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むしろ鶏口となるも牛後となるなかれ ―これからの時代の大学選び―

みなさんこんにちは。武田塾太田校です。

みなさん、漢文、勉強していますか?国語の中では最も隅に追いやられた地味な存在として受験生には扱われ、受験の追い込み時期になった頃、『漢文だったらワンチャンなんとかなるかも!』という追い込まれた受験生たちの最後の希望としてようやく日の目を見ることになるも、そんな希望を見事に打ち砕く存在として受験界に君臨しています。

鶏口牛後

かの夏目漱石は、当時の日本人の漢字力・国語力の低下を嘆き、『漢文を読まなくなったからである』と喝破したそうです。その当時の日本人の国語力を嘆いていた夏目漱石が、現代人の国語力を見たらきっと卒倒することでしょうね。それにしても、英国に留学経験もあり英文学者であった夏目漱石が、漢文の大切さを説くというのも面白いですね。

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さて、今回は『鶏口牛後』という四字熟語に関するお話です。かつて古代中国、戦国時代の政治家蘇秦は、強国であった秦に対抗するため、諸国の同盟を実現しようとしていました。そしてその諸国のひとつ、韓の王に対して、同盟を勧めた時の文句が「鶏口牛後」なのです。漢文訓読風に読むと「むしろ鶏口となるも牛後となるなかれ」となります。小さなニワトリの口(=小国の指導者)でいたほうが、大きな牛の尻(=大国の下っ端)になるよりいい、という意味になります。

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実はこの故事成語は現代を生きる私達にとっても大変身近なものになりつつあると言えます。

牛後鶏口?

今は既に令和の時代となっていますが、これより前、平成や昭和の時代は、『むしろ牛後となるも鶏口となるなかれ』という時代でした。『大手企業・有名企業に入社さえすれば、あとは人生安泰!』とか、『とにかく公務員にさえなってしまえば、後は何不自由なく生活できる!』といった考え方が持て囃され、そのためには、『何が何でも東大・京大へ』とか『早慶以外は人にあらず』と言った考え方が学生たちの頭を支配していた時代でした。『学部などどこでも良いからとにかく早稲田は全学部受験!』なんてことがごく普通に行われていた時代でした。

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安定と冒険は両立しない

私は田舎の自称進学校を卒業し、予定通りに浪人し、東京の駿台予備学校お茶の水校で勉強するために上京しました。そこで、英語の教鞭をとられていたのは、当時東大文学部で教鞭をとられていた奥井潔先生でした。細身の長身で、痩せこけた頬にギョロッとした目がグリグリと動き回って、僕たち予備校生をいつも目で脅かすような講義をしていました。

奥井先生の講義は今から思い返せば、まさに大学の原書購読のような深みのある授業でした。単に英文を訳すのではなく、そのテキストの行間まで深く掘り下げた素晴らしい授業でした。その奥井先生が授業中に私たちに語りかけた言葉を、今でもよく覚えています。先生はこう言ったのでした

君たちねぇ、公務員、公務員って言うけど、そんな就職と同時に退職金まで計算できてしまうような、決められたレールだけを走らされる人生で面白いのかね?

奥井先生は何気なく仰ったのかもしれませんが、20年以上たった今でもその言葉は私の中に生きています。そしてやはり私はそのような人生を選びませんでした。

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やりがいを求める時代へ

現在は、You Tubeなどで活躍する若手実業家やインフルエンサーを目にする機会も増えました。彼らの経歴にはなかなかに興味深いものがあります。
例えば、有名大手商社に就職も数年で退職して、自身でコンサル業を立ち上げてバリバリ稼いでいる人や、地方公務員として安泰な人生を送っていたにもかかわらず、そこを退職してユーチューバーで月に100万以上稼ぐ様になっている人がいたりします。

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この人達に共通する考えとして、『このまま安泰な場所に留まっていても発展がない。もっと挑戦してみたい。』という自らの熱意を発揮する場所を求めて安住の地を去っている点があります。大きな会社の歯車でいることは、自分の仕事に対するやりがいを感じにくいというデメリットがあります。これはちょうど、工場で何に使われるのかわからない部品を延々と作らされている感覚に似ているかもしれません。

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これに対して、中小企業の場合、確かに知名度や給与の面では大企業には歯が立ちませんが、自分がイニシアティブを取ってプランを立案・実行・監督できるという面白さがあります。そして、自分の実力だけが直接の結果として返ってきます。もちろん収入という形によってです。

大学名で評価される時代はもう終わっています

『早稲田に行けばすべてが変わる!』、とか『東大卒の肩書さえあれば一生就職には困らない』といった考えを今あなたが持っているのであれば、それは大変危険です。大学入試で合格することは、たしかに素晴らしいです。それは、『該当の大学での学習・研究レベルに必要な素質を持っている』と評価されたという点において素晴らしいのです。しかし、世の中では大学入試の時点での学力ばかりが評価されてしまう風潮があります。これは特に日本など東アジアで強く見られる特徴です。

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時代は変わります。もはや大学名で採用してくれるような企業はないでしょう。大学でどのような知識や経験を身に着けたのか、それだけが問われる時代になっています。今の企業には何も知らない新卒学生を自分たちの独自の研修で育て上げていくような資金も時間もありません。ですから、難関大に入ってもそこでの講義や研究についていけない学生は就職で苦労することになります。地元では常に優秀で“神童”と持て囃されていた高校生が、いざ東大法学部に入学すると、成績は常に中の下あたりで自分のアイデンティティを失って登校拒否になる…などという悲しい事例もあります。

個人の価値観を優先しましょう

精神的に安定した場所”というのは、あらゆる面においてプラスの結果をもたらすと考えます。例えば、たとえMARCHに受かったとしても、もし日東駒専に特待生で合格したような場合、まさに『鶏口牛後』の考えでいくべきなのです。特待生合格という時点で、該当の大学からは他の志願者に比べて高い評価を得ていることになります。自らを高く評価してくれているところに進路をすすめるのは当然のことですよね。更には、そこで期待されているか、それ以上の結果を出すことによって、授業料免除だけでなく、留学費用等も提供してくれる場合があります。また、その学部を首席で卒業するのであれば、おそらくは企業側からのスカウトも発生することでしょう。

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これから受験を迎えるみなさんは、この『鶏口牛後』の精神を持って、自分の力を存分に発揮できるような環境へと進んでほしいと願っています。


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