ブログ

京都大学 理学部 数学科に特化した4年間の履修内容や難易度について

 

こんにちは!【日本初!授業をしない武田塾】京都北大路校講師の玉城です。

本日は私が所属する京都大学理学部の特に数理科学系つまりは数学科に特化してお話ししようと思います。中高生の皆さんは、京都大学の学部の1つである数学科が一体何をしているのか全く想像がつかないと思います。それもそのはず、たとえ大学生になったとしても、数学科になるか数学科の友人を持たない限り誰も何にもわからない、数学科とはそんな学科です。数学が得意で興味のある方はぜひ最後まで読んでみてください。

 

数学科の4年間 

数学2

 まずは、軽く京大理学部のカリキュラムに触れようと思います。他大学と違って京大の理学部は入学時にはまだ学科が決まっていません。3年進級時の系登録によって数理科学系に行けた人が晴れて数学科になれます。では1,2年時は何をしているのかというと、簡単に言えば理系の教養学科のようなことをしています。一年生の時は、英語と第二言語の計4つの必修授業を除いて自由に授業を入れることができ、二年時には必修授業が一つもないので、完全に自由に授業を選べます。より進んで学びたい人は自分学年より上の学年向けの授業も受けることができます。ただ、3年への進級条件として文系の授業を2年間で6つ以上取らないといけないので、とりきるまでは完全な自由とはなりません。この2年の間に自分が興味のある分野の授業をとってみて3年次どこの系に進むかを決めます。物理にしか興味がない人は最初から物理関連の授業以外は受けないでいいし、生物と数学が好きならその二つに関連した授業をとってどっちがより自分にあっているか選べます。その分授業数が多くなるので結構忙しくはなります。そして私は数学をする気満々で大学に入ったので、とらないといけない言語と文系の単位以外はすべて数学の単位だけです。私はこの記事を書いている段階では2年生後期なので、まだ正式に数学科というわけではありませんが、先述の取得単位からもわかるように片足を突っ込んでいる状態です。

 

ここから、各学年の生活の話をしようと思います-1年生-

微分積分

 まずは1年生から話します。1年生の数学は主に線形代数学微分積分です。しかしこれらは一般教養科目に当たる授業なので工学部や農学部の人たち(時々文系の人も受けてたりする)も基本的に受けており他の学部、他の系志望の人と学ぶ内容は大差ありません。そして授業自体も恐ろしく難しいというわけではないので、2年生配当の数学の授業をとるひとも結構いますし、僕もそうしていました。基本的に一年次は専門に特化するというよりは広く浅く見ていくという感じでしょうか。課題もすごく難しいということはなかったと思います。多くの人が触れるので、ネットにも情報が充実しています。数学には実験の授業がありませんでしたが、物理系や化学系にいくために実験の授業を取っていた人はレポート作成が結構大変そうではありました。

 

ー2年生についてーここから少しずつ専門化が始まります。

宇宙

 前期の数学の授業はまだ一般教養科目として登録されているのですが、理学部生の人が取る授業として開講されるので難易度高くなります。後期の場合は9割が学部専門の授業になります。ここから、いままでやった微積等の解析系の分野に加えて、代数や幾何の入門の授業が始まります。授業形態としては、3限で講義をして、4限で演習の授業となります。しかし、コロナでオンライン化が進み、演習の課題はネットにアップされて、ネット上で提出するのがほとんどです。講義の授業の成績は期末テスト100%、演習の方は毎週の課題のみで決まり、出席点などはないので授業に出る人もいれば、授業には来ず自分で進める人など様々です。自分に合ったスタイルで学べます。因みにこのあたりから課題が段々と難しくなり始めます。問題によっては6時間考えても分からないなんてこともおきます。後期が終わると、系登録があります。定員オーバーしている系を志望している人は系登録試験を受けないといけない可能性が出てきます。1,2年のその系に関わる授業の成績が良ければ試験は免除され、そうでない人は試験を受けます。ただ、定員オーバーする系は基本数理科学系のみなので、その他の系を志望する場合は必要な授業の単位を取っていれば基本いけると思います。

 

ー3年生についてー
ここからはまだ僕も未経験なので、友人から聞いた話を参考に述べていきます

 3年生では、2年生ではまだ入門段階であった解析幾何代数をさらに踏み込んで学びます。3つ全部学ぶ人もいますが、それぞれ難易度が跳ね上がるので、例えば解析に興味がないから幾何と代数だけをとるという人も出てきます。演習の授業では、前に出て発表しなければならないものも出てくるみたいです。ここらで段々自分に合った分野が分かってくる頃だと思います。また、3年の後期には院進に向けて勉強し始める人も出てきます。

外国

 

ー4年生ー卒業研究科目である数理科学課題研究を中心に学習します。

 これは、4名程度の学生に対して一人の教員がつき、一つのテキストをセミナー形式で読み進めます。教員には数理解析研究所の教授の人もいたりします。セミナー形式で行われるので、発表のための予習および他の学生の発表を理解するための予習・復習を行うことが必須になってきます。また、この他にも解析、幾何、代数のより進んだ授業に加え、保険数理の授業も開講されます。更に、4年次には院試があります。京大の数学の院は非常に人気で、国内外から受験者がやってきます。京大理学部数学科(57名)からそのまま京大の数学の院に進めた人は半分もいないという情報もあるので、難易度はすごく高いです。

 

最後に

 これで学部4年間の話は終わりになります。当然ではありますが、基本的に学年があがるごとに専門的になり、難易度、忙しさ共に倍以上に跳ね上がることになると思います。わからないことも増えてくるので、皆さんが思っている通り、ご飯を食べるときや、友達と遊んでいるときも数学のことを考えているときがあります。意味が分からなくて気が狂いそうになる時もあれば、意味が分かって、その不思議さに気が狂いそうになることもあります。また、上では述べていませんが、自主ゼミといって、学びたい分野が一致している学生同士で集まって一つの専門書を発表しあいながら学んでいる人達もいます。

 

いかがでしたでしょうか?以上が、僕が経験または見聞きした京都大学理学部数学科になります。

 

無料受験相談

 

あなたに合った勉強法を教えます!

無料受験相談に行ってみる