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効率的!忘れない!やる気になる!勉強法を科学する|武田塾京都校

受験において日本語の読み書きは重要だよという話(書き編)

京都の予備校と言えば武田塾京都校!講師のS.Yです!

 模試を受ける機会も多くなり、自分の学力の進捗状況を確認することが多くなってきた半面、しっかり腰を据えて勉強する時間をとることが難しく感じることも多くなってきたのではないでしょうか。
 学力の向上にとって、学習時間と学習効率は車の両輪です。どちらかが欠けた状態でした学習は、どうしてももったいないものになってしまいます。
 本日は、学習時間を十分に確保することが困難になりがちな時期であることに鑑み、学習効率を向上させる方法をいくつかご紹介したいと思います。
 とはいえ、読者の皆さんの中には、すでに学習効率を向上させる方法について、いくつか知っていて、実践もしているという方がいらっしゃるかもしれません。実際、そのようなTipsは巷に多く出回っています。しかしながら、大学入試や資格試験に挑み、ある程度のまとまった時間を勉強に費やす人は数多くいて、そのそれぞれが独自の「やってみてよかった気がする勉強法」を有しているので、限定的な状況下でしか成功しない勉強法が、そのようなものであると意識されないままに布教されてしまっているということも少なくありません。そして、そのような勉強法を実践してみて、うまく行かなかったとしても、「個人差があるから」「人によって向き不向きがあるのかも」といった容易には反証できないそれっぽい言い訳に言いくるめられてしまうのがオチです。
 いかなる勉強法であっても、「個人差」により成果が出る程度に差が生じることは避けられません。そうだとしても、いまいちうまくハマらなかったときに、それが個人差によるものなのか、それとも他の要因によるものなのかは検証可能であるべきです。言い換えれば、やってみる価値のある勉強法というのは、うまくいくメカニズムが科学的に明らかにされている勉強法だということになります。
 脳科学や心理学の見地から、メカニズムが明らかにされていたり、メカニズムがいまいち分かっていなくとも、科学的な手法に基づいて行われた実験から統計的に有意な結果が出ていたりする場合には、たとえやってみてあまりハマらなかったとしても、それが個人差によるものであろうという納得がいきます。

※ここで述べたことを、具体例とともに再言しておきます。
 たとえば、2ヶ月間継続しなければ効果がでないという条件のある勉強法があったとします。そして、そのような条件があることは誰も知らないとします。この勉強法をやった人のうち、たまたま2ヶ月間継続できた人はほとんど成功しますが、1ヶ月間半やって効果がでずにやめた人には、「効果には個人差があるから」という慰めの言葉がかけられます。ここでは、「2ヶ月間継続する」というはずの条件が、「個人差」に広く含められてしまっています。これでは、「何十日やっても効果がでないのに、無批判に取り組み続ける特殊な性格の人」しか成功できないということになります。メカニズムが明らかになっていれば、成功しない理由は、「2ヶ月間継続しなかった」か「2ヶ月間継続したけど、個人差により効果がでなかった」となり、かなり限定的に捉えられます。

※※お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、最後の「個人差により効果がでなかった」というのも、さらにメカニズムが明らかになることによって、より細かい対応が可能になるかもしれません。このように、「個人差」という言葉は、「メカニズムが明らかでない」「理由が不明である」ことを弥縫する言い換えとして使われていることがしばしばです。

 

 

科学的な根拠がある勉強法

 では、本題に入りましょう。

 以下では、実際に公開されている学術論文を引用しながら、科学的に根拠がある勉強法をいくつか紹介したいと思います。

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やる気編

 まずは、「やる気編」です。

1.「やる気」は、やれば勝手に出てくる。

 「やる気スイッチ」なるものが人体に搭載されているのだとすれば、その正体は「側坐核(そくざかく:Nucleus accumbens, NAcc)」だといわれています。側坐核が刺激されることで、ドーパミンが分泌され、やる気が出てくるというメカニズムです。そして、側坐核が刺激されるために必要なのは、「実際に行動すること」だそうです。「その行動を起こすために「やる気」が必要なんじゃないか!」というとニワトリタマゴのようにも思えてしまいますが、脳科学の世界では、脳よりも体の方が際に動くということは常識として理解されています。

 そのことを示した超有名な研究が、カリフォルニア大学のリベット(Libet)教授のものです。この研究によれば、「動作を行おうとする脳のシグナルより、その動作をするために脳が出すシグナルの方が0.35秒早い」とのことです。

 

 この辺の話は、「側坐核 やる気」などと検索してもらえれば、胡散臭いものからちょっとまじめそうなものまで、ごまんと記事が出てくるので、そちらを参照してください。もうちょっと真面目なものが見たければ、「作業興奮」とかを含めればましになるかもしれません。

 これは、感覚的にも分かる話で、「勉強はやり始めたらできるけど、それまでの道程が長い」「勉強する前に机の上を片付け始めたら、部屋まで片付けてしまった」など、勉強失敗あるあるのテンプレにもたくさん登場します。

 このことを前提とすれば、①勉強を開始するまでの過程に障害となるものをできる限り排除する、②とっつきやすいものから勉強を始められるようにする、③締め切りを設ける等やり始めなければどうしようもない状況を作って誘惑よりも優先順位を上げるといった工夫がかなり重要そうであるということが分かります。①については、机のスペースを広くしておく(※)、やりかけの課題を複数ストックしておく、③については、人に課題を設定してもらう、友達と巻き込みあって特定の課題をする締め切りを設けるなどをするのが良さそうです。

