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大学編入学試験の仕組みと注意点|愛知の大学の実例で解説

大学編入学試験は、4年制大学の2年次または3年次から入学する制度です。
ただし「別の大学に入ってから編入で第一志望へ移る」というイメージのまま準備すると、そもそも出願できない場合があります。
国公立大学の3年次編入には、高等専門学校の卒業者に出願資格を限っているものが少なくないからです。

「第一志望に届かなかったら、浪人と編入のどちらがいいのか」。
武田塾大曽根校の受験相談で、受験生と保護者から毎年出る質問です。

この記事では、編入学試験の仕組みと注意点を、愛知県内の大学が実際に公開している募集要項から確認します。
大曽根校の校舎長がまとめました。
制度は大学・学部ごとに違うので、候補が決まったら必ずその大学の要項を読んでください。

編入学とはどういう制度か

編入学は、すでに一定の学修を終えた人が、大学の途中の学年から入学する制度です。
3年次編入であれば、入学後の2年間で卒業に必要な単位を揃えることになります。

一般選抜との違いは3つあります。

  • 出願資格が限定されている(高等専門学校の卒業者、短期大学の卒業者、大学に一定期間在学し所定の単位を修得した人など、大学ごとに定められています)
  • 試験科目が一般選抜と違う(専門科目・英語・小論文・面接など。高校の全科目を揃える必要はありません)
  • 大学ごとに独自の日程で実施される(国公立でも日程が重ならなければ複数校を受けられます)

一方で、募集人員は少なく、実施していない大学・学部も多くあります。
まずは「志望する大学・学部が編入を実施しているか」「自分に出願資格があるか」の2点から確認するのが順番です。

出願資格は大学によってまったく違う

愛知・岐阜の国公立3つを並べると、違いがはっきりします。

大学・学部 実施の範囲 募集人員 出願資格の中心
愛知県立大学 情報科学部 情報科学科のみ 若干名 高等専門学校の卒業見込み、または高等学校専攻科の修了見込み
名古屋大学 工学部 7学科 各学科 若干名 高等専門学校の卒業者
岐阜大学 工学部 工学部 募集要項で公表 募集要項で確認

出典:愛知県立大学 令和9年度 情報科学部編入学試験 学生募集要項/名古屋大学工学部 受験生の方へ/岐阜大学工学部 入試情報

愛知県立大学と名古屋大学工学部は、いずれも高等専門学校を出た人を主な対象にしています。
大学に在学しながらの編入を前提にすると、この2つは候補から外れます。

「編入があるから大学はどこでもいい」という考え方が危ういのは、この点です。
編入を進路の選択肢に入れるなら、高校生の段階で「どの大学のどの学部が、どういう人を対象に募集しているか」を調べておく必要があります。

愛知県立大学情報科学部の編入学試験の中身

実際の要項を見ると、編入がどういう試験なのかがよく分かります。

  • 募集人員:若干名/編入年次:3年次
  • 出願資格:高等専門学校を卒業見込みの人、または高等学校の専攻科(修業年限2年以上)を修了見込みの人
  • 認定単位条件:情報科学部の専門科目として認定できる単位を43単位以上、教養教育科目(英語を含む)を20単位以上修得していること
  • 事前審査:出願希望者は全員が事前審査を受けます。事前審査を受けていない人、出願資格なしとされた人は出願できません
  • 試験:口述試験のみ。卒業研究の概要について1人10分のプレゼンテーションを行い、そのあと10分程度の口頭試問があります(合計20分程度・配点100点)
  • 日程:事前審査は5月中旬まで、出願は6月中旬から下旬、試験は7月上旬、合格発表は7月中旬

出典:愛知県立大学 令和9年度 情報科学部編入学試験 学生募集要項

筆記試験がなく、卒業研究のプレゼンだけで判定されます。
高校までの学力を測る試験ではなく、専門課程で何をやってきたかを問う試験です。
一般選抜の延長線上で考えると、性格がまったく違うことが分かります。

名古屋大学工学部の第3年次編入学

名古屋大学工学部は、化学生命工学科・物理工学科・マテリアル工学科・電気電子情報工学科・機械航空宇宙工学科・エネルギー理工学科・環境土木建築学科の7学科で第3年次編入学を実施しています。
募集人員は各学科とも若干名です。

