「一問一答は3周したのに、模試になると点が取れない」。
武田塾大曽根校で日本史・世界史の相談を受けると、まずこの話が出ます。
結論から言うと、一問一答は最初に開く教材ではありません。
歴史の流れをつかむ講義系の参考書や教科書で全体像を入れてから、覚えた知識の抜けを見つける道具として使うものです。
順番を逆にすると、用語は言えるのに問題が解けない状態になります。
この記事では、日本史・世界史を選択している高校生に向けて、一問一答を使う順番と、点につながる回し方をまとめます。
大曽根校の校舎長が、社会科目の相談で毎回説明している内容です。
読み終えると、今使っている一問一答をいつ・どう使えばよいかが決まります。
一問一答は3番目に使う教材
社会科目の教材には役割の違いがあります。
順番はこうです。
| 順番 | 教材 | 役割 |
|---|---|---|
| 1 | 講義系の参考書・教科書 | 出来事のつながりと因果関係を理解する |
| 2 | 問題集(正誤問題・空所補充) | 理解した内容を問われ方に合わせて使う |
| 3 | 一問一答 | 覚えたはずの用語の抜けを見つけて埋める |
| 4 | 過去問 | 志望校の問われ方に合わせて仕上げる |
一問一答が3番目にあるのは、この形式が「用語を思い出せるかどうか」しか測れないからです。
問いと答えが1対1で固定されているので、出来事の順番も、なぜそれが起きたのかも、この本だけでは身につきません。
流れを入れる前に一問一答から始めると、つながりのない用語をひたすら覚えることになります。
関連づけのない暗記は抜けるのが早く、覚え直しに時間を取られます。
共通テストは用語の知識だけでは解けない
大学入試センターは、共通テストの問題作成方針を毎年公表しています。
『歴史総合,日本史探究』『歴史総合,世界史探究』については、用語などを含めた個別の事実等に関する知識だけでなく、歴史に関わる事象の意味や意義、特色や相互の関連について、多面的・多角的に考察する力を求める、と書かれています。
さらに、問題を作るときに検討するものとして次のようなタイプが挙げられています。
- 教科書等で扱われていない資料から得られる情報と、授業で学んだ知識を関連づける問題
- 仮説を立てて、資料に基づいて根拠を示したり検証したりする問題
- 時代や地域を超えて、特定のテーマについて考察する問題
出典:大学入試センター 令和9年度試験(大学入学共通テスト問題作成方針)
方針の基本的な考え方の部分でも、「深い理解を伴った知識の質」を問う問題を重視すると明記されています。
用語を答えられるかどうかだけを測る作りにはなっていない、ということです。
だからといって一問一答が不要になるわけではありません。
資料を読んで考える問題も、土台になる知識がなければ手が出ません。
位置づけが「主役」から「土台の点検」に変わるだけです。
一問一答を開く前にやること
流れを入れるところから始めます。
具体的には、講義系の参考書か教科書を1章ずつ読み、読み終えたら次の3つを自分の言葉で言えるか確認します。
- この時代に何が起きたか(出来事)
- なぜ起きたか(原因)
- その結果どうなったか(結果)
この3つが言えれば、一問一答で用語を入れたときに置き場所ができます。
言えないうちに用語だけ入れると、置き場所のない知識になって流れ落ちます。
1章に時間をかけすぎる必要はありません。
完璧に覚えようとせず、章ごとに1回読んで、3つの問いに粗く答えられれば次へ進みます。
細かい用語は一問一答で埋めるので、ここでは全体の輪郭を作るのが目的です。
一問一答の回し方
大曽根校で生徒に伝えている使い方です。
- 範囲を講義系の参考書に合わせる。読んだ章の分だけをその日に回します。本の最初から順に一問一答だけを進めるやり方はしません
- 頻出度で優先順位をつける。多くの一問一答には頻出度の表示があります。まずは最上位のランクだけを全範囲で回し、次のランクへ降りていきます。全部のランクを同時に覚えようとすると1周が終わりません
- 答えられなかった問題に印をつける。1回目は「/」、2回目に間違えたら「×」にします。3周目以降は印のついた問題だけを回します
