共通テストが終わったあと、「共通テスト利用に出しておけばよかった」と後悔する受験生が毎年います。
理由はほぼ同じで、制度を理解したのが締切のあとだったからです。
この記事では、共通テスト利用入試と共通テスト併用(プラス方式)の違い、倍率が上がりやすい理由、そして出願で一番やりがちな失敗を整理します。
武田塾安城校の校舎長・宮下純弥が、受験相談でよく聞かれる順に並べました。
結論:共通テスト利用は「滑り止め」、併用は「判定のチャンス増やし」
先に結論です。
- 共通テスト利用は、第一志望を狙う方式ではありません。安全校を確実に押さえるために使ってください
- 併用(プラス)方式は、一般入試を受けるなら基本的に併せて出す価値があります。合格の機会が増えます
- どちらも締切が一般入試と違います。結果を見てから出願することはできません
理由を順に説明します。
共通テスト利用と併用(プラス)の違い
まず言葉を整理します。
| 共通テスト利用 | 共通テスト併用(プラス方式) | |
|---|---|---|
| 判定に使う点数 | 共通テストの得点のみ | 共通テストの得点+その大学の一般入試の得点 |
| 大学の試験を受けるか | 受けない | 受ける(一般入試と同じ日程のことが多い) |
| 科目数 | 3科目型・5科目型など大学が指定 | 大学の指定による |
| 主な使い方 | 安全校を早めに確保する | 一般入試と併願して合格の機会を増やす |
共通テスト利用とは
共通テストの得点だけで合否が決まる方式です。
大学ごとの個別試験を受ける必要がありません。
3科目型と5科目型を分けて募集する大学が多く、指定科目がある場合もあります。
一番のメリットは、大学に行かずに合否が決まることです。移動も宿泊も不要で、体力も温存できます。
共通テストが終わった時点で合格が1つ確定していると、その後の私立一般入試の受け方が変わります。
共通テスト併用(プラス方式)とは
共通テストの得点と、その大学の一般入試の得点を合計して判定する方式です。
一般入試を受ける必要があります。
多くの大学が、高いほうの得点を採用する仕組みを採っています。
つまり、一般入試の英語で失敗しても共通テストの英語がよければそちらが使われる、といった形です。
一般入試を受けるなら、併用方式にも出しておくと判定のチャンスが増えます。ただし、受験料が別にかかるので、出す数は予算と相談してください。
なぜ共通テスト利用は倍率が上がるのか
同じ大学・同じ学部でも、共通テスト利用のほうが合格のハードルは高くなりがちです。
理由は2つあります。
1. 国公立志望の受験生が出願してくる
国公立を第一志望にしている人は、共通テストを受けます。
その点数をそのまま使えるので、私立の滑り止めとして出願するのが自然な流れになります。
上位層が「ついでに」出してくる方式だと考えてください。
2. 募集人数が少ない
共通テスト利用の募集枠は、一般入試に比べて小さく設定されていることが多いです。
受験者が多く枠が小さいので、得点のボーダーは上がります。
愛知県内でも、南山大学や名城大学のような人気大学では、名古屋大学など国公立志望の受験生が多数出願します。
私立を第一志望にしている人が、同じ土俵で戦うのは不利です。
したがって、私立第一志望の人は、一般入試の対策を軸に置いてください。
共通テスト利用はあくまで補助です。
共通テスト利用の正しい使い方
使い方はシンプルです。
現時点で一般入試でA判定が出ている大学を、共通テスト利用でも押さえる。
これが基本形です。
確実に取れるところを早く確定させて、第一志望の一般入試に集中できる状態を作ります。
逆に、判定が届いていない大学を共通テスト利用で狙うのは、期待値が低い出願になります。
共通テスト利用で第一志望を取りにいくのは、現実的ではありません。
一番やりがちな失敗:締切の見落とし
ここが、この記事で一番伝えたい部分です。
私立大学は、同じ大学の中に複数の方式があり、方式ごとに出願期間が違います。そして、方式によっては「前の方式の合格発表より先に、次の方式の出願が締め切られる」という順序になっています。
たとえば、中期日程は出願期間が長く設定されていることがあります。
一見すると余裕があるように見えます。
ところが、前期や共通テスト利用の合格発表日が、その締切より後に来ることがある。
そうなると「前期の結果を見てから中期に出願する」ことが物理的にできません。
対策は1つです。
受けるかもしれない方式は、結果を待たずに先に出願しておく。
受験料はかかりますが、出願できなかったときの損失のほうが大きいです。
出願前に作る一覧表
志望校が決まったら、この表を1枚作ってください。
| 大学・学部 | 方式 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表日 | 受験料 |
|---|
作ったら、合格発表日と、他の方式の出願締切を線でつないで見てください。発表が締切より後に来る組み合わせが、いくつか出てきます。
そこが「先に出しておくべき方式」です。
日程と方式の呼び方は大学ごとに違い、年度によっても変わります。
名城大学のようにA・B・C・F・Kと記号で分けている大学もあります。
日程は受験する年度の募集要項で確認してください。予備校の情報サイトや前年度の数字をそのまま使わないことが大事です。
準備を始める時期
共通テスト後に出願を受け付ける方式もありますが、その場合も締切までの期間は短くなります。
共通テストが終わってから調べ始めると、間に合いません。
秋のうちに、志望校の募集要項を取り寄せて、上の一覧表を作っておいてください。
受験料の総額も出るので、保護者の方との相談も同時に済ませられます。
よくある質問
共通テスト利用には何校くらい出すべきですか?
人によります。
ただし、届く見込みのない大学に数を出しても意味がありません。
判定が出ている安全校を確実に押さえる形で組んでください。
併用方式は全員が出したほうがいいですか?
一般入試を受ける大学については、出しておくと判定のチャンスが増えます。
ただし受験料が別にかかるので、優先順位をつけて選んでください。
共通テストの結果が悪かったら、共通テスト利用は無駄になりますか?
出願済みの受験料は戻りません。
そのぶん、一般入試に切り替える判断が早くできます。
共通テスト利用は「取れたら儲けもの」ではなく、「取れる見込みのところに出す」ものだと考えてください。
国公立志望ですが、私立の共通テスト利用は出すべきですか?
多くの国公立志望者が出しています。
共通テストの点数だけで私立の滑り止めが確定すると、二次試験の対策に集中できます。
共通テスト利用だけで受験するのは可能ですか?
制度上は可能ですが、おすすめしません。
募集人数が少なく、高得点層が集まる方式なので、これだけで合格を確保するのはリスクが高くなります。
一般入試の対策を中心に置き、共通テスト利用は押さえとして併用してください。
自己採点の前に出願が締め切られる大学はありますか?
あります。
共通テスト利用の前期は、共通テストの直後に締め切る大学が少なくありません。
自己採点の結果を見てから出願先を選べない前提で、あらかじめ候補を決めておいてください。
出願方式は毎年変わりますか?
変わることがあります。
方式の名称、科目数、配点、締切日は年度ごとに見直されます。
この記事は方式の考え方を説明したものです。
実際の出願にあたっては、志望校の最新の入学試験要項で確認してください。
ここまでのまとめ
- 共通テスト利用 … 共通テストの得点のみで判定。募集が少なく難易度が高い。押さえとして使う
- 共通テスト併用(プラス) … 共通テスト+個別試験の合計で判定。一般入試を受けるなら上積みとして出願する
- 締切は方式ごとに違う。中期・後期は「前期の発表より前」に締め切ることがある
- 出願候補は、共通テストを受ける前に確定させる
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