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東大の社会、どれが良い? 世界史・日本史・地理の特徴を紹介!

こんにちは、武田塾巣鴨です!

今回は、東京大学を受験する場合の社会の選択についてお話していきたいと思います。

東大、京大、一橋……これらの文系の難関国立大学の入試にはそれぞれ難しさがありますが、東大の難しさはなんと言っても「二次試験で社会が二科目必要」というところだと思います。ただでさえやることが多い中、地歴の二次対策を二科目しっかりやるのは本当に大変です。

今回は、東大を受けたいけど地歴の二つ目をどうするか悩んでいる人のために、それぞれの科目の特徴と、組み合わせのパターンを紹介していきたいと思います。

 

東大の社会、どれが良い? 世界史・日本史・地理の特徴を紹介!

東大の社会600

 

世界史

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高校のカリキュラム上、世界史が必修になっていることもあり、圧倒的に選択する人が多い科目です。大問1が大論述、大問2が中小論述、大問3が一問一答中心の問題という構成になっています。

大問1の大論述(600字程度)が有名で、苦戦する人が多いですが、「そんなところを掘り下げるの?」というような出題の仕方はしてこないので、ここに関しては、歴史の大枠をしっかり入れて全体の構成を考えながら答案をまとめる練習をしておけば、それほど大きな失敗はしない印象です。

 

得点開示の結果を見てみても、世界史は思ったより点数がとれていたという人が多いです。限られた時間の中で600字の論述を完璧に仕上げるのは東大受験生であっても難しく、予備校が解答例にするような「カッコいい」答案は、みんな書けていないというのが実態ではないでしょうか。

入試である以上、その中で相対評価で優劣をつけなければならないため、語群を上手く使いながらそれなりに書けている答案には高得点がつけられるはずです。

 

これに対して大問2は、書くべき内容がはっきりとしているため、知らないと手がつけようがないタイプの問題がしばしば出題されます。なんとなく知っているようで、意外と書けない問題が多い印象です。大問1のようなごまかしが利かない分、ここで全く書けない問題が出たときの絶望感は大きいです。

大問3の知識系の問題は基本的な出題が多いので、失点は避けたいところです。

 

大論述のインパクトがすごいので敬遠してしまう人も多いですが、地道に対策をして及第点をとるという観点で考えると、手堅い科目であると言えると思います。また、日本史と違って知識問題もあるため、私大の対策と両立しやすいのも良いところです◎

よほどこだわりがない限り、世界史は選択するのが無難でしょう。

 

日本史

日本史

提示された史料や文章を元に論述を行っていく独特な形式の問題です。

東大の日本史は、ただの「日本史」ではなく、「東大の日本史」という科目であるといっても過言ではありません。MARCHや早慶といった私大の問題とは求められるものが全く異なるので、東大を受ける場合は、早い段階から二次の論述まで見据えて勉強を行っていく必要があります。

 

とはいえ、難関私大の日本史と比べて難しいかというと、必ずしもそうではありません。
難関私大では、一問一答的な細かい問題が出題されますが、東大では、歴史的事象の意義や因果関係を問う問題が多く出題されます。

単に「AはBである」というのを羅列的に覚えるだけではなく、「それはなぜなのか」「その結果どうなったのか」というのを、徹底的に意識して勉強を進めなければなりません。また試験時間中に初見の史料を読み解き、論理的に筋の通った答案を書きあげる力も必要になってきます。

しかし一方で、採点自体はそこまで厳しくなく、要素採点(「これが書かれていれば〇点」という採点の仕方)ではないため、論理的な記述ができていればそれなりに評価されるという説もあります(大学の定期テストもそんな感じです)。

 

実際東大生に入試の得点開示の結果を聞いてみても、60点満点中50点台という人は結構いました(中には50点台後半も!)。細かく減点していく方式だとなかなかこういった点数は出ないはずなので、予備校の模試とは根本的に違う採点が行われているのだと思います(一方で世界史は30点台後半から40点台前半に固まっている印象です)。

そう考えると、人によってはコストパフォーマンスが良い科目にはなってくるのですが、私大の日本史と違って「やればやるほどどんどん点数が伸びていく」という感じではないので、そこは注意と覚悟が必要です。また、私大の対策と両立しづらいのも悩ましいところですね。

 

地理

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高校では履修する人が少ない科目ですが、二次で社会が二科目必須の東大受験においてはメジャーな科目です。

中学までの地理は、あまり体系立っていないというか、世界に関する雑多な知識を入れていく科目というようなイメージがあるかもしれませんが、高校の地理では、単に「この地域はこういう特徴がある」ということを学ぶだけではなく、「系統地理」といって、「なぜそのような特徴があるのか」ということを科学的に分析する手法について学びます。

 

東大の入試について言えば、聞かれたことに対して地理学的見地から説明を行う問題がほとんどであり、教科書レベルを逸脱した知識が必要な問題はまずありません。

またそこで必要とされる着眼点自体は比較的ベタなもので、過去問でも同じようなことが繰り返し聞かれているため、対策も決して難しくありません。

字数がシビアで問題が多いため、ポイントをおさえた上で手早く簡潔に記述する練習は必要になってきますが、総じて取り組みやすい科目であると言えるでしょう。

 

注意すべき点としては、地誌的な細かい知識(都市名やなど)が直接問われることはあまり無いのですが、地誌的な知識がしっかりバックグラウンドに無いと解きにくい問題はそれなりにあるということです。普段の学習からそのあたりを軽んじないことが点数を伸ばすコツと言えるでしょう。

