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英文を正しく読めるようになるには? 英文読解の3つのレベルと勉強法

こんにちは、武田塾上田校の柳澤です。大学入試の英語を攻略する上で最も重要なのはもちろん読解ですが、苦手に感じている受験生も多いと思います。そこで、今回は英文を正しく読めるようになるための勉強法について書いていきます。

 

英文読解の3つのレベル

英文が正しく読めないといってもいろいろなレベルがあります。一番多いのは文構造を確定できない場合です(文構造レベル)。知らない単語が出てきたら、その部分も正しく読めていないことになります(単語レベル)。さらに、文章の全体像がつかめなかったり、文構造も単語もわかっているのに何を言っているかわからないこともあります(内容レベル)。この3つのレベルについて、正しく読むにはどのような勉強をすればいいか考えてみましょう。

 

文構造レベル

まずは文構造レベルです。文構造が捉えられない場合、英文の意味を正確に理解することはほぼ不可能なので、文構造の理解はとても重要です。そもそも文構造レベルで英文を理解するとはどういうことかというと、一番の基本は5文型に当てはめて英文を理解することでしょう。例えば、ある英文を見た時、「この英文はSVOの構造で、〇〇〇がSで、〇〇〇がVで、〇〇〇がOだ」というように文の要素を確定できれば、文構造レベルでの基本的な理解力があることになります。さらに、前置詞や従属接続詞の働きを理解した上で、「このinは前置詞で、〇〇〇がinの目的語。この全体が形容詞句で、名詞を修飾している」とか「このwhenは従属接続詞で副詞節を導いている。この副詞節はカンマまで続いていて、主節の述語動詞を修飾している」というような考え方ができるというのも文構造理解の1つの例です。こうした基本を押さえた上で、「倒置」や「省略」や「挿入」など文構造の把握が特に難しくなるパターンを練習していきましょう。

 

このような難しいパターンを集中的に練習できるのが英文解釈の参考書です。大学受験用の英文解釈の参考書で有名なものに「英文解釈の技術」シリーズ、「ポレポレ」、「英文読解の透視図」などがあります。大学受験用の参考書以外では、研究社から出ている「英語リーディング教本」が優れていて、他の参考書ではなかなか得られないような視点が得られます。これらの参考書の解説を読んで「頭で理解する」ことが最初の目標です。しかし、それだけでは英語の力はつきません。理解した内容をイメージしながらひたすら音読するなどして、「感覚を身につける」必要があります。入試では、限られた時間で内容のある文章をたくさん読んで処理していくことが求められます。その時、文構造の把握にいちいち手間取っていては、時間が足りなくなります。それだけでなく、文構造を考えることに頭を使いすぎると、内容にまで頭が回らなくなってしまうのです。受験生のよくある悩みで、「長文を読んでいるうちに、最初の方に書いてあった内容を忘れてしまう」というものがありますが、その原因はおそらく文構造を瞬時に理解する力が不足しているからです。長文の内容を理解し、それを頭の中でキープしながら読み進んでいくためには、考えれば文構造がわかるというレベルではなく、「考えなくても」「一瞬で」文構造がわかるレベルに到達しなければなりません(といっても、特に難しい文の場合は考える必要がありますし、英文和訳の問題であれば当然じっくり文構造を分析した上で解答することになります)。このようなレベルの理解力を獲得するために非常に有効な方法が音読なのです。実際、僕が受験生の時に英語の伸びを一番実感したのは、英文解釈の本を何冊も徹底的に音読していた時でした。

 

単語レベル

次に、単語レベルで英文の理解度を上げるにはどうしたらいいでしょうか。もちろん、知らない単語があまり出てこないように、たくさん単語を覚えておけばいいですよね。入試では普通は辞書の持ち込みができないので、大学受験レベルの単語帳に載っている単語は(できればそれ以上のハイレベルな単語も)とにかく覚えるように努力しましょう。

 

それでも、100%覚えるのは難しいし、単語帳に載っていない単語が長文で出てくることは避けられません。そこで、「英文を正しく読む」という話からズレてしまいますが、知らない単語を上手くやりすごす方法を少しだけお話しします。長文で知らない単語が出てきたとき、その単語が「ポジティブ」な意味なのか「ネガティブ」な意味なのか、それともどちらとも言えない「中立的」な意味なのかだけでも考えてみましょう。例えば、「このphonyっていう単語、正確な意味はわからないけれど、ネガティブな意味で使われているな」と考えながら読む方が、「わからないや」で済ませてしまう場合よりも長文の中に入り込みやすくなります。下線部の内容を問う問題では、おそらく意図的に受験生が知らないであろう単語が含まれることがありますが、「ポジティブ」か「ネガティブ」かだけでもわかれば正解が選べることもあります。知っている単語を増やすだけでなく、知らない単語に出会った時もアクティブに読むことができるようになれば、英文を読むのが「上手く」なるはずです。このような読み方は、辞書を引くことができない入試においては非常に重要なものとなるので、長文をこなしていく中で少しずつ練習していきましょう。

