現代文【小説】【随筆】とメタメッセージ

京都校・

現代文【小説】【随筆】とメタメッセージ

どうも!京都の予備校と言えば武田塾京都校!講師のS.Yです!

今日は、現代文の中でもちょっとやっかいな小説について思うところを述べていこうと思います。

以下の内容は、小説のみならず、難関大学を中心に出題される傾向のある随筆についても当てはまることですので、随筆に関して苦手意識のある方もどうぞ。

これまで、現代文の解き方講座!と題して様々なことを書いてきましたが、「段落を意識する」など、評論にしか当てはまらない内容であることも多く、じゃあ小説の場合はどうしたら良いのかという疑問がわいてくるだろうと思うので、書こうと思った次第です。

 

現代文の問題を解く時の基本については、以下のブログをご覧ください。

以下のブログに書いてあることを実践せずに、「現代文の問題が解けません・・・」と言われても、対応しようがないので、伸び悩みを感じる方はご一読あれ。

第1回 【読み方編】はコチラ!

第2回 【マーク編】はコチラ!

第3回 【論述編】はコチラ!

第4回 【補論】はコチラ!

目次

・小説のとっつきにくさの由縁

・メタ・メッセージ

 

小説のとっつきにくさの由縁

僕は、はじめて担当する生徒さんに対して必ず「評論と小説どっちが得意?」と聞きます。

「評論」と答える人の多くは、現代文を解く際の最低限のスキルである、「論理を意識する」「難しい言い回しも頑張って解読する」が身に付いている気がします。

それに対して、「小説」と答える人の多くは、「小説の方が読んでいて楽しいから」といった感覚的な理由を述べることが多く、現代文の問題を解く際にすることは「鑑賞」ではないんだよ。というところから教える必要があると教えてくれます。

もちろん、「評論の方が得意です。」「小説の方が得意です。」という答えの次に「なぜ?」と理由を聞き、その理由付けの内容でどのレベルの受験生かを判断するので、どうこたえるのが正解というのでもありませんし、「小説」と答えても、以下で述べるような考え方を自然と身に付けていて、本当に得意だという場合も当然あります。

正直なところ、僕自身、受験生時代は小説があまり得意ではありませんでした。

評論文については、ある程度の語彙力と思想史に関する背景知識があれば、段落構成等がカッチリ定まっているという点で、とても読みやすく感じます。

一方で、小説の文章は、一連のストーリーとしてどのような内容であるかは把握できても、登場人物の心情表現や心象風景、著者独特の言い回し等についての解釈が、想定していたニュアンスと解答とで大きく異なることもしばしばあり、困惑させられることが多かったように思います。

講師になるまで国語(特に、現代文)の参考書というものに触れたことがなかったので、講師になってすぐの頃は、小説を教える、なぜそのような解答に至ることができるのかのかの根拠を平易に的確に示すためにどのような説明をすればよいかがあまりよくわかっていなかったように思います。

【補論】の最後でも書きましたが、生徒の「なぜこうなるんですか?」という疑問に「だってそう書いてあるじゃないか」と返答するのは職務放棄であり、そのようでは、講師として存在意義はないといわざるを得ません。

かといって、小説や随筆のような文章に、評論に言えるようなどのような文章にも大体当てはまるような基本的な読み方を見出すのはなかなか難しい話です。

小説や随筆の文章に、決まった型のようなものはないからです。(もっとも、広い意味ではあるのかもしれませんが、今そのようなことを話題にする実益はありません。)

では、どうすればよいか。

 

メタ・メッセージ

統一的な読み方を示すべきなのではないかというのがそもそもの誤りで、前述したように、ある程度の語彙力があれば、みんなストーリーは追えるということでしたね。

現代文のあまり得意でない人は、評論はそもそも文章すら読めないが、小説なら文章はそれなりに分かったような気になれる、という理由で、強いて言うなら小説の方が得意という構図になりがちだという話でした。

であれば、統一的な読み方を示すことに小説の難しさを克服する急所があるのではなく、「小説を読むとはどういうことか」「何を読むことが求められているのか」を示すことがこの難題の解決の足掛かりとなるのではないかと思うに至ったわけです。

そこで、小説や随筆の文章を読むために重要なキーワードが、「メタメッセージ」です。

メタメッセージとは、「あるメッセージがもっている本来の意味をこえて、別の見方・立場からの意味を与えるメッセージ」のことを言います。

※「メタ」とか「メタ的な」といった言葉は現代文でもたびたび登場しますし、社会に出て知らないとめんどくさい言葉なので、知っておいてください。こういった抽象語は、辞書的な意味だけ読んでもピンとこないことが多いので、実際の使われ方から演繹的に意味が掴めるようにするのが肝要です。

「さっきまで土砂降りだったのに、気が付けば空はすっかり晴れ渡っていた。」という一文があったとします。

そのままの意味としては、「雨がやんだ」ということですが、この一文が、何かに思い悩んでいた主人公が、友人の言葉をきっかけに前を向いて進み始める、のような内容の文章の最後の一文だったとしたら、「雨がやんだ」というそのままの意味以上の意味を持つことがわかるでしょうか。

ここまでベタな心象風景はあまりないかもしれませんが(児童文学ぐらい?)、心象風景に関わらず、普通の言葉が、文脈を背負うことで、本来持つ意味を超えた内容を伝えることはよくあり、入試現代文ではそこがしばしば出題されます。

村上春樹さんの小説『ノルウェイの森』に、「あの十七歳の五月の夜にキズキを捉えた死は、そのとき同時に僕を捉えてもいたからだ。」という一文があります。

キズキとは主人公である「僕」の友人なのですが、ここだけ抜き取ると、あたかも友人の死をきっかけに僕も死ぬかのように思ってしまいますが、実際にその周辺を読んでみると、それは明らかな誤読です。主人公はこれまで「死」というものを実感のない遠い存在として思っていたが、前日まで普通に話していた友人が突然自ら命を絶つということを経験し、それ以来、「死」について考えることが多くなり、「死」についての考え方も180度変わっていく・・・というような話なので、そもそも死のうとはしていないからです。

しかし、小説の文章が読めた気になっているだけになってしまっている受験生は、これを文字通りの意味で捉えて、誤読として示したような読み方をしている選択肢を選んでしまいます。

文や言葉は文脈を背負って意味を持つもので、そこで初めて意味が確定します。

これは小説に限った話ではなく、評論でも同様ですが、僕が設問を先に見て問題を解くことに反対する所以でもあります。

文脈を意識して、「捉える」という言葉の使い方に惑わされず、「死」が僕を捉えるという表現の真意を捉える。

※「由縁」と「所以」の使い方を示しました。お節介です。みんな言わなければ分からないようなので、いちいち書きます。「捉える」を重ねたのはわざとです。これは遊び心です。

「小説を読むとはどういうことか」「何を読むことが求められているのか」を示すという目的は達成されたでしょうか?

このブログを読んだことが、これまで実感のない遠い存在として捉えていた小説や随筆についての考え方が変わっていくきっかけとなれば幸いです。

さらばじゃ。

 

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