「名市大の薬学部は中期日程だから、前期の勉強と何を変えればいいのか分からない」。
武田塾大曽根校の受験相談で、理系の高校生から出る質問です。
結論から書きます。
名古屋市立大学薬学部の一般選抜は公立大学中期日程で行われ、1,125点満点です。
個別学力検査は数学200点・理科200点・外国語200点の合計600点で、理科は化学のみ。
つまり化学の完成度が、そのまま合否に直結します。
この記事では、大学が公表している配点・試験時間・合格者最低点をもとに、薬学部志望が何をどの順番で仕上げるべきかを整理します。
書いているのは、名古屋市北区で理系の高校生を指導している武田塾大曽根校の校舎長です。
名古屋市立大学薬学部は公立大学中期日程
薬学部には6年制の薬学科(115名)と4年制の生命薬科学科(50名)があります。
どちらも一般選抜は公立大学中期日程で、試験日は3月8日です(名古屋市立大学 入学者選抜に関する要項)。
中期日程は、国公立大学の前期日程と後期日程の間に行われる公立大学だけの日程です。
前期日程で別の大学を受けたうえで出願できるので、併願先として選ぶ受験生が多く、志願倍率も高くなります。
要項に示されている令和8年度の薬学部の志願倍率は10.9倍でした。
倍率の数字だけを見ると身構えますが、中期日程は前期日程の合格者が抜けていく日程です。
合格者最低点のほうを目安にしたほうが、実態に近い判断ができます。
配点は1,125点満点
薬学科・生命薬科学科の配点は同じです。
| 教科 | 共通テスト | 個別学力検査 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 100 | ― | 100 |
| 地理歴史・公民 | 100 | ― | 100 |
| 数学 | 100 | 200 | 300 |
| 理科 | 100 | 200 | 300 |
| 外国語 | 100 | 200 | 300 |
| 情報 | 25 | ― | 25 |
| 合計 | 525 | 600 | 1,125 |
共通テストは6教科8科目を使います。
理科は「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目です。
一方、個別学力検査の理科は「化学基礎・化学」の全範囲に固定されています。
物理を選ぶ余地はありません。
数学・理科・外国語の3科目で900点、全体の80%を占めます。
国語と地理歴史・公民は共通テストのみで各100点なので、優先順位は明確です。
試験時間が80分に変わっている
見落とすと当日に困るのが試験時間です。
令和8年度の募集要項には、中期日程の個別学力検査が次のように示されています(令和8年度一般選抜学生募集要項)。
| 時刻 | 教科 | 試験時間 |
|---|---|---|
| 9時00分から10時20分 | 外国語 | 80分 |
| 11時20分から12時40分 | 数学 | 80分 |
| 14時00分から15時20分 | 理科 | 80分 |
要項には「試験時間が、昨年度より大きく変更になっていますので、注意してください」という注意書きが添えられています。
古い赤本や数年前の情報をもとに時間配分を練習していると、本番で足りなくなります。
過去問を解くときは、必ず最新の要項で時間を確認してください。
3科目とも80分で、それぞれ200点です。
1問あたりに使える時間は前期日程を受ける大学より短くなります。
解ける問題を確実に取る訓練が、そのまま得点差になります。
令和8年度の合格者最低点
大学は科目別の最高点・最低点・平均点を公表しています(合格者最高点・最低点・平均点)。
令和8年度の数字です。
| 薬学科(1,125点満点) | 共通テスト計 | 数学 | 英語 | 化学 | 総合得点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 最高点 | 472.85 | 194.00 | 167.00 | 176.00 | 924.40 |
| 最低点 | 375.00 | 40.00 | 78.00 | 80.00 | 758.30 |
| 平均点 | 426.21 | 123.62 | 128.56 | 136.52 | 814.91 |
薬学科の合格最低点は758.30点、得点率で約67%です。
生命薬科学科は710.10点(平均782.00点)で、薬学科よりやや低い水準でした。
