受験相談の声

志望校ってどうやって選べばいいの?【現役校舎長が解説】

志望校ってどうやって選べばいいの?

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こんにちは! 武田塾豊洲校です。

受験生によくあるお悩みとして、「どの大学を目指したらいいかわからない!」という課題があります。

いまや学部学科は様々あり、大学自体も調べてみると思いのほかたくさんあります。高校まではほとんどの方が難易度と通いやすさで選ぶと思われますが、大学は「専門を選ぶ」という側面があるので、これがなかなか悩ましいところです。

そこで今回は、普段から進路相談を受けている立場として、志望校選びの基準を本気で解説していきます。

 

本稿では、以下の内容でお話していきます。

・大学に行く目的を考える

・資格取得:専門的な職業を目指したい!

・就職、学歴:将来、良い企業に入りたい!

・学業、研究:この学問を究めたい!

・青春:キャンパスライフを謳歌したい!

・起業、特殊な活動:将来会社を興したい! 海外で支援活動をしたい!

・まとめ

 

大学に行く目的を考える

大学や学部学科選びの基準は、当然ながら目的によります。目的といっても必ずしも殊勝なものである必要はありません。「周りが進学するから」「まだ就職したくない!」というのが、実際のところ大半の大学受験の動機ではないでしょうか。

ただし、それだけでは出願校が決められなくなってしまいます。「心の底からの理由」は大学に入ってから自分探しの旅に出て見つけましょう。受験で選ぶときには、「根源的な動機」としての目的意識ではなく、「方針」程度で構いません。身もふたもないことを言いますが、進学先は合格した大学の中から選べません。最終決定は合格してから考えればいいので、「進学先」の候補を作るために、「出願先」の方針を定める必要があります

大きな方針としては、目次で挙げた以下の5パターンに当てはまるでしょう。

以下、各目的ごとに選び方を解説していきます。

 

資格取得:専門的な職業を目指したい!

就く仕事の中には、特定の資格を必要とするものがあります。大学の学部と直結するものとしては、「医師」「薬剤師」「法曹」「建築士」などです。厳密には法曹(弁護士、裁判官、検察官)や建築士は大学で学ぶことがが必須ではないのですが、関連学部以外からその道に進むことは非常に稀です。

そのため、これらの職業を目指すのであれば、その国家試験の受験資格として、特定の学部学科に進学する必要があります

ただし、ただ学部学科が一致すれば良いというわけではありません。司法試験などは非常に難易度が高いので、受験者の大半は早慶や難関国公立と言われています。MARCHでは中央大学の法学部だけは名門といわれるため、早慶に届かなかったが司法試験を目指す人は一定数いるようですが、法政や青山学院では司法試験を受ける人はほとんどいないようです。

こうした事情から、特定の就職を目的にしている方は、そのための準備になる学科と、卒業生の就職実績を基準に選んでいきましょう。

 

就職、学歴:将来、良い企業に入りたい!

就職に強い学部学科はありません。キャリア志向で大学を選ぶときは、「学歴」が最優先ですが、同時に「自分が本当に興味のある学問領域」との両立を目指してください。

就職を考えれば、「成成明國の経済学部」よりも「立教の社会福祉学科」のほうが有利です。就職を前提にするなら、多少遠かったり興味が薄くても、優先順位は「学歴」になります。

法、経済、経営を選ぶ方がよく理由として挙げるのは、「就職に強い」。なぜか都市伝説のように広く浸透していますが、実際のところ学部学科で選考されることはまずありません。そこまで言い切れる理由は、「学士レベルの専門性では、業務に応用できないから」です。仕事をする上では、その業界や現場での知識経験のほうが圧倒的に重要です。そのため、学部で身に付けた「知識」そのものは、企業側は期待していないのです。

むしろ、就職を前提とするとき、学歴の次は「方法論」が身に付いているかどうかです。業務で必要な知識や経験を積んでいけるかどうか、3年後5年後に会社で活躍してくれそうかどうか、これが重要になります。そうした視点で選考をするとき、人事が見ているのは「何をしたか」ではなく、「どう取り組んだか」の経験。そのためには、型どおりに憶えた知識をひけらかすことよりも、自分が熱意を持って取り組んだ経験を語れる必要があります。企業が「多様性」と呼ぶのは、既存の社員にはない視点を持っている人を指しています。「とりあえず法とか経済」という型に嵌った思考は、実は人気の企業は求めていないのです。

ちなみに、例外として、公務員志望の方は、法や経済を選ぶと少し有利です。理由は、学部学科で勉強した内容が、公務員試験と被る部分があるからです。ただし、必須ではなく、「少し有利」という程度でしかありません。

また、最初に「自分が本当に興味のある学問領域」と書きましたが、「自分が興味のない学科を選ぶ」という、逆説的に考える方も稀にいます。「他の学問は自分で本を読めばいいが、この学問だけは自分ではやらないから」という意図です。こういう思考も十分に有り得る戦略ですが、「興味ないものを頑張る」のは一種の修行めいているので、個人的にはお勧めはしません。

 

学業、研究:この学問を究めたい!

