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建築史② 日本史選択必見!これを身に着ければ建築史はバッチリ!

建築史2

こんにちは!京都駅の予備校・塾といえば、武田塾京都駅前校です。

さて今回は前回に引き続き、歴史が大得意な講師に聞いた【建築史】についてお話します(^^)/

 

建築史

弘仁・貞観文化以前については前回お話したので、今回は国風文化以降についてお話していきたいと思います。

【前回の建築史①についてはこちらから】

 

国風文化

国風文化のキーワードは浄土教、浄土教といえば阿弥陀仏への信仰です。

有名な寝殿造は平安貴族たちの邸宅の様式であって、国風文化で登場する仏教建築はいずれも阿弥陀堂建築です。

建築様式・建築用語・建築家

阿弥陀堂建築あみだどうけんちく

浄土教の影響のもと、阿弥陀仏を本尊として安置する堂の建築

寝殿造しんでんづくり

貴族邸宅の建築様式。主人の居住する寝殿を中心に、東西に対屋たいのや(子)を北にきたたい(妻)を池に釣殿つりどのを配置し透渡殿すきわたどのろうで結んだ。建物は檜皮葺ひわだぶき

建築作品

法成寺ほうじょうじ

藤原道長ふじわらのみちながが建立した阿弥陀堂建築を含む寺院。壮麗さを誇ったが寺院ごと焼失した

平等鳳凰堂びょうどういんほうおうどう

藤原頼通ふじわらのよりみちが建立した代表的な阿弥陀堂建築
その他の国風建築

法界寺阿弥陀堂ほうかいじあみだどう石山寺本堂いしやまでらほんどう醍醐寺五重塔だいごじごじゅうのとう

 

 

院政期の文化

国風文化の時代に引き続き浄土教が隆盛しています。

浄土教のキーワード「阿弥陀仏信仰」が地方に波及した点が顕著な事項ですので、地図問題で問われてもいいようにそれぞれの場所も確認しておきましょう。

建築様式・建築用語・建築家:地方への浄土教じょうどきょうの普及の指標にもなる

浄土庭園じょうどていえん

極楽浄土の様子を意識した庭園建築様式
建築作品

中尊寺金色堂ちゅうそんじこんじきどう

藤原清衡ふじわらのきよひら平泉ひらいずみに建立した阿弥陀堂建築。清衡きよひら基衡もとひら秀衡ひでひら三代のミイラがある

富貴寺大堂ふきじおおどう

大分県にある阿弥陀堂建築

白水阿弥陀堂しらみずあみだどう

福島県にある阿弥陀堂建築
その他の平安末期建築

阿弥陀堂:宇佐八幡弥勒寺うさはちまんみろくじ(大分県)、三仏寺投入堂さんぶつじなげいれどう(鳥取県)

浄土庭園:毛越寺庭園もうつじていえん(岩手県平泉)

鎌倉文化

鎌倉時代では新仏教宗派が台頭してきた時代です。

しかし同時に旧仏教も復興運動を盛んにします。

建築の分野でも奈良の寺院の復興の結果が再建した建築があるほか、新仏教として禅宗の影響も見られるようになってきます。

建築様式・建築用語・建築家

和様わよう

鎌倉時代における、従来の日本様式を引きついだ建築様式
大仏様だいぶつよう(天竺様) 重源ちょうげんが東大寺再建に際して採用した建築様式
禅宗様ぜんしゅうよう(唐様からよう) 宋から輸入された花頭窓かとうまど桟唐戸さんからどを特徴とする建築様式

折衷様せっちゅうよう

和様に大仏様や禅宗様の技法を取り入れた建築様式

重源ちょうげん

僧。建築家。造東大寺大勧進職ぞうとうだいじだいかんじんしきとなり、平重衡たいらのしげひらの焼討をうけた東大寺の再建に尽力した

陳和卿ちんなけい

宋から来日した工人。重源に従って東大寺の大仏や大仏殿の再建に協力

建築作品

蓮華王院本堂れんげおういんほんどう(三十三間堂さんじゅうさんげんどう)