※学習するためだけの場(自習室、図書館等)でなければ勉強できない!という人が一定数いるのもよく分かりますよね。自習室や図書館が空いておらず、どうしても家で勉強しなければならないようなときは、前もって机の周りを片付けておいてスペースを確保し、絶対に布団に入らないと覚悟を決めておくなどを固く守れば、どうしても家で出来ないという人でも、その期間ぐらいは何とかなるかもしれません。

 

2.やる気になるには「好きな科目」「得意科目」を先に??好きな科目からやってみる。

 ②として、「とっつきやすいものから勉強をはじめる」を挙げましたが、好きな科目(得意な科目:例 英語、数学)から手を付けてみるのはどうでしょうか。

 広島大学の前田健一先生らの研究で、中高生946名を対象に調査をしたところ、「嫌いな科目よりも好きな科目の方が主体的に、より工夫や努力をしながら勉強する」ということが明らかにされました。

 この研究を、好きな科目の方がモチベーション高く勉強できるなどと要約してしまうのは失礼な気もしますが、やる気を引き出す1つの工夫として、好きな科目からやり始めてみるというのはやってみてもいいかもしれません。

 

目標を可視化する!やる気アップのコツは見える化だ!

 ③に近いものとして、目標を言語化して可視化することによって、やらなければならない状態を作り出し、結果的にやる気を出すという方法があります。

 ドミニカン大学カリフォルニア校のゲイル・マシューズ(Gail Matthews)教授の研究で、

【実験内容】 アメリカ、ベルギー、英国、インド、オーストラリア、日本からさまざまな業種の 267人が調査に参加し、目標を設定し、達成に向けて努力する5つのグループを作り、そのグループが何をするかは本人たち任せで、目標の扱い方にだけ、①「目標を書かない(ただ思い浮かべるだけ:think about their goals)」、 ②「目標を書く(write their goals)」、③「目標と行動の約束を書く(formulate action commitments)」、④「友達宛てに目標と行動の約束を書く(formulate action commitments and send their goals and action commitments to a supportive friend)」、⑤「友達宛てに目標と行動の約束と進捗記録を書く(formulate action commitments and send their goals,action commitments and weekly progress reports to a supportive friend)」という違いを設定した。

【実験結果】

目的達成率が、②は①の約1.2倍、 ③は約1.4倍、④は約1.5倍、⑤は約1.8倍にまでなった。

(The Impact of Commitment, Accountability, and Written Goals on Goal Achievement)

 というものがあります。

 可視化という意味では、より具体的に言語化するのが望ましく、やらなければならない状態という意味では、友達に言ってコミットメントするというのが重要なようですね。

 

記憶の保持編

暗記物はやっぱり夜?

 朝勉強するのが良いのか、夜勉強するのが良いのか。巷の噂話レベルであれば、意外と両論あってよくわからなくなっている議論かもしれません。「朝頭が活発な時にやる方がいいって聞いた!(夜やると頭がさえて寝られなくなる)」という人もいれば、「寝ている間に脳が復習するから夜やる方がいいと聞いた」という人もいるかもしれません。

 東京大学の深田吉孝教授と清水貴美子助教の研究によれば、マウスに対してした実験で、SCOPというたんぱく質が海馬に作用し、長期記憶に影響を与えていることが分かっています。この過程で、短期記憶のテストは時間に関係なく一定の成果が出たのに対し、長期記憶のテストは、活動時間の前半の方が良い結果が出たことが示されています。マウスは夜行性なので、活動期の前半は夜ということになりますが、人間の場合は朝やるのが良いということになるでしょうか。

 昼夜逆転の人はどうしたらいいのと聞かれても分かりませんが、SCOPというたんぱく質が出る時間帯がいつかということによって決まりそうです。

 

漫然と読む課題よりも考えて解く課題の方が良い

 パデュー大学のカーピック教授らによる研究に、以下のようなものがあります。

【実験内容】 大学生 40名に 40のスワヒリ語と英語の単語のペアを覚えさせ、一度テストを実施した。その後、学生を以下の 4グループに分けてスワヒリ語の再学習(単語とその訳語を見る)と再テスト(単語を見て訳語を自分で考える)を繰り返させてから、 1週間後に再テストを実施した。

A:全単語の再学習と再テストをする。

B:直前のテストで不正解の単語のみ再学習、全単語を再テストする。

C:全単語を再学習、直前のテストで不正解の単語のみ再テストする。

D:直前のテストで不正解の単語のみ再学習と再テストをする。

【実験結果】

グループ Aと Bの平均点は約 80点、 Cと Dの平均点は約 35点という結果になった。最初のテストの平均点は約 30点である。

 短期記憶から長期記憶へと移行させるためには、海馬にとって重要な情報であることを印象付けなければなりません。そのためには、漫然と眺めるというよりは、一生懸命頭をひねりながら考えるという作業に取り組める、テスト形式が良いと言えそうです。

 単語帳も、本を眺めて覚えるよりは、テストを出力してもらって解く方が良いでしょう。

効率アップ編 大学受験なら効率のいい勉強法が超重要

誰かに教えるつもりで勉強しよう!誰かに教えるつもりで学習効果を高めよう!

 ここへきて武田塾のコンセプトそのまんまのようなタイトルで恐縮ですが、ワシントン大学セントルイス校のネストイコ教授の研究によれば、後で人に教える事を想定して勉強したグループと、後でテストを受けることを前提としたグループとでテストを実施すると、明らかに前者の方が結果がよかったというものがあります。

 重要なのは、実際に教えることによって身につくということではなく、教えるつもりで勉強するだけで効果があるという点です。これだと1人でできますね。時間がなくてめっちゃアッサリな紹介になりましたが、これはとても重要なので、ぜひ実践してみてください。

 

 本当はもっとたくさん紹介したかったのですが、時間が来てしまいました。

 さらばじゃ。

 


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