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【大学での学び】機械系学科の学生が学ぶ四力とは?

こんにちは、武田塾蕨校です! 今回は、機械系学科に進んだ場合どのような科目を勉強をするのか紹介しようと思います!学部・学科選びで困っている、大学での学びが想像できずにモチベーションが保てない、といった理系受験生は必見です!

機械系学科とは

機械系の学科といっても、大学によって名称が異なったり、細かな分類が違ったりします。例を挙げると、

  • 機械工学科 (多数大学学部)
  • 航空宇宙工学科 (東京大学工学部、九州大学工学部、日本大学理工学部など)
  • 機械知能・航空工学科 (東北大学工学部)
  • 機械科学・航空宇宙学科 (早稲田大学基幹理工学部)
  • 総合機械工学科 (早稲田大学創造理工学部)

などがあります。機械系といっても様々な学科があると分かったと思います。

四力

 そんな機械系の学科ですが、ほぼすべての学科で勉強することになる科目があります。それは熱力学、材料力学、機械力学、流体力学の4科目です。略して"四力"と言ったりもします。こちらも、科目名は大学や学部学科によって異なることがあります。しかし、その内容はほぼ共通しているといって良いでしょう。次に、これらの科目についてその概要を説明していこうと思います。

熱力学

 最初に熱力学を持ってきたのには理由があります。そう、高校の物理でも熱力学を勉強するからです!ですので、高校生の方でも内容を想像しやすいのではないでしょうか。実際、高校で習ったことの延長と考えて問題ありません。大学入試でもおなじみのピストンとシリンダーの問題なども出てきます。

 では、高校までとは何が異なるのでしょうか?ひとつ例を挙げてみようと思います。「熱力学第二法則」です。「熱力学第一法則」なら高校でも習ったと思います。エネルギー保存則ですね。しかし、第一法則だけでは説明のつかないことがあります。それは、不可逆的な現象です。たとえば、「氷が解ける」という現象を考えます。これは、周囲の熱のエネルギーが氷に移り、水というよりエネルギーの大きい状態に変化した、と説明できます。したがって、エネルギーは保存するため第一法則には矛盾しません。では、その逆を考えてみましょう。「水がそのエネルギーを周囲に放出し、氷になる」という現象です。この現象が起こらないことは感覚的に理解できると思います。この「氷 → 水」のような一方通行の変化を「不可逆変化」と言います。しかしこの現象、第一法則は満たしています。エネルギーが氷から周囲に移っただけでその総和は保存されているからです。高校で習う熱力学だけでは説明ができませんね…。そこで登場するのが「熱力学第二法則」です。「エントロピー」なんて言葉を聞いたこともあるかもしれませんが、それもここで登場します。難しくなってきましたね。続きは大学で勉強しましょう!

機械力学

 機械力学は、高校物理の力学分野の発展した科目といえるでしょう。物体にはたらく力のつり合いはどのようになっているか、物体の位置、速度などはどのように変化するか、といったことを知るための学問です。高校生から見たら一番取っつきやすい科目でもあると思います。

 では、高校で学ぶ力学との違いは何でしょうか?一番の違いは微分方程式を用いることだと思います。例えば、単振動は高校でも、大学でも扱う題材です。しかし、大学で学ぶ際は微分方程式である運動方程式を、数学の知識に基づいて解くことによって物体の動きを読み解きます。微分方程式を解くということは、より一般的な運動方程式の解析も行えるようになるということです。高校までは「等速直線運動」、「等加速度運動」、「円運動」、「単振動」…のように扱える幅がかなり限られていました。ただ、微分方程式を解けると、加速度が変化する運動、ばねに加え抵抗力も働く運動…なども扱えるようになります。勉強したくなってきましたか…?

材料力学

 材料力学は、高校物理の力学では登場しなかった弾性体を扱う学問です(より広い学問として「弾性力学」もあります)。「弾性体とは何ぞや?」となると思うので少し説明します。高校物理で扱う物体は、質点=「質量のみがあり、大きさを考えない物体」と、剛体=「力が加わっても変形しない物体」のみでした。しかし、日常生活の中ではこのような物体がないのはすぐにわかると思います。というのも、スマホでも、ペンでも、世の中の物には大きさがあり、力を加えたら変形するからです。そうなると、当然「どのような力が働いたらどのように変形するのか?」ということを調べる必要が出てきます。それを考えるのが材料力学です。

 実際の授業や演習では、フックの法則から始まり、梁(棒のようなもの)のたわみ、ねじりの解析などを行います。これらでは計算が多く、何度も積分をすることがあり、計算ミスで困った記憶があります(笑)。計算ミスには一生振り回されることになりそうです...。また、同じ問題設定についても様々な解法を学び、問題を解く際に活かすので高校物理に通ずるものを感じます。高校で問題を解くのが好きだった人はもしかしたら材料力学も好きになれるかもしれません。

流体力学

 流体力学は、名前の通り流体を扱う学問です。流体とは、気体、液体のように特定の形をもたないもののことです。これらも高校物理ではほぼ扱いませんね。しいて言うなら、浮力でしょうか。しかし、世の中の機械は流体に深くかかわっています。例えばエンジンには燃料も流れていますし、冷やすための水も流れています。車の周りを流れる空気も、その特性を考えないといけません。大きな規模で言えば、旅客機のジェットエンジン、ロケットエンジンなんかもあります。流体力学は、機械を語る上では欠かせない内容です。

 流体力学は、四力の中でも難しい科目と感じる人が少なくありません。流体の各点での速度、圧力などを求めるのですが、その際に偏微分方程式が多用されるからです。あの項は時間tで微分、この項は位置xで微分、というような式です。でてくる文字も多く、式も複雑なため、注意深く勉強を進めないと大変です。ついでに、流体力学での運動方程式であるナビエ-ストークス方程式は未解決問題で、ミレニアム問題の一つとなっています。気になった方は調べてみて下さい。

 

まとめ

 以上、機械系の学科で学ぶ四力についてまとめてみました。大学での勉強について、少しでも想像しやすくなったでしょうか?これらの勉強を進める上で、高校で学ぶ数学、物理、化学などは確実に必要となります。高校での勉強は受験の為でもありますが、大学以降での学問の基礎となっていることも事実です。そういった意味でも、まずは目の前の勉強を頑張ってください!

 

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