ぜひ読んでいただきたい文章がありまして。

京都校・

ぜひ読んでいただきたい文章がありまして。

どうも!京都の予備校と言えば武田塾京都校!講師のS.Yです!

今日は、大胆にも、ブログを数百文字ぐらいで締めたいと思います。

といっても、ブログのクオリティを下げるわけにはいきません。

最近は読んでくださっている方も増えているようなので、さすがにそこは妥協できません。

(ちなみに、他の講師のブログもそうですが、「読んだよ!」と一声あると励みになります(*- -)(*_ _)ペコリ)

ではどうするのかというと、今日は、明治から昭和初期にかけて活躍した、ある文豪に登場していただこうと思っているのです。

みなさんは、「寺田寅彦」先生を知っていますか?

ちゃっかり「先生」なんてつけてしまいましたが、僕の好きな文豪の一人なので、知っておいてもらいたいと思います。(いま、「寺田寅彦」の変換が一発で出なかったので、パソコンに向かって若干怒ってます(# ゚Д゚))

もう一つ「知っていますか?」と言いますが、

みなさんは、「青空文庫」を知っていますか?

著作権が切れた日本の名作(一部海外の作品もある)をデータベース化して、無料で読めるようにしているインターネット上の電子図書館のようなものですね。

検索すれば出てきますし、アプリなんかもあります。(ちなみに僕はアプリユーザー。)

浪人期、息抜きにいろいろ読んでいた時に出会って、感動した文章があるので、ぜひ読んでいただきたいと思い、今回のブログはこのような形になりました。

(どうせリンクだけ貼っても読んでくれないだろうというのもあります。)

タイトルは、「鉛をかじる虫」です。読了目安時間は6分です。(←青空文庫はここまで教えてくれる)