自分の興味関心と、大学学部学科の整備やカリキュラムが一致している場合は、そこを目指していきましょう。

ただし、注意点として、「やりたいこと」と「学部学科」が意外とずれていることがあります。

例えば、「心について知りたい」から心理学を選ぶ、という方は少なくありません。しかし、どの学問領域でも、「心」という非常に抽象的なものは扱われません。「動物に心はあるか?」と問いを立てても、立証する手立てがないからです。現代心理学のベースは「統計」であり、「こうした条件下でどれくらいの割合で、どういった反応をするか」を調べる学問です。ある心理学科の教授は、「心理学は心の学問ではなく、行動生理学と言ったほうが正しい」と話していました。

どちらかといえば、上記のような興味関心は、どちらかといえば哲学の分野に近くなります。哲学でも「心とは」という抽象的なテーマは扱いませんが、「コウモリであるとはどのようなことか」(トマス・ネーゲル)のように我々の認識の有りようを探る試みが可能な学問でもあります。

これは心理学に限った話ではありません。そもそも大学は「教えてくれるところ」ではなく、「学ぶための環境を与えてくれるところ」です。そのため、実際にはその学部学科でないと学べないことはほとんどない、とも言えます。

 

青春:キャンパスライフを謳歌したい!

これは人によって基準が異なりますが、代表的なポイントはいくつかあります。

・立地

最寄り駅の人気でいえば、立教(池袋キャンパス)、青山学院・國學院(渋谷キャンパス)あたりがダントツでしょうか。遊べる場所へのアクセスでいえば、MARCH以上では中央以外のメインキャンパスは好立地と言えます。中央も理工学部は後楽園にあるので、理系限定では悪くありません。

ちなみに、スポーツも全力で取り組みたい方は、下調べは必要ですが、あえて郊外のキャンパスを選ぶ手もあります。中央大学(八王子キャンパス)、法政大学(多摩キャンパス)、早稲田大学(所沢キャンパス)は、敷地内や近い場所にスポーツ用の施設があるので、授業後に長時間の移動なく練習に取り組めます。ただし、大学のスポーツは部活動(リーグに出るような選手)が優先されるので、サークルで考えている場合はどの程度利用できるかは事前に調べておきましょう。

・大学の雰囲気

雰囲気重視の場合は、人気が高いのはミッション系です。上智、立教、青山学院、明治学院は、ブランドはもちろんですが、キャンパス重視で選ぶ方も少なくありません。特に明治学院はオープンキャンパスがきっかけで「ここに行きたい!」と思う生徒が多いようです。また、ミッション系ではありませんが、東洋大学もオープンキャンパスで「雰囲気が良かった」という感想をよく聞きます。

・文理

理系の学部は文系に比べて忙しい傾向があります。そのため、高校までは理系でも、「研究室で寝泊まりするような大学生活は嫌!」という人が、文転する例はあります。

 

 

起業、特殊な活動:将来会社を興したい! 海外で支援活動をしたい!

将来のやりたいことが明確で、そのための下準備として大学を目指している方は、とりあえず早慶以上に入学しましょう。一般的なキャリアではない仕方で成功しようと思うなら、「普通に成功する」以上の努力が必要になります。そのために、大学受験で難関校に入るくらいのことはできて当たり前、という水準で行きましょう。

こうした目標の中間点として大学を目指す場合、学歴以上にもっと様々な視点を持つ必要があります。一般論としてまとめられないことも多いので、こうした夢・野望をお持ちの方は、ぜひ個別にご相談ください。(夢が大きいほど、どうしても道のりを具体化すると耳に痛い話も入るかもしれません)

 

まとめ

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いかがでしたでしょうか。

大学や学部学科選びには様々な視点があります。「学歴が高いければ高いほどよい」という一般論も間違いではありませんが、「おしゃれな大学に行きたい!」というモチベーションが不正解というわけではありません

「モテそうだから!」でも、「この専門を勉強したい」でも、努力するきっかけになれば何でもよいとも言えます。

もうちょっと詳しく聞きたい、自分の希望に合った大学の候補をもっと知りたい、などのご相談も承っておりますので、受験生はもちろん非受験学年や小中学生の方も、志望校でお困りの場合はぜひお気軽に武田塾にご相談ください。

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