選抜は、基礎学力試験(英語はTOEICまたはTOEFLのスコアを利用し、数学・物理・化学は筆記試験)、面接(口頭試問)、調査書による総合評価です。
出願資格は高等専門学校の卒業者が対象になります。

出典:名古屋大学工学部 受験生の方へ

英語がスコア提出になっている点は、編入試験でよく見られる形です。
英語の準備は編入を決めてから始めるものではなく、それ以前から積み上げておくものになります。

編入を選ぶ利点

制度としての利点は次のとおりです。

  1. 学年が遅れない:3年次編入なら、同学年の人と同じ年に卒業できます
  2. 試験科目が絞られる:専門科目・英語・面接が中心で、一般選抜のように多科目を揃える必要はありません
  3. 在籍したまま挑戦できる:不合格でも、今の学校に在籍し続ければよいので、進路が白紙になることはありません
  4. 日程が重ならなければ複数校を受けられる:国公立でも大学ごとの独自日程です

「全部落ちたらどうしよう」という不安が小さいのは、一般選抜との大きな違いです。

編入の注意点

一方で、次の点は事前に押さえておく必要があります。

  • 募集人員が少ない:ここで挙げた3例はいずれも若干名です。合格者が募集人員に届かない年もあります
  • 情報が手に入りにくい:一般選抜のような市販の問題集や模試がなく、合格可能性を測る目安を作りにくい面があります
  • 入学後の負担がある:編入前に修得した単位がすべて認定されるとは限りません。残りの2年で多くの授業を取る必要が出ることがあります
  • 実施していない大学・学部がある:志望先が編入を実施しているとは限らず、募集が停止されることもあります
  • 出願資格が限定されている:この記事で見たとおり、高等専門学校の卒業者に限る例があります

とくに最後の1点は、進路を決める前に必ず確認してください。
編入を当てにして進学先を決めたあとで、出願資格がないと分かるのがいちばん困る流れです。

浪人と編入のどちらを選ぶか

どちらが正解と決まっているわけではありません。
判断の材料になるのは次の4点です。

確認すること 浪人 編入
卒業の時期 1年遅れる 3年次編入なら遅れない
必要な学力の種類 高校範囲の全科目 専門科目・英語・面接
出願資格 制限なし 大学ごとに限定される
情報の得やすさ 過去問・模試が揃う 大学の要項が中心

自分に出願資格があり、志望する大学・学部が実際に募集しているなら、編入は現実的な選択肢になります。
逆に、出願資格の条件を満たせないなら、浪人して一般選抜でもう一度挑むほうが道筋がはっきりします。
まず要項を1つ読んでから決めてください。

よくある質問

大学に入ってから編入で志望校を目指すことはできますか

大学によります。
愛知県立大学情報科学部と名古屋大学工学部の編入学試験は、高等専門学校の卒業者などを対象にしており、大学に在学している人は出願できません。
大学在学者を対象にした編入を実施している大学・学部もあるので、志望先の募集要項で出願資格を確認してください。

編入学試験の科目は何ですか

大学によって違います。
愛知県立大学情報科学部は口述試験(卒業研究のプレゼンテーションと口頭試問)だけです。
名古屋大学工学部は基礎学力試験(英語はTOEIC・TOEFLのスコア、数学・物理・化学は筆記)と面接、調査書による総合評価です。
専門科目と英語が中心になる点は共通しています。

編入学試験の募集人員はどのくらいですか

この記事で取り上げた愛知県立大学情報科学部と名古屋大学工学部は、いずれも若干名です。
一般選抜と比べて枠が小さく、年によって合格者が募集人員に届かないこともあります。
編入だけを前提に進路を組むのは避けたほうが安全です。

まとめ

  • 編入学は大学の2年次・3年次から入学する制度で、試験科目は専門科目・英語・面接が中心です
  • 出願資格は大学ごとに違い、高等専門学校の卒業者に限っている例があります
  • 愛知県立大学情報科学部は3年次編入で若干名。試験は卒業研究のプレゼンと口頭試問だけです
  • 名古屋大学工学部は7学科で第3年次編入を実施し、英語はTOEIC・TOEFLのスコアを使います
  • 浪人と編入は、出願資格・卒業時期・必要な学力の種類で比べて決めてください

進路に迷っている受験生と保護者の方は、武田塾大曽根校の無料受験相談で、志望校の要項を一緒に読み、今の学力から一般選抜で狙える範囲と、編入という選択肢が使えるかどうかを整理します。
結論が出ていない段階でもご相談ください。

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