合格者平均を科目ごとに見ると、化学が136.52点で200点満点の約68%と最も高く、数学が123.62点で約62%です。
化学が得点源になっていることが数字から読み取れます。
共通テストは426.21点で525点満点の約81%です。
中期日程は共通テストの得点率が高い受験生が集まる日程だということです。
化学を得点源にする理由
個別の理科が化学だけに固定されている入試では、化学の完成度が最も投資対効果の高い科目になります。
物理と生物の両方を捨てられるという意味ではなく、対策の的が1つに絞れるという意味です。
大曽根校で薬学部志望の生徒に伝えている順番です。
| 段階 | 化学 | 数学 | 英語 |
|---|---|---|---|
| 1 | 理論分野の計算を教科書レベルで固める | 数学ⅠA・ⅡBCの基礎問題集 | 単語・文法・熟語・英文解釈 |
| 2 | 無機・有機を暗記ではなく理由で覚える | 数学Ⅲの基礎問題集 | 共通テストレベルの長文 |
| 3 | 標準レベルの入試問題演習 | 国公立の標準的な記述問題演習 | 記述式の読解と和訳 |
| 4 | 過去問で80分の時間配分を作る | 過去問で80分の時間配分を作る | 過去問と段落作文の練習 |
化学は理論・無機・有機のうち、理論の計算が土台になります。
ここが曖昧なまま無機と有機の暗記に進むと、初見の問題で崩れます。
数学の出題範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Aが全範囲、数学Bは「数列」、数学Cは「平面上の曲線と複素数平面」「ベクトル」です。
数学Ⅲが入るので、経済学部などの文系学部より仕上げるべき量は多くなります。
英語は、大学が公開している入試過去問題の中期日程の解答例を見ると、読解に加えて段落単位で自分の考えを書く問題が出ています。
採点基準として内容の明確さ・段落のまとまり・文法・語彙の正確さが示されているので、書き慣れていないと点になりません。
直前に始めても間に合わない種類の設問です。
校地は田辺通
薬学部は田辺通校地です。
所在地は名古屋市瑞穂区田辺通3-1で、経済学部や人文社会学部がある滝子(山の畑)校地、医学部がある桜山(川澄)校地とは別の場所です。
薬学部だけがこの校地を使います。
オープンキャンパスや説明会に行くときは、学部ごとに場所が違うことを前提に確認してください。
大曽根から瑞穂区までは地下鉄で移動できます。
よくある質問
名古屋市立大学薬学部の合格最低点はどのくらいですか
令和8年度は1,125点満点で、薬学科が758.30点(得点率約67%)、生命薬科学科が710.10点でした。
合格者平均は薬学科814.91点、生命薬科学科782.00点です。
年度によって変わるので、最新の数字は大学の公表資料で確認してください。
個別試験の理科は物理を選べますか
選べません。
個別学力検査の理科は「化学基礎・化学」の全範囲に指定されています。
共通テストでは「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目を選びますが、個別は化学のみです。
化学の完成度が合否を左右します。
薬学科と生命薬科学科はどう違いますか
薬学科は6年制で115名、生命薬科学科は4年制で50名の募集です。
配点と試験科目は同じで、令和8年度は薬学科のほうが合格最低点が高い結果でした。
学ぶ内容と卒業後の進路が異なるので、学部の公式ページで教育課程を確認したうえで出願先を決めてください。
まとめ
- 薬学部の一般選抜は公立大学中期日程(3月8日)、1,125点満点です
- 個別学力検査は数学・化学・英語が各200点、各80分。時間が変更されているので要項で確認してください
- 令和8年度の合格最低点は薬学科758.30点、得点率で約67%でした
- 個別の理科は化学のみ。化学を得点源にできるかどうかが分かれ目です
武田塾大曽根校の無料受験相談では、薬学部の配点表と合格最低点を一緒に見ながら、化学・数学・英語のどこから手を付けるか、いつまでに何を終えるかを決めます。
前期日程にどの大学を置くかという併願の組み方もご相談ください。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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