文字数的には最近の僕の短めのブログぐらいですので、すぐに読めると思います。

では、どうぞ。「もうちょっと勉強頑張ってみようかな。」という気になるかもしれません。

↑寺田寅彦

鉛をかじる虫

鉛をかじる虫

寺田寅彦

 近頃鉄道大臣官房研究所を見学する機会を得て、始めてこの大きなインスチチュートの内部の様子をかなり詳しく知ることが出来た。名前だけ聞いたところではたいそういかめしいお役所のような気がして、書類の山の中で事務や手続きや規則の研究をしている所かと想像していたのであるが、事実はまるで反対で、それは立派な応用科学研究所であって多数の実験室にはそれぞれ有為な学者が居て色々有益で興味のある研究をしているのであった。
 色々見せてもらったものの中で面白かったものの一つは「鉛をかじる虫」であった。低度の顕微鏡でのぞいてみると、ちょっと穀象こくぞうのような恰好をした鉛のような鼠色の昆虫である。これが地下電線の被覆鉛管をかじって穴を明けるので、そこから湿気が侵入して絶縁が悪くなり送電の故障を起こすのだそうである。実に不都合な虫であるが、怒ってみたところで相手が虫では仕方がない。怒る代りに研究をして防禦法を講じる外はないであろう。
 虫の口から何か特殊な液体でもだして鉛を化学的に侵蝕するのかと思ったが、そうでなくて、やはり本当に「かじる」のだそうである。その証拠にはその虫のふんがやはり「鉛の糞」だという。なるほど顕微鏡下にある糞の標本を見るとやはり立派な鉛色をしているようである。
 これらの説明を聞いた時に不思議に思われたのは、鉛を食って鉛の糞をしたのでは、いわば米を食って米の糞をするようなもので、いったいそれがこの虫のために何の足しになるかということである。米の中から栄養分を摂取して残余の不用なものを「米とは異なる糞」にして排泄するのならば意味は分かるが、この虫の場合は全く諒解に苦しむというより外はない。
『西遊記』の怪物孫悟空が刑罰のために銅や鉄のようなものばかり食わされたというお伽話とぎばなしはあるが、動物が金属を主要な栄養品として摂取するのははなはだ珍しいといわなければなるまい。もっとも、人間にでもきわめて微量な金属が非常に必要なものであるということは、近頃だんだんに分かりかけて来ているようではあるが、しかしそれは食物全体に対して10のマイナス何乗というような微少な量である。この虫のように自分の体重の何倍もある金属を食って、その何十プロセントを排泄するというのは全く不思議というより外はないであろう。
 何のために鉛をかじるかが疑問である。送電線の被覆鉛管の内部にどんなものがはいっているか、そんなことを虫が知っていようとは思われないから、虫の目的はやはり鉛自身にあることは明白である。それなら単なる道楽かというに、虫が道楽をするというのも受取りにくい仮説である。何かしらこの虫の生存に必需な生理的要求のために本能的にかじると考える外はないように思われる。
 こんな疑問を起こしているうちに、妙なことを聯想した。
 われわれが小学校中学校高等学校を経て大学を卒業するまでの永い年月の間に修得したはずの知識は、分量で測ることが出来るとすればずいぶん多量なものであろうと思われる。十七、八年の間かじりつづけ、呑み込みつづけて来た知識のどれだけのプロセントが自分の身の養いになっているかと考えてみても、これはちょっと容易には分かりかねるむつかしい問題である。しかし、ともかくも、学校で教わったことの少なくも何十プロセントは綺麗に忘れてしまっていて、例えば自分等の子供に質問されて即座に明答を与えることが出来ない程度にまで意識の圏外に排泄してしまっているのは事実であるらしい。
 そんなに綺麗に忘れてしまうくらいならば始めから教わらなくても同じではないかという疑問が起こるとすれば、これは自分が今この鉛を食う虫に対して抱いた疑問と少し似た所がある。
「知らない」と「忘れた」とは根本的にちがう。これはいうまでもないことである。しかしそれが全く同じであるとしても、忘れなかった僅少なプロセントがその人にとってはもっとも必要な全部であるかもしれないのである。
 世の中に工率百プロセントの器械は一つもない。注ぎ込んだエネルギーの一部は必ず無駄になって消費される。電燈の場合などでも肝心の光になるエネルギーは消費される電力の割合にわずかな小部分で、あとはみんな不必要な熱となって宇宙に放散する。この、物質界に行われる原理を、鉛を食う虫の場合の生理的現象に応用する訳には行かないし、いわんや人間の精神現象に持ち込むべき所由はもとよりない。それにもかかわらず「無駄を伴わないかすを出さない有益なものは一つもない」という言明は、どうも少なくも一つの作業仮説として試みに使ってみてもいいように思われる。この仮説を許容するか、しないかで結果には非常な差を生じる。この仮説が真ならば、無駄をしないようにするには結局有益なことを一つもしないというより外はなくなる。また有益なことをするためには結局なるべく無駄を沢山にするようにしなければならないということにもなるかもしれない。しかしこの仮説が誤りであって「無駄のない有益なものが可能であり、それが当然である」とすると、無駄は罪悪でないまでも不当然であり不都合である。従って、そういうとがめを受けないためには、結局やはり何もしないで、じっとしているのがいいことになるのである。そうなればすべての活動は停止して冬眠の状態に陥ってしまうであろう。それならばまだまだ安全であるが、排泄物をなくするために食物を全廃すれば餓死するより外はない。
 鉛をかじる虫も、人間が見ると能率ゼロのように見えても実はそうでなくて、虫の方で人間を笑っているかもしれない。人間が山から莫大な石塊を掘りだして、その中から微量な貴金属を採取して、残りのほとんど全質量を放棄しているのを見物して、現在の自分と同じようなことをいっているかもしれない。
 こう考えてみると、道楽息子でもやはり学校へやった方がいいように思われ、分からないむずかしい本でも読んだ方がいいようであり、ろくでもない研究でも、しないよりはした方がいいようにも思われ、またこんな下らない随筆でも書かないよりは書いた方がいいようにも思われてくるのである。

(昭和八年一月『帝国大学新聞』)

 

いかがでしたか?

