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現役建築学生に聞く!【建築学科の実態・志望するポイント】

こんにちは。武田塾堺東校です!今回は、堺東校の講師で現在大学院で建築コースに所属する私から、大学の建築学科を志望するにあたって、大学生活といったラフなところから、志望学科として扱うにあたっての心得といった固い話まで、ざっくりと伝えられたらと思います。

 

目次
1.普段大学院で何をしてる?簡単な自己紹介
2.デザインだけじゃない?実は奥が深い、大学で習う「建築」
3.本当にブラックなのか?大学生活について
4.文理融合?実は門戸が広い、志望学科として扱う「建築」
5.まとめ

 

1.普段大学院で何をしてる?簡単な自己紹介

研究室によって過ごし方は全く異なりますが、ここでは私の研究室を例に、自己紹介も踏まえて簡単に大学院での過ごし方を紹介したいと思います。

 

現在は建築や都市計画を専門とする研究室に所属しており、様々な活動を行う学生らが所属していますが、私は皆さんが「建築」と聞いて想像するような図面を描いたりする建築設計ではなく、都市計画系の研究活動をメインに行っています

都市計画とは簡単に言うと、どこにどんな建物を建てるかや、土地をどのように使うか、まちをどのように盛り上げていくか、といった、「建物を建てる前」の計画の事です。

私の研究室は、他と比べても日ごろからたくさんの人が研究室に足を運び、それぞれが目標に向けて努力し互いに高めあえるような、とてもありがたい環境だと思っています。

 

大学院の授業とその課題・研究室で取り組むプロジェクト・学生が自主的に行ういくつかの自主ゼミ・個人的に進めている研究や勉強と結構大忙しの毎日ですが、研究室内では日常的に学生同士の議論が起こりながら、別の場所では急に料理をし始める人がいたり、時々お酒を飲みながら打ち上げをしたり、にぎやかで充実した環境の中で日々周囲の刺激を受けながら毎日を送っています。

 

 

2.デザインだけじゃない?実は奥が深い、大学で習う「建築」

さて、ここからは大学に入って1年生から4年生までどのようなスケジュールで、そして建築についてどんなことを学ぶのかについて紹介します。

 

私の大学には「建築学科」というものは存在せず、1年生の間は全体を広く学び、2年生から3つの専門分野の中から一つを選んで進んでいくのですが、その中の一つに「建築コース」があるという、少し変わったカリキュラムになっています。

ほとんどの大学では1年生から建築の勉強が始まり3年間でじっくり学ぶと思うのですが、うちの場合は2年間ですべてを詰め込まれるので、本当に課題やら授業に大忙しだった記憶があります。

前置きはさておき、ここから具体的にどんな内容を学んでいくかをお伝えします。

 

大学にもよりますが、うちの場合は4年生の前期から研究室に配属されるので、3年生の終わりまでに一級建築士試験の範囲を全て学ぶという方針になっています。「範囲すべて」と聞いてもイメージがしづらいかもしれませんが、大きく分けて「構造」「環境」「計画」「製図」の4分野となります。

以下がそれぞれの分野の具体的な科目内容です。

 

構造  構造力学、鉄筋コンクリート学、鋼構造学、建築振動学、材料学と、かなり盛りだくさんな内容を学ぶ
環境  熱環境、音環境、光環境、空気環境の4分野に加えて建築設備学までを幅広く学ぶ
計画  都市計画、建築史、建築計画各論、居住環境計画、建築法規等、歴史から基本的な建築計画、法律まで幅広く学ぶ

 

これらに加え、「製図」は設計課題という形で取り組むことになります。小規模なギャラリーから始まり、住宅、小学校、美術館、体育館、図書館と、幅広いテーマに取り組んだ記憶があります。計画分野の研究室に進むかどうかは、設計課題に伴う徹夜の日々への耐性があるかどうかで決まると巷では言われているようです。

 

このように、「建築」と言ってもただデザインをしたり図面を描いたりするだけではなく、幅広い知識が必要となります

構造はイメージしやすいかもしれませんが、例えば環境の中の設備分野では、建物の冷暖房設備の仕組みやトイレや洗面などの排水設備の仕組みといったことまで学びます。何を学ぶにしても全て日常生活に根付いたことなので、けっこう勉強は楽しかった記憶があります。

 

3.本当にブラックなのか?大学生活について

ご存知の方もいるかと思いますが、「建築学科」=ブラックな学科だと一般的に言われていることが多いかと思います。

そういった声で建築の志望を迷う人も多いというもの事実です。

そこで、実際に大学の4年間建築コースに通った私の目線から「本当にブラックなのか?」を話したいと思います。

 