後白河法皇ごしらかわほうおうの勅願で平清盛たいらのきよもりが建立し、鎌倉時代に再建した代表的な和様建築

東大寺南大門とうだいじなんだいもん

重源により再建された鎌倉時代の東大寺の代表的な大仏様建築

円覚寺舎利殿えんがくじしゃりでん

北条時宗ほうじょうときむねが南宋から招いた無学祖元むがくそげんに開かせた臨済宗りんざいしゅう寺院にある代表的な禅宗様建築

その他の鎌倉建築

和様建築:石山寺多宝塔いしやまでらたほうとう秋篠寺本堂あきしのでらほんどう興福寺北円堂こうふくじほくえんどう

折衷様建築:観心寺金堂かんしんじこんどう

 

 

室町文化

室町文化において、特に建築の世界での主要な担い手は室町将軍を中心とした上級武士です。

その武士たちに深く影響を与えた禅宗は、彼らの建てさせた建築物にも反映されており、禅宗様、書院造、枯山水などを含む建築が顕著になっています。

 

建築様式・建築用語・建築家

書院造しょいんづくり

室町~桃山期の上流武士の邸宅の建築様式。

要素:付書院つけしょいんちがだな明障子あかりしょうじとこふすま

枯山水かれさんすい

禅宗の影響で、石と砂のみで山水の風情を表現しようとする庭園建築様式

山水河原者せんずいかわらもの

中世の非差別階級河原者かわらものの内、造園技術に優れた者たちの総称

善阿弥ぜんあみ

作庭師。山水河原者の一人として足利義政に登用され、慈照寺庭園などを手掛けた

建築作品

鹿苑寺金閣ろくおんじきんかく

足利義満建立の鹿苑寺にある金箔張り三層楼閣。1950年焼失1955年再建。

第一層:寝殿造しんでんづくり阿弥陀堂あみだどう 第二層:観音堂かんのんどう 第三層:禅宗様ぜんしゅうようの仏殿

慈照寺銀閣じしょうじぎんかく

足利義政建立の慈照寺にある二層楼閣。下層:書院造しょいんづくり 上層:禅宗様ぜんしゅうよう

慈照寺東求堂同仁斎じしょうじとうぐどうどうじんさい

代表的書院造しょいんづくり(付書院つけしょいんちがだな明障子あかりしょうじを特徴とする禅風の建築様式)建築

竜安寺石庭りょうあんじせきてい

細川勝元ほそかわかつもとが開かせた寺院の代表的な枯山水かれさんすい庭園

その他の室町建築

建築:永保寺開山堂えいほうじかいざんどう興福寺東金堂こうふくじとうこんどう興福寺五重塔こうふくじごじゅうのとう瑠璃光寺五重塔るりこうじごじゅうのとう

庭園:大徳寺大仙院庭園だいとくじだいせんいんていえん西芳寺庭園さいほうじていえん天龍寺庭園てんりゅうじていえん鹿苑寺庭園ろくおんじていえん慈照寺庭園じしょうじていえん常栄寺雪舟庭じょうえいじせっしゅうてい

 

桃山文化

内乱が相次いだ戦国時代に発達した城郭建築は、統一の進んだ桃山時代に美術としての性格も見せるようになります。

しかしながら、城郭内にある建築であることが災いして、戦火などの要因で失われたものも多く、その遺構を移築したものとして寺社が登場します。(醍醐寺は城郭建築の遺構ではありません)

また、この時代に大成した茶の湯の為の空間として茶室建築も一つ登場します。

 

