのが妥当かを考える学部です。
愛知県内で法学部を置いている代表的な4大学は、名古屋大学・南山大学・愛知大学・中京大学です。
この4校の違いは、2年次以降にどうコースを分けるかにはっきり表れます。

「法学部に行きたいけれど、大学ごとに何が違うのか分からない」「法曹を目指すなら、どの大学を選べばよいのか」。
武田塾大曽根校の受験相談で、文系志望の高校生からよく出る質問です。

この記事では、4大学の法学部の学びとコース構成、校地を各大学の公式情報から整理し、法学部を目指すときの受験勉強の順番をまとめます。
大曽根校の校舎長が、文系志望の生徒との面談で使っている整理のしかたです。

愛知県内4大学の法学部を一覧で比較する

まず全体像です。
同じ「法学部」でも、専門を絞り込む時期と絞り込み方が違います。

大学 設置 学部・学科 2年次以降の分かれ方
名古屋大学 国立 法学部 コース分けをせず、必修科目を置かない完全自由選択制
南山大学 私立 法律学科 2年次から法学一般・法律専修・司法特修の3コース
愛知大学 私立 法学科 司法・企業・行政・法科大学院連携の4履修モデル
中京大学 私立 法律学科 コース制を取らず、専門科目はすべて選択科目

名古屋大学と中京大学は「学生が自分で組む」設計、南山大学と愛知大学は「進路別のモデルに沿って組む」設計です。
どちらが良いという話ではなく、自分が入学時点で進路を決めきれているかで向き不向きが変わります。

法学部では何を学ぶのか

法学部で学ぶのは、法の条文そのものよりも、条文をどう使うかの考え方です。
名古屋大学法学部は、この点を「答えの暗記ではない」と説明しています。
現代社会にどんな問題があり、そこで何が争われ、どの解決策を採るべきかを、法学・政治学の体系を踏まえて考える。
答えは1つとは限らず、複数の解釈がありうることを前提に、妥当と思われる結論を導く訓練を繰り返す。
これが法学部の勉強のしかたです(名古屋大学法学部の教育の特色)。

中京大学は、この力を「リーガルマインド」と呼び、法の精神に基づいて行動できる人材の育成を掲げています(中京大学法学部 学部概要)。

進路も、法曹だけではありません。
名古屋大学法学部は、日本の法学部が明治時代にヨーロッパ大陸型をモデルに作られたため、専門的法律家だけでなく政治・行政・経済など多くの分野に人材を送り出す学部として認識されてきたと説明しています。
法律のスペシャリストを育てる教育は、主に法科大学院で行われます。

大学別に見る学びとコースの違い

名古屋大学 法学部

いわゆる必修科目を置かない完全自由選択制が特色です。
段階的なカリキュラムは用意されていますが、どの科目を履修するかは学生に委ねられています。
1年前期に「法学・政治学の世界Ⅰ・Ⅱ」、1年後期に「憲法Ⅰ」「民法Ⅰ」「政治学原論」を置き、2年次以降の専門科目に備える形です。

規模は、学生定員が1学年150名(3年次編入学定員10名)、法学部関連の教員スタッフが約60名(うち15名は法科大学院専任)で、スタッフ1人当たりの学生数は1学年あたり3名程度と公表されています。
全学年に演習が用意されており、1年生は基礎セミナーから始まります。
法曹養成の5年一貫教育を行う法曹コースも設置されています(名古屋大学法学部の教育の特色)。

入試については、大曽根校の別記事で前期日程の配点と小論文の対策をまとめています。

南山大学 法学部

法律学科の1学科です。
1年次に、公法系・民事法系・刑事法系の基礎となる憲法・民法・刑法を学びます。
1年次が終わる時点で卒業後の進路を踏まえ、2年次から次の3コースのいずれかを選びます。

コース 想定する進路
法学一般コース 民間企業への就職、中学・高校の教員
法律専修コース 国家機関・地方自治体の公務員、司法書士・税理士などの法律隣接職
司法特修コース 裁判官・検察官・弁護士の法曹三者

どのコースでも、基本法律科目に加えて労働法・国際法・経済法などの展開領域、法制史・法哲学などの基礎法学、政治学・行政学・経済原論といった政治経済系から履修します。
1年次から4年次まで20名程度の演習で学ぶカリキュラムになっています(南山大学法学部 履修モデルの紹介)。