- 答えを言った後に1文足す。用語を答えたら「それは何のために行われたか」を1文で言い添えます。ここが一問一答の弱点を埋める作業です
- 逆から問う。答えの用語を見て、問題文の内容を説明できるか試します。記述問題や正誤問題への橋渡しになります
「答えを言った後に1文足す」は面倒に見えますが、ここを飛ばすと用語だけが残ります。
声に出す必要はなく、頭の中で1文作れれば十分です。
一問一答だけで勉強しない
一問一答を何周してもアウトプットの形が変わりません。
問われ方が固定されているからです。
実際の入試では、正誤判定・年代整序・資料読み取り・記述など、別の形で問われます。
そこで、週に1回は別の形式の問題を混ぜます。
| 目的 | 使う教材 | 頻度の目安 |
|---|---|---|
| 用語の抜けを埋める | 一問一答 | 毎日、読んだ章の分 |
| 問われ方に慣れる | 正誤問題・空所補充の問題集 | 週1回、まとめて |
| 資料の読み方を学ぶ | 共通テストの過去問・実戦形式の問題集 | 月1回から |
| 志望校の形式に合わせる | 志望校の過去問 | 高3の秋以降 |
一問一答で用語を入れ、別の問題集で使い方を確かめる。
この往復が点になります。
片方だけをどれだけ回しても、もう片方は伸びません。
学年・時期別の使い方
| 時期 | 一問一答の位置づけ |
|---|---|
| 高1・高2 | 定期テストの範囲の確認に使う。受験用に通しで回すのはまだ早い |
| 高3の春から夏 | 講義系の参考書で流れを入れながら、読んだ章の分を回す。頻出度の最上位ランクから |
| 高3の秋 | 2つ目のランクへ広げる。印のついた問題を重点的に回す |
| 高3の冬 | 過去問で間違えた分野だけ戻って回す。全範囲を通す時間はもう取らない |
高3の冬に「もう1周しよう」として全範囲に手を出すと、過去問の復習の時間が消えます。
この時期は、過去問で出た穴を一問一答で埋める使い方に切り替えてください。
日本史・世界史は、始めるのが遅いほど時間が足りなくなる科目です。
英語と数学に手一杯で社会を後回しにする人は多いのですが、高2のうちに教科書を通読しておくだけで、高3の負担はかなり変わります。
よくある質問
一問一答だけで日本史・世界史の受験勉強はできますか
できません。
共通テストの問題作成方針では、用語の知識だけでなく、事象の意味や相互の関連を考察する力を求めると示されています。
資料を読んで知識と結びつける問題も検討されています。
一問一答は土台の点検には向きますが、それだけでは問われ方に対応できません。
一問一答は何周すればよいですか
周回数より、印のつけ方で管理してください。
1周目は全問、2周目以降は間違えた問題だけを回します。
印のついた問題がなくなった範囲は、月に1回の確認で十分です。
回数を目標にすると、覚えている問題まで毎回読むことになり、時間が足りなくなります。
頻出度のランクはどこまで覚えればよいですか
まず最上位のランクを全範囲で仕上げてください。
ここが抜けたまま下のランクに手を出すのがいちばん非効率です。
志望校の過去問を1年分解いて、出ている用語のランクを確認すると、どこまで必要かの見当がつきます。
まとめ
- 一問一答は最初ではなく3番目に使う教材。流れを入れてから用語の抜けを埋める
- 共通テストは用語の知識だけを測る作りではない。資料と知識を結びつける問題が検討されている
- 講義系の参考書で読んだ章の分だけを、その日のうちに一問一答で回す
- 頻出度は最上位のランクから。印は「/」と「×」で管理し、3周目以降は印のある問題だけ
- 週1回は正誤問題や空所補充など別の形式を混ぜて、問われ方に慣れる
武田塾大曽根校の無料受験相談では、志望校の社会の出題形式を確認したうえで、講義系の参考書・一問一答・問題集をどの順番で、いつまでに終えるかを一緒に決めます。
今使っている教材を持ってきていただければ、その場で使い方をお見せします。
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- 合格までに必要な参考書と、やる順番
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