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【音楽】勉強中に音楽を聴くのはアリ?研究者からの解答はコレ!

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勉強中に音楽を聴くと、集中できないんだよね…

 

 

いや!音楽を聴くと集中できる!

 

 

 

…このように

勉強中に音楽を聴くのはアリかナシか論争

ってありますよね。

 

みなさんはどっち派ですか?

今回の記事は、論文(研究者の書く研究レポート)を元に

勉強中の音楽はアリかナシかを探っていきたいと思います!

 

目次

 

【参考文献】

浅羽みなみ 星英仁 安達真由美,2017,「BGMに含まれる言語情報が課題遂行に及ぼす影響」『北海道心理学研究』39巻』https://www.jstage.jst.go.jp/article/hps/39/0/39_P12/_article/-char/ja

合掌顕 水野有友里,2010,「『好ましい』BGMが作業効率に与える影響」『人間・環境学会誌13巻(2010)』https://www.jstage.jst.go.jp/article/mera/13/2/13_KJ00008933883/_pdf/-char/ja

菅千索 後藤順子,2008,「計算および記憶課題に及ぼすBGMの影響について―被験者の『ながら』習慣の違いに関する検討―」『和歌山大学教育学部教育実践総合センター紀要 No.18』https://core.ac.uk/download/pdf/198554489.pdf

 

 

先に結論!

 

論文なんて読んでられるかぁぁああ‼

 

 

 

そうですよね。

 

そんなあなたの為に、

先に結論です!!

 

結論1:

勉強中に音楽を聴く習慣がない人は

音楽を聴きながら勉強するとリラックスできない

 

結論2:

勉強中に音楽を聴く習慣がない人は

音楽があると集中しづらい傾向にある

 

結論3:

ストーリー性のある歌詞が歌われた音楽は

言語的な作業にあまりよくない影響を与える

 

なので、

普段から音楽を聴いて勉強している人は、歌詞の無い音楽や、

ストーリー性の無い歌詞の音楽を聴くとリラックスして勉強できます。

※「リラックス=集中」ではありません。

 

普段から勉強中に音楽を聴いていない人は、音楽を聴かない方が

良いでしょう。

 

結論は以上です!ここから先は興味のある人だけ読んでください!

 

論文の中の実験A

 

菅千索 後藤順子,2008,「計算および記憶課題に及ぼすBGMの影響について―被験者の『ながら』習慣の違いに関する検討―」『和歌山大学教育学部教育実践総合センター紀要 No.18』https://core.ac.uk/download/pdf/198554489.pdf

まずは、↑の論文での実験を紹介します。

 

この論文が行った実験では、

BGMが認知的側面において妨害効果が存在するとしても、情意的側面での何らかの促進効果が期待できるかもしれない(菅 後藤 2008, p60)

ことを確かめます。

分かりやすくすると、

「仮に勉強中のBGMが集中力を低下させるとしても、

気持ちの部分ではプラスに働くかもしれない」

ことを確かめようとしたのです。

 

では、どのような実験をしたのか。

これを実験Aとします。

 

【実験Aの下準備】

はじめに、男子61人、女子97人、計158人の大学生にアンケートをしました。

「音楽を聴きながら勉強する」傾向を調べ

強いグループ、中くらいのグループ、弱いグループ

の3グループに52人ずつ分けました。

 

次に、その3つのグループの中から

「強いグループ(=勉強中に音楽を聴く習慣があるグループ)」

「弱いグループ(=勉強中に音楽を聴く習慣がないグループ)」の2グループから

15人ずつ選んで、実験を始めることにしました。

 

【実験Aの内容】

「強いグループ」と「弱いグループ」のそれぞれに

4桁÷2桁の計算問題54問を解いてもらう。

その際に、各グループで

「音楽を聴きながら計算する」グループ

「音楽を聴かないで計算する」グループに分けて、

正答率や計算中の緊張度を計測する。

実験A

同じような手法で、計算課題ではなく、

記憶課題(読んだ文章の内容をどれだけ覚えているかのテスト)