結論から言うと、非常につまらない答えですが、「人による」というのに尽きます。

どういうことかというと、建築学科をブラックたらしめている正体は日々の「設計課題」で、そのクオリティさえ気にしなければそんなに徹夜続きの日々を送る必要もなく、他の理系学科と同じような量の講義に出て課題をする生活なので、十分バイトや部活の時間もとることが出来ます

ただ、やはり周りが寝る間も惜しんで自分の作品をつくっていると、こちらも負けじと制作に打ち込み、そうして切磋琢磨している集団を見ると、ヨソからしたら「超絶ブラック学科」に写っているのだと思います。

 

ただ実情はというと、やはり「ものづくり」をする人間として自分の制作物に細かなこだわりがある人が多く時間を費やしているだけなので、本人たちは辛いながらもやりがいを感じ、あくまでも「自主的に」ブラックな生活を送っているので、大学生としてはもはや健全な過ごし方をしてるのでは?(と思いながら、精神を保っています。)

 

4.文理融合?実は門戸が広い、志望学科として扱う「建築」

建築を学ぶためには理系科目を勉強しなければならないイメージが強いかもしれませんし、事実理系学部の中に位置づけている大学がほとんどです。しかし、名称を変えながら文系学部の中に建築を学ぶことのできる学科が隠れていることがあります。また国公立の理系学部なのにもかかわらず意外と科目が絞れる場合もあります。

この話をする場面が講師生活の中で2度訪れ、そのどちらもが現役高校生からの「なんとなく理系を選んだが理系学部の中で学びたいものがなく、文転(理系から文系に変えること)するのも不安だ」という相談でした。

「周りがほとんど理系に進むから」「就職を考えると理系の方がいいと聞いたから」といった理由でなんとなく理系を選ぶ人は結構多いんじゃないかと思っています。それは仕方のないことですが、「理系でやりたいことがない」という状況の中で受験勉強をするのはかなりモチベーションに関わってくるので、できれば解決したいですよね。

そこで、ひとつ「建築を学べる学科」がその解決策になるんじゃないかと思っています。理由はシンプルで、

国公立大学の中でも数Ⅲや、理科(発展)2科目ともが必要でないところが多い

ことです。

数学が苦手、もしくは受験勉強を始める時期が遅くて数Ⅲまでを受験科目にするのが難しい人は結構多いんじゃないかと思っていますし、また、理科(発展)にも同じことが言えます。

それでも科目を絞りつつ国公立を狙いたいならば、文理が融合した学問である「建築」はひとつの打開策になり得ます

以下に当てはまる国公立大学をまとめたので、是非参考にしてみて下さい。

※あくまでも学力試験で受験しようとしている学生向けの記事となっていますので、デッサンが試験に必須の大学・学部に関しては除いています。除いたものは「札幌市立大学 デザイン学部 デザイン学科 人間空間デザインコース」「岡山県立大学 デザイン学部 デザイン工学科」となっているので、条件に当てはまる人は適宜調べてみて下さい。

 

【大学】 【学部・学科】 【備考】
山形大学 工学部 建築・デザイン学科 二次試験で面接が必要
筑波大学 理工学群 社会工学類 都市計画主専攻 二次試験後期のみの募集
  芸術専門学群  
筑波技術大学 産業技術学部 産業情報学科  
前橋工科大学 工学部 総合デザイン工学科  
東京藝術大学 美術学部 建築科 理科(発展)が1科目必要
静岡文化芸術大学 デザイン学部 デザイン学科  
名古屋市立大学 芸術工学部 建築都市デザイン学科 二次試験は実技or小論文が必要
長岡造形大学 造形学部 建築・環境デザイン学科 二次試験は小論文orデッサンor面接が必要
富山大学 芸術文化学部 芸術文化学科 二次試験は小論文orデッサンが必要
京都府立大学 生命環境学部 環境デザイン学科 後期の場合、共通テストで理科(発展)1科目が必要
大阪市立大学 生活科学部 居住環境学科  
兵庫県立大学 環境人間学部 環境人間学科 建築資格課程  
奈良女子大学 生活環境学部 住環境学科  

 

 

5.まとめ

この記事では、大学で習う建築とはどのようなものか、建築学生の生活についてといった基本的な内容から、受験科目としてみたときの魅力といった受験的な話までを幅広く簡単に話しました。

 

①デザインだけではなく、構造・環境・計画・製図と幅広く知識を学ぶ

②ブラックと言われるがそれは人によるし、けっこう進んで自らのこだわりの為に徹夜する人が目立っているだけ

③文理融合の学問のため、数Ⅲ、理科(発展)2科目ともが必要ではなく、国公立理系の中でも科目を絞って狙える大学が比較的多い

 

ざっとこんな内容を話しました。これを機に建築の世界を目指す人が1人でもいれば嬉しい限りです。目指す人はぜひ頑張ってくださいね!

 

 

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