建築様式・建築用語・建築家

城郭建築じょうかくけんちく

平城ひらじろへ:単なる軍事施設→政庁機能の重視。鉄砲による戦術革新

設備:重層の天守閣てんしゅかくを持つ本丸、書院造しょいんづくりを取り入れた居館

内部:欄間らんまに透かし彫りの彫刻、濃絵だみえによる豪華な障壁画しょうへきが

茶室建築ちゃしつけんちく

茶道の隆盛に伴って登場した建築。特に侘茶わびちゃの影響によるものを草庵茶室そうあんちゃしつという

千利休せんのりきゅう

侘茶わびちゃの大成者。草庵茶室の設計にも長け、妙喜庵待庵みょうきあんたいあんなどを手掛けた
建築作品

安土城あづちじょう

織田信長が近江おうみ国に築いた城郭建築。五層七重の天守閣含め、本能寺の変後焼失

大阪城おおさかじょう

豊臣秀吉が石山本願寺いしやまほんがんじの跡地に築いた城郭建築。大坂の陣で焼失した。20世紀に再建

伏見城ふしみじょう

豊臣秀吉が山城やましろ国に邸宅を兼ねて築いた城郭建築。後に破壊された。

その遺構が都久夫須麻神社本殿つくぶすまじんじゃほんでん唐門からもん西本願寺書院にしほんがんじしょいん唐門からもんに残る

聚(じゅ)楽第(らくだい)

豊臣秀吉が平安宮へいあんぐう大内裏だいだいり跡地に建設した城郭風邸宅。後陽成ごようぜい天皇を招いた。

その遺構が西本願寺飛雲閣にしほんがんじひうんかく(異説有り)、大徳寺唐門だいとくじからもんに残る

姫路城ひめじじょう

播磨はりま国の城。赤松氏や羽柴秀吉はしばひでよしの居城を経て現存の城郭は池田輝政いけだてるまさが築城

醍醐寺三宝院だいごじさんぽういん

庭園と表書院おもてしょいんが代表的な桃山時代の建築

妙喜庵待庵みょうきあんたいあん

千利休作との確証がある唯一の草庵茶室

その他の桃山建築

城郭建築:二条城にじょうじょう

城郭建築の遺構:都久夫須麻神社本殿つくぶすまじんじゃほんでん唐門からもん(伏見城)、西本願寺書院にしほんがんじしょいん唐門からもん(伏見城)、西本願寺飛雲閣にしほんがんじひうんかく(聚楽第)、大徳寺唐門だいとくじからもん(聚楽第)

 

 

寛永期の文化

安土桃山時代から江戸時代への移行期にあたる寛永期の文化では、桃山文化の残滓を感じ取ることができます。

まずは江戸幕府初代将軍徳川家康を祀る日光東照宮、そして茶室を吸収して発展した書院造の新形態数寄屋造の諸建築です。

この時代に来日した隠元隆琦に伝えられた禅宗の一派黄檗宗の寺院にある建築も登場しています。

建築様式・建築用語・建築家

霊廟建築れいびょうけんちく

寛永期に代表的な祖先や偉人の霊を祀る神社建築

権現造ごんげんづくり

寛永期に代表的な霊廟建築の建築様式

数寄屋造すきやづくり

書院造に茶室建築を取り入れて簡素化した建築様式

建築作品

日光東照宮にっこうとうしょうぐう(陽明門ようめいもん)

徳川家康とくがわいえやすを祀るために築かれた権現造の霊廟建築

桂離宮かつらりきゅう

八条宮智仁親王はちじょうのみやともひとしんのうの別邸として築かれた代表的な数寄屋造建築。回遊式庭園かいゆうしきていえんをもつ

修学院離宮しゅうがくいんりきゅう

後水尾天皇ごみずのおてんのうの邸宅として築かれた数寄屋造の建築。回遊式庭園をもつ

その他の江戸初期建築

清水寺本堂きよみずでらほんどう延暦寺根本本堂えんりゃくじこんぽんちゅうどう崇福寺大雄宝殿そうふくじだいゆうほんでん万福寺大雄宝殿まんぷくじだいゆうほんでん

 

 

元禄文化

この時代までには宗教建築も豪華な建築も目立たなくなります。

戦国時代に再び焼討にあった東大寺の再建がこの時代であり、現存する大仏・大仏殿が元禄文化に含まれるくらいのものでしょう。

建築作品

東大寺大仏殿とうだいじだいぶつでん

松永久秀まつながひさひでの焼討を受けて損傷し、大仏とともに再建された
その他の元禄建築

善光寺本堂ぜんこうじほんどう

 

まとめ

2回にわたって解説してきた建築史はいかがでしたか?少し難しいところもあったかと思いますが、受験勉強に是非活用してください(^^)/

 

【前々回の仏像史はこちらから】

 

↓仏像史、絵画史、清和源氏etc...日本史に用語整理に大活躍の記事をまとめました(^^)/↓

日本史まとめ

 


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