 

内容レベル

最後に、内容レベルで英文の理解度を上げる方法を考えてみましょう。大学入試でやや深い内容理解が問われる設問といえば、要約問題や字数の多い内容説明問題、長文のタイトルとして適切なものを選ぶ問題などがあります。また、これらの問題が出題されない大学を受験する人でも、普段長文を勉強していて内容がよくわからないということがあれば、なんとかする必要があります。そこで、長文全体の内容の理解度を上げ、要約問題などのやっかいな問題に対応する力をつけるための手段の1つとして、パラグラフリーディングを勉強してみるといいかもしれません。パラグラフリーディングは、簡単に説明すると1文ごとの理解ではなくパラグラフ(段落のようなものです)ごとに理解し、さらにパラグラフ同士の関係も考えて最終的には文章全体の理解を目指す読み方と言えると思います。受験生の中には、「1文ごとに正確に読めなくても、内容がわかるようになるかもしれない」とか「全部読まなくても問題を解けるようなテクニックが手に入るかもしれない」と考えてパラグラフリーディングに興味を持つ人がいるでしょう。しかし、それは間違いです。1文ごとにきちんと理解すること、全部読んだ上で解くことは当然の前提です。パラグラフリーディングは、文構造レベルの理解力のある人がさらにスムーズに文章を読み、全体像をより正確に把握するための方法として学んだ時に効果を発揮します。つまり、パラグラフリーディングは英文読解ができる人がさらなる上達を目指すための読み方で、大学受験の段階で身につけられる人は多くないのです。ただし、将来英語の文章を自由自在に読みこなせるようになりたいなら、人生のどこかで(できれば早い段階で)身につけなければならない読み方だと思います。要約問題や本格的な説明問題に対処しなければならない受験生、長くて難しい英語の文章をきちんと消化したい受験生は、1文ごとの理解を大切にした上で、パラグラフリーディングの習得にチャレンジしてみてはどうでしょうか。

 

ここまでパラグラフリーディングについて書いてきましたが、これだけで内容理解に関する問題が全て解決するわけではありません。人生経験や学術的な知識のおかげで解決することもあります。僕は受験生のときに読んで理解できなかった英文の意味が、しばらくたってからプラシーボ効果とそれに関連する知識を得たことでわかるようになったことがあります。エコノミストなどの英文雑誌を読む時も、知識の重要性を痛感します。前提とされる知識レベルが非常に高いのです。特に経済や金融関係の記事はとんでもなく難しいことがあります。知識面を強化したいなら、Z会から出ている「テーマ別英単語ACADEMIC」シリーズを大学入学後にやってみるのもいいでしょう。もちろん、これは単なるスタート地点のようなものです。その後も日本語と英語の両方で様々な文章を読み、知識を蓄え続けるのです。思考力も大事です。知識ではなく、難しい英文に出会った時の考え方に焦点を当てたものとしては、受験レベルを超えますが、研究社から出ている「英語リーディングの真実」「英語リーディングの探求」がわかりやすく書かれています。といっても、これ1冊を読んですぐに読み方を真似できるわけでもありません。考え方を意識しつつ、英文を多読する中で難しい箇所に出会う度に試行錯誤を繰り返すことになるでしょう(僕自身は、最近ようやくこの練習を始めたところです)。このように、内容の理解度を上げるにはいくつか方法があるのですが、知識を増やすにしても思考力を鍛えるにしても、短期間で簡単にというわけにはいきません。こういう勉強は、英語と向き合い続ける限り、おそらく一生続くでしょう。それを楽しめるようになるためにも、大学受験の段階でしっかりとした基礎を作ってほしいと思います。

 

おわりに

「英文を正しく読めるようになるための勉強法」ということでここまで書いてきましたが、いかがだったでしょうか。英文読解の勉強で悩んでいる受験生に、進むべき道をイメージしてもらえるような内容になっていれば嬉しいです。英文がきちんと読めるようになると、役に立つし、何より楽しいです。この記事を読んでくださったみなさんも、受験をしっかり乗り越えて、英文を読むことを楽しめる時がくるよう願っています。がんばってください!

 

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