も行われました。

 

なお、計算中に流す音楽は

ヴィヴァルディの「春」という曲でした。

この曲には、癒し効果があるそうですよ。

 

【実験Aの結果】

 

①計算課題の正答率

図のB・Dグループの方が、多少正答率は良かったのですが、

音楽の有無や、音楽を聴く習慣の有無は関係ありませんでした。

 

②計算課題の誤答数

計算間違いの数も、

音楽の有無や、音楽を聴く習慣の有無は関係ありませんでした。

 

③リラックス度

リラックスして課題ができたかどうかについては、

音楽の有無や、音楽を聴く習慣の有無に関係する

結果が得られました。

 

音楽を聴く習慣があるグループ(AとC)は、

課題に取り組むときに、音楽があるかないかは

リラックス度合いと関係はなかったのですが、

音楽を聴く習慣がないグループ(BとD)は、

課題を取り組むときに、音楽があるかどうかで

リラックス度合いが変わりました。

 

つまり、

音楽を聴く習慣がないグループのうち、

音楽を流しながら課題が行われたグループ(B)では

「いらいら度」が上昇したということです。

 

ここから、結論1が導かれました。

それは、

勉強中に音楽を聴く習慣がない人は

音楽を聴きながら勉強するとリラックスできない

ということです。

 

④集中力

課題を取り組む際の集中度合いについても、

音楽の有無や、音楽を聴く習慣の有無に関係する

結果が得られました。

 

音楽を聴く習慣があるグループも、ないグループも、

音楽を流しながら課題を行うと、

気が散りやすくなることが分かりました。

また、音楽を聴く習慣がないグループでは、

やや気が散りやすい傾向にあると言えます。

 

ここから、結論2が導けます。

勉強中に音楽を聴く習慣がない人は

音楽があると集中しづらい傾向にある

音楽を聴く習慣があるグループも、気が散りやすくはなりましたが、

音楽を聴く習慣がないグループと比べて、

音の刺激に耐性があることを考えると、

こうした結論が導けるのではないかと思います。

 

論文の中の実験BとC

 

浅羽みなみ 星英仁 安達真由美,2017,「BGMに含まれる言語情報が課題遂行に及ぼす影響」『北海道心理学研究』39巻』https://www.jstage.jst.go.jp/article/hps/39/0/39_P12/_article/-char/ja

合掌顕 水野有友里,2010,「『好ましい』BGMが作業効率に与える影響」『人間・環境学会誌13巻(2010)』https://www.jstage.jst.go.jp/article/mera/13/2/13_KJ00008933883/_pdf/-char/ja

次に、↑の2つの論文の実験を紹介します。

 

先ほどの実験は、被験者に

ヴィヴァルディの「春」を流して課題をしてもらいました。

 

しかし、実際に受験勉強中にこの曲を聴く人は少ないでしょう。

…では、自分の好きな曲だったらどうか?

 

このことを確かめようとした実験を

実験Bと呼ぶことにします。

 

【実験Bの内容】

実験Aと同じように、被験者には

計算課題と記憶課題に取り組んでもらいます。

 

まずは被験者を

「音楽を聴く習慣があるグループ」

「音楽を聴く習慣がないグループ」に分けました。

 

この2グループを、さらに3つの条件で振り分けます。

・自分の好きな音楽で課題をする

・リラックス音楽で課題をする

・音楽無しで課題をする

実験B

 

なお、今回使われた「リラックス音楽」とは、

バッハの「ブランデンブルク協奏曲 第一番」でした。

これは、実験Aのように

リラックス効果のある音楽を聴いたときと

好みの音楽を聴いたときの影響の違いを見るためです。

 

【実験Bの結果】

①課題の正答率

計算・記憶課題ともに、正答率は

音楽を聴く習慣の有無によらず、

好みの音楽を聴いて課題をしたグループ(E・F)の

誤答数が多かったようです。

 