 

二科目の組み合わせについて

世界史・地理

もっとも無難な組み合わせであると言えると思います。

どちらの科目も、世界のことについて知っておく必要があるという意味では、かぶっている部分も多い(どちらかというと前提知識レベルの話ですが)ので、そういった意味でもおすすめです。

ただし、地理は、日本史・世界史と比べると独学のハードルが高い科目ではあるので、授業で地理をとったことがなく、周りに地理が得意な人(色々聞ける人)がいない場合は、「日本史より楽そうだから地理」という選び方で地理を選択するのはちょっとリスキーかもしれません。

興味があるかどうかで伸びが大きく変わってくる科目でもあるので、一度地理の参考書を読んでみて、面白そうだと思えるかどうかを確認してみても良いのではないでしょうか。

 

また、入試の配点のことを考えるとやや細かい話ではあるのですが、「世界史・地理」という組み合わせは公民との相性が地味に良いので、そこもおすすめできるポイントです。

「倫理」の思想史は、いわずもがな世界史の知識で解ける部分が多く、「政治・経済」で苦手とする人が多い国際政治・国際経済の分野は、世界史と地理でほぼカバーできてしまうので、改めて勉強する必要がほとんどありません。

 

日本史・世界史

勉強時間のことを考えるとかなり重い組み合わせです。

先程述べたように、日本史に関しては、東大と私大では要求される知識の種類が違うので、日本史・世界史で受験する場合、戦略的には世界史を私大で使う方が合理的であるように思います(もちろん日本史の方が好きだから日本史を使うという人も多く、苦にならなければ全く問題ないのですが)。

実際このパターンで二次を受験する人は、「日本史は二次の論述だけ」と割り切ってセンターは世界史を使うというパターンが多いです。

 

個人的には歴史二科目というのは想像するだけでイヤになりますが……センター9割程度の知識があれば、あとは思考力でなんとかなるタイプの問題であるという点が、日本史・世界史両選択という受験の仕方を可能にしているように思います。

また、どちらも歴史科目ということもあり、勉強の進め方や頭の使い方が似ているので、ちょっと毛色の違う科目である地理を選ぶよりもやりやすいというのはあるかもしれません。

 

メリットとしては、特に近代以降に関しては学習内容的にかぶっている部分もあるので、それが有利に働くこともあります。たとえば2020年度の世界史の大論述では、15世紀頃から19世紀末にかけての東アジアの国際関係の変化について問われましたが、こういった問題は日本史選択者の方が記述に厚みを出しやすいように思います。

 

日本史・地理

高校で世界史が必修になっていることもあり、世界史を外すこのパターンはマイナーな組み合わせです。

ただ勉強に必要な時間で言うとおそらく世界史が一番重く、東大の日本史はトリビアルな知識は聞いてこないので、暗記で手堅く点数をとるというよりも、思考力や答案作成能力で勝負したい人にとってはおすすめできる組み合わせです。世界史をやらなくて済むというメリットは正直大きいです。

 

しかし、いずれの科目も私大の問題形式との相性が悪く(地理に関してはそもそも受験できる学部が少ない)、別途私大対策が必要になってくるので、「東大対策をしながら自然に難関私大までカバーしたい」という場合は世界史を選ぶことをおすすめします。

ただ、数学が得意で、私大は数学受験するというパターンであれば日本史・地理はかなりアリです。東大を受験する以上、数学は一定レベルまで絶対に仕上げなければならないので、数学ができるという強みを私大受験でも生かしていきましょう(志望学部が数学受験できるかどうかという点は注意)。

 

京大・一橋との比較

まず京大に関してですが、社会に関してはどの科目も東大よりはとっつきやすい形式になっていると思います。京大というと、自由な校風で、入試問題も突飛な問題を出すというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、少なくとも社会についてはそんなことはありません。

一問一答系の問題も多いため、東大の問題を見たあとに見ると、安心感があるのではないでしょうか。日本史は傾向がかなり異なっていますが、世界史・地理に関してはおおむね同じラインで対策できるので、東大→京大への切り替えはスムーズにいくように思います。

 

一方で一橋の社会はどれも難しく、東大よりも高得点をとるのは難しそうです。世界史も、切り口が独特なテーマがしばしば出題されます。また地理に関しては、東大・京大と違って明らかに高校レベルを超えた経済地理的な問題、さらには時事性の高い問題も出題されるので、注意が必要です。

一橋の地理対策は独学ではかなり厳しいと思うので、「歴史より楽そうだから」という消極的な地理選択はあまりおすすめはできません。ただし地理選択で合格する人も普通にいるので、絶対的に不利というわけではないと思います。

勉強時間で考えると、世界史や日本史より少なくて済むことは間違いないので、興味を持って勉強できるのであれば地理選択も悪くはないでしょう。

 

おわりに

東大を受ける場合の地歴の選択について、それぞれの特徴を紹介してきました。

選ぶ基準は人それぞれですが、どの科目を選ぶにしても、ただ漠然と勉強を進めるのではなく、早い段階で入試問題を見て、「最終的にここに到達するためにはどう勉強すれば良いのか」を意識することが東大の社会の攻略のポイントだと思います。

最初は教科書や参考書で調べながらで良いので、学校で習った分野の過去問を解いて、答案を一度自分なりに書いてみましょう。そして書いたものを、学校の先生に見てもらいましょう。そうすることで、普段の勉強の中で、細かいことに気付けるようになるはずです。

 

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