僕は、この文章を初めて読んだ時以来、半年に1回ぐらいは思い出して読み返しています。

以前、どうして勉強しないといけないの?【スタートダッシュ受験勉強】

というブログをあげましたが、今回の『鉛をかじる虫』も、一つの示唆をくれますよね。

ちなみに、太宰治『正義と微笑』という作品の序盤にも、「どうして勉強するのか」に関するなかなかシビれる文章があるのですが、それはまた今度。

人におすすめされて良い文章に出会うというのもなかなか楽しいですが、自分で発見した良い文章というのも格別です。

ちょっとした隙間時間に青空文庫を漁ってみるのも良いかもしれませんね。

もし、「いいな」と思う文章に出会ったら、僕にぜひ教えてくださいね。

結局、1000字くらい書いてしまいました。

 

さらばじゃ。

 

 

夏だけダケダ

武田塾では、夏を制するために6月より夏だけタケダというキャンペーンがスタートします!

詳しくはコチラ

DBPJU2GUAAAYQru

お申込み期間

6月1日(土)~8月31日(土)

受講期間

6月1日(木)~9月30日(土)

の間の1ヶ月間 (特訓:4回)

 

武田塾生が普段からやっている特訓を上記の期間の中から

1ヶ月間だけ体験することができます。

 

「前から武田塾が気になっていた」

「授業をしないって実際にはどういうこと?」

「参考書を使った学習ってそんなに効果があるの?」

 

という方に気軽に武田塾の雰囲気・勉強法を味わって頂くことができます。 

 

 

 

 

 

 

京都には京都校と京都駅前校があります!是非一度お近くの校舎に足を運んでみてください(^^)

受験に関する相談、入塾に関する相談を無料でさせて頂きます!お申し込みは「無料受験相談」のページから、もしくはお電話(075-255-5777)でも受け付けています。

武田塾京都駅前校についてはこちらから!

 


京都の予備校、塾、個別指導といえば!

大学受験の逆転合格専門塾【武田塾京都校】

 〒604-8146
 京都市中京区一蓮社町300 パームビル2F
 (阪急烏丸駅、京都市営地下鉄四条駅・烏丸御池駅、徒歩4分!)
 TEL:075-255-5777

校舎独自サイトはこちら!

 

武田塾では無料受験相談を実施中!
大学受験のお悩みを個別で伺い、一緒に解決していきます!無料受験相談は1人1人と丁寧にお話しさせていただくための完全予約制です。「一人で相談に行くのが不安…」という人は是非お友達・ご両親と一緒にお越しください!

関連記事

NoImage

どうして勉強しないといけないの? 「どうして勉強しないといけないの?」そう思っている人いませんか? どうも!京都の予備校と言えば武田塾京都校!講師のS.Yです! そろそろ2019年度の受験生も、続々と…

thumbnail

勉強は楽しい!! 「勉強、勉強」って、言いたくないですよね? どうも!京都の予備校と言えば武田塾京都校!講師のS.Yです! 「勉強は楽しいものなんだよ♪」ということで、始まりました! 今回は、毎日受験…

NoImage

勉強は楽しい!! 「勉強、勉強」って、言いたくないですよね? どうも!京都の予備校と言えば武田塾京都校!講師のS.Yです! 「勉強は楽しいものなんだよ♪」ということで、始まりました! 今回は、毎日受験…

ヤル気勉強1

モチベーションってどこから湧くの? 勉強するモチベーションってどこから湧くの?そんな疑問のお持ちの受験生も多いかもしれませんね!! どうも!京都の予備校と言えば武田塾京都校!講師のS.Yです! 受験を…

  • 武田塾オンデマンド
  • 武田塾の無料受験相談