②リラックス度

記憶課題において、

音楽を聴く習慣のあるグループのうち

好みの音楽を聴いて課題をしたグループ(E)では

落ち着く傾向が見られました。

また、音楽を聴く習慣のないグループでは、

リラックス音楽を聴いて課題をしたグループ(H)や

音楽無しで課題をしたグループ(J)で

落ち着く傾向が見られました。

 

満足度の指標では、

音楽を聴く習慣のあるグループでは

好みの音楽よりも、リラックス音楽の方が

満足度が高いという結果がでました。

つまり、グループEよりもグループGの方が

満足度が高かったということです。

 

 

以上より、結論1と結論2の根拠が補強されました。

結論1:

勉強中に音楽を聴く習慣がない人は

音楽を聴きながら勉強するとリラックスできない

結論2:

勉強中に音楽を聴く習慣がない人は

音楽があると集中しづらい傾向にある

 

また、音楽を聴いていると、

音楽を聴く習慣の有無によらず、誤答数が増えていることから

音楽を聴くことで、集中力は低下しやすいと言えます。

次の実験Cで、さらにこの辺りを深堀りしましょう。

 

 今度は、もう少し音楽の性質に注目します。

次の実験を実験Cとします。

 

【実験Cの内容】

被験者45人に、

実験Aのような計算課題、記憶課題に加え

新たに文法課題を追加して、取り組んでもらいます。

 

今回の実験で用いる音楽は3パターンあります。

1つ目は、歌詞があり、ストーリー性のある音楽です。

実験Cでは、いきものがかりの「今走り出せば」を

用いました。

 

2つ目は、歌詞があり、ストーリー性のない音楽です。

いきものがかりの「じょいふる」を用いました。

3つ目は、管弦四重奏の音楽です。

実験Aと同様、ヴィヴァルディの「春」でした。

 

以上の3つのパターンを音楽を流しながら

課題に取り組む、3つのグループを作り、

さらに、音楽無しで課題に取り組むグループを追加して

計4グループで、実験をしました。

 

 【実験Cの結果】

実験Cでは、文法課題において

特徴的な結果が出ました。

 

文法課題の解答率、正答率ともに

歌詞のある音楽を聴いたグループが、

管弦四重奏音楽または音楽無しのグループと

比べて低くなる傾向にありました。

 

また、解答率、正答率の低いグループの中でも

歌詞にストーリー性のあるグループが

より顕著に低いことが分かりました。

 

実験Bでは、音楽の有無が集中力に

関わってくることを示しました。

実験Cでは、文法課題において、

ストーリー性を持った歌詞のある音楽を聴くと

点数が下がることを確認しました。

以上のことより、結論3が導けます。

ストーリー性のある歌詞が歌われた音楽は

言語的な作業にあまりよくない影響を与える

 

 

 改めて結論

 

3つの実験から、3つの結論を導きました。

くどいようですが、もう一度確認しておきましょう。

結論1:

勉強中に音楽を聴く習慣がない人は

音楽を聴きながら勉強するとリラックスできない

 

結論2:

勉強中に音楽を聴く習慣がない人は

音楽があると集中しづらい傾向にある

 

結論3:

ストーリー性のある歌詞が歌われた音楽は

言語的な作業にあまりよくない影響を与える

 

 

普段から音楽を聴いて勉強している人は、

音楽を聴かずに勉強している人と比べると、

音楽を聴いていることによる影響は少ないようです。

 

数学などの勉強では、

音楽を聴くと集中力が下がる傾向にありますが、

勉強中の音楽が習慣になっている人は、

ある程度の耐性がついていると考えられます。

 

しかし、

英語や現代文など、

言語的な勉強をしている中での音楽

特にJ-POPをはじめとする「歌詞のある音楽」を

聴きながらの勉強は、

あまりオススメできないようです。

 

以上、とても長い記事になってしまいましたが、

音楽を聴きながら勉強して良いかどうかの

一応の結論は出せたと思います!

 

ぜひ、勉強の時の参考にしてください!

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