「前期で決まらなかったら、もう終わり」。
そう思って受験計画を立てている高3生が毎年います。
結論から言うと、私立大学の中期・後期日程は、最後まで合格の可能性を残すための正規のルートです。
前期より受験科目が少ない方式や、共通テストの得点だけで判定する方式があり、得意科目がはっきりしている人ほど有利に働くことがあります。
この記事では、中期・後期日程がなぜ重要になっているのか、愛知県内でどんな方式があるのか、そして出願で失敗しないための確認事項をまとめます。
武田塾安城校 校舎長の宮下純弥が、毎年の出願を見てきた立場から、実際に起きているミスも含めて書きます。
中期・後期日程とは
私立大学の一般選抜は、前期日程だけではありません。
大学によって名称は違いますが、前期の後に中期・後期にあたる試験を設けているところがあります。
| 区分 | おおよその時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 前期 | 1月下旬〜2月上旬 | 募集人員が最も多い。本命はここ |
| 中期 | 2月中旬〜下旬 | 前期より科目数が少ない方式がある |
| 後期 | 2月下旬〜3月 | 共通テストの得点のみで判定する方式もある |
時期・名称・方式は大学ごとに違います。
「中期」「後期」という呼び方をせず、A方式・B方式・C方式のように記号で分けている大学もあります。
名前ではなく、試験日と選考方法で見分けてください。
なぜ中期・後期が重要になっているのか
理由は2つあります。
大学側の事情と、受験生側の動きです。
大学側の事情
私立大学は入学定員の管理を求められており、合格者を出しすぎると影響が出る仕組みになっています。
そのため、前期で合格者を絞り、追加合格や後期で人数を調整する大学が出てきました。
つまり、後期日程は「余りもの」ではなく、大学が最初から人数調整のために確保している枠という位置づけになっています。
なお、この定員管理の運用は見直しが入ることがあり、そのたびに前期の合格者数や後期の募集人員が動きます。
前年の倍率がそのまま当てはまるとは限らないので、直近の入試結果は大学が公表しているデータで確認してください。
受験生側の動き
私立の競争が厳しくなるほど、受験生は併願校を増やします。
「滑り止めの滑り止め」まで押さえる動きです。
たとえば、国公立志望の文系受験生が、以前なら難関私大を1校押さえるだけだったところを、その下の層まで併願するようになる。
すると、その大学を第一志望にしている受験生は、上の層と同じ土俵で戦うことになります。
この結果、中堅私大の競争が厳しくなっています。 「ここなら受かるだろう」という感覚が、実際の難易度とずれやすくなっているということです。
中期・後期を選択肢に残しておく意味は、ここにもあります。
愛知県内の中期・後期日程の例
愛知県内でも、中期・後期にあたる日程を設けている大学があります。
代表的なところを挙げます。
なお、実施の有無・日程・科目・方式の名称は年度によって変わります。 志望校の最新の入学試験要項で確認してください。
ここでは「どういうタイプの方式があるか」を知る目的で読んでください。
| 大学 | 方式のタイプ | 向いている人 |
|---|---|---|
| 愛知学院大学 | 前期より科目数を絞った方式がある | 得意科目がはっきりしている人 |
| 名城大学 | 記号で分かれた複数方式。共通テスト利用型もある | 共通テストで得点できた人 |
| 愛知大学 | 後期日程の募集がある | 前期の結果を受けて立て直したい人 |
科目数が少ない方式
前期では3科目必要でも、中期・後期では1〜2科目に絞られる方式があります。
英語が武器なら英語だけで勝負できる、という状況が生まれます。 苦手科目が足を引っ張るタイプの受験生にとっては、前期より条件がよくなることがあります。
共通テストの得点だけで判定する方式
会場での受験がなく、共通テストの得点のみで合否が決まる方式です。
出願するだけで受験が完結するので、日程の負担がありません。
ただし、共通テストの結果が出てから出願できるとは限りません。 出願期間が共通テストの前に締め切られる方式もあります。
ここは要項で確認してください。
前期で届かなかった層が逆転するケース
後期日程で合格する受験生は毎年います。
前期は受験者数が多く、緊張や体調の影響も出ます。
1回の結果で実力が確定するわけではありません。
出願で失敗しないための確認事項
出願のミスは、実力とは関係なく受験機会を失います。
次の5点を、出願する方式ごとに確認してください。
| 確認事項 | 見落とすとどうなるか |
|---|---|
| 出願期間(開始日と締切日) | 前期の結果を待っていると締め切られている |
| 必着か消印有効か | 締切日の解釈が1〜3日ずれる |
| 調査書などの必要書類 | 高校への発行依頼が間に合わない |
| 検定料の振込方法と期限 | 振込が完了しないと出願が成立しない |
| 合格発表日と入学手続締切 | 他大学の手続判断に影響する |
とくに重要なのは1つ目です。中期を受けるつもりなら、前期と同時に出願しておくのが安全です。 「前期の結果を見てから決めよう」と考えていると、結果が出た時点で締め切られているパターンが毎年あります。
調査書は高校に依頼してから発行までに時間がかかります。
出願する可能性のある学校数を早めに見積もって、まとめて依頼しておいてください。
よくある質問
中期・後期は難易度が上がりますか
募集人員が前期より少ないため、倍率が高く出ることが多くなります。
ただし倍率は受験者数との関係で決まるので、必ずしも合格しにくいとは限りません。
判断材料にするなら、大学が公表している入試結果(志願者数・受験者数・合格者数)を年度ごとに見てください。
前期の結果を見てから出願できますか
方式によります。
前期の合格発表より後に締め切られる方式もあれば、共通テスト前に締め切られる方式もあります。
受ける可能性があるなら、前期と同時に出願しておくのが確実です。
何校くらい併願すればいいですか
学力の幅と費用によって変わるので、一律の答えはありません。
考え方としては、挑戦校・実力相応校・安全校の3層をつくり、各層で試験日が重ならないように組みます。
受験料と移動の負担も現実的な制約になるので、一覧表にして総額を確認してから決めてください。
後期まで受けると勉強の集中が切れませんか
日程を先に決めておけば切れません。
切れるのは「前期が終わってから後期を考え始める」場合です。
出願の時点で最後の試験日まで決めておくと、そこまでの勉強計画も一本で引けます。
まとめ
- 私立の中期・後期は、大学が人数調整のために用意している正規の枠
- 受験生の併願が増え、中堅私大の競争が厳しくなっている。選択肢は多く残しておく
- 前期より科目数が少ない方式や、共通テストの得点のみで判定する方式がある
- 実施の有無・日程・科目は年度で変わる。最新の入学試験要項で確認する
- 中期を受けるつもりなら、前期と同時に出願しておく
- 必着か消印有効か、調査書の準備、検定料の振込期限まで方式ごとに確認する
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