進路が決まっていない人向けのコースが最初から用意されている点が、南山大学の設計の特徴です。

愛知大学 法学部

4つの履修モデルを置いています。
司法コース(裁判所事務官・司法書士などの法律専門職)、企業コース(ビジネスで使う法知識と交渉力)、行政コース(国家公務員・地方公務員)、法科大学院連携コース(法曹)です。
「裁判員模擬裁判」など、法を実際に使う場面を想定した学びの機会を置いていることも公表されています。

特徴的なのは法科大学院連携コースです。
学部2年次から愛知大学法科大学院の授業を先取りして受講し、成績が優秀であれば学部を3年で卒業して法科大学院の既修者コースへ進学できます(進学にあたって筆記試験が免除されます)。
愛知大学はこのコースを東海地方の私立大学で唯一の設置としています(愛知大学 法学部)。

法曹を明確に目指していて、最短で司法試験に届きたい人にとっては、学部選びの段階で検討する価値のある設計です。

中京大学 法学部

法律学科の1学科で、コース制を取りません。
専門科目を学ぶ前に、入門科目として「法学の基礎」「民法入門」「刑事法入門」「政治学入門」で基礎知識を固めます。
そのうえで取り組む専門科目はすべてが選択科目で、学生自身が興味や目的に応じて履修する形です(中京大学法学部 学部概要)。

選抜制の法実践プログラム(LPP)も置かれています。
法の知識を実際に使う場面を想定した学びの機会です。

どこで4年間を過ごすかを確認する

法学部は4年間ほぼ同じ場所に通うので、校地は志望校選びの実際的な条件になります。

大学 校地の所在地
名古屋大学 法学部 名古屋市千種区不老町(東山)
南山大学 法学部 名古屋市昭和区山里町18
愛知大学 法学部 名古屋市中村区平池町4-60-6(名古屋校地・ささしまライブ)
中京大学 法学部 名古屋市昭和区八事本町101-2

4校とも名古屋市内です。
大曽根から通う場合、名古屋大学と中京大学は地下鉄名城線でつながっているため乗り換えなしで行けます。

法学部を目指すときの受験勉強の順番

法学部は国語と英語の配点が重い学部が多く、大学によっては数学や小論文も課されます。
志望校が決まっていない段階でも、やる順番はほぼ共通です。

時期 やること
高1・高2 英単語・英文法・英文解釈を1冊ずつ終える。現代文の読み方を固め、古文単語と文法に着手する
高3の春 志望する大学の入学者選抜要項を開き、科目と配点を確認する。数学や小論文が必要かをここで確定させる
高3の夏 英語長文と現代文・古文の標準レベルを終える。過去問を1年分解いて足りない科目を洗い出す
高3の秋 過去問演習に入る。共通テストを使う場合は並行して演習を始める
高3の冬 志望校の過去問を年度ごとに解き、時間配分と失点の原因を記録する

順番を間違えやすいのが、志望校の科目確認を後回しにすることです。
国公立と私立、同じ私立でも大学によって課される科目は違います。
春のうちに要項を見て、必要な科目を確定させてから勉強の配分を決めてください。

よくある質問

法学部を出ないと弁護士にはなれませんか

なれないわけではありません。
法律のスペシャリストを育てる教育は主に法科大学院で行われるため、法科大学院へ進む経路が中心になります。
学部段階から法曹を目指すなら、名古屋大学の法曹コース、南山大学の司法特修コース、愛知大学の法科大学院連携コースのように、法曹向けの課程が置かれている大学を選ぶと計画が立てやすくなります。

進路が決まっていなくても法学部に入って大丈夫ですか

大丈夫です。
南山大学は、進路が定まっていない学生向けに法学一般コースを置いています。
名古屋大学と中京大学はコース分けをせず、履修を学生に委ねる設計です。
入学後に方向を決められる仕組みが用意されている大学を選ぶ、という選び方もできます。

愛知の法学部は文系数学が必要ですか

大学と入試方式によって違います。
国公立は共通テストで数学が必要になり、私立でも数学を選択できる方式があります。
志望校の入学者選抜要項で科目と配点を確認し、数学を使うか使わないかを高3の春までに決めておくと、その後の勉強の配分がぶれません。

まとめ

  • 名古屋大学は必修を置かない完全自由選択制で、学生定員1学年150名に対して教員スタッフは約60名です
  • 南山大学は2年次から法学一般・法律専修・司法特修の3コースに分かれます
  • 愛知大学は司法・企業・行政・法科大学院連携の4履修モデルで、連携コースは学部3年で卒業して法科大学院へ進む道があります
  • 中京大学はコース制を取らず、入門科目のあと専門科目をすべて選択科目として履修します
  • 校地は4校とも名古屋市内です。通学時間も志望校選びの条件に入れてください

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