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「政治・経済」選択はあり? メリット・デメリットと攻略法を紹介!

こんにちは、武田塾巣鴨校です!

今回は、受験相談でも聞かれることが多い、文系の社会の科目選択についてのお話です。

 

学校で歴史(世界史・日本史)の授業をずっと受けてきたけど、昔やった内容は忘れてるし、自信がない……そんな人が魅力的に感じやすいのが、『政治・経済』という科目です。

しかし、歴史に比べると受験できる大学・学部が少なく、情報量も少ないですよね。今回はそんな『政治・経済』の特徴についてお話していきたいと思います。

 

 

暗記ではなく理解

たとえば世界史では、「〇〇をしたのは誰か」というような、一問一答的な知識で対応できる問題が、試験のレベルにかかわらず多い傾向にあります。

しかし政治経済では、「〇〇法は、~について規定した法律である」といったように、用語の中身がちゃんとわかっているかを問う問題が多く出題されます。

 

もちろん世界史でもこのような形式の正誤問題は出題されますが、世界史の正誤問題は、人の名前や事象の名前の間違いが指摘しやすい(「〇〇朝ではなく××朝」といったように)のに対して、政治経済の選択肢は、細かい内容について聞いてくることが多く、ある程度勉強した段階で問題を解いてみると意外と解けないということがよくあります。

用語を知っているのは当たり前で、その先の「理解」が問われる科目であると言えるでしょう。

 

出題範囲の偏りがある

これは受ける大学にもよりますが、日本史や世界史が、テーマ史という形で特定の時代や地域に偏らない問題を出題できるのと違って、政治・経済の場合は、分野横断的に出題することが難しいせいか、実際の入試問題で出題分野に偏りがあることが多いです。

センター試験・共通テストはそのあたりが非常に巧妙に(バランスよく)作られているのですが、私大の入試だとたとえば、中小企業や消費者問題、55年体制以降の政治史といった、教科書のページ数的には少ない分野が大問丸々ひとつ分出題されるようなことが頻繁に起こります(世界史で言うと「東南アジアだけで大問1つ」みたいな感じだと思ってください)。

そのため頻出分野をおさえられていても、当日苦手な単元が出てアウトという「事故」が起こりやすいです。

 

また、語句の穴埋めの問題では、世界史・日本史であれば、たとえば東進の『一問一答 完全版』を全部覚えれば、ほぼ全ての用語をカバーできますが、政治・経済に関しては、東進の一問一答に載っていない用語もそれなりの割合で出題されます。

 

共通テスト利用はやや不利

初年度の共通テストの平均点を見ると、世界史B63.49日本史B64.26であるのに対し、政治・経済57.03となっています。受験者の層が違うので平均点の高さだけで判断することはできませんが、問題を見比べてみても、政治・経済は歴史よりも高得点を取りづらいということは間違いないと思います。

個別日程の入試であれば、科目間の点数の差は大学側で調整されますが、共通テスト利用の場合、得点調整が行われることはほとんどありません。よって、英語・国語・選択科目の3科目で勝負する場合、たとえば日本史・世界史選択者が90点台をとる中で、政治・経済が8割程度しかとれないとなると、そこで大きな差をつけられることになってしまいます。

もちろん、対策にかかる時間が少なくて済むというメリットとのトレードオフにはなりますが、「共通テスト利用の高得点勝負では若干不利」という部分はある程度受け入れる必要があると言えるでしょう。

 

以上のように、総じて「完璧な対策」が難しいのが政治・経済の特徴ですが、もちろん選択するメリットもあります。

 

世界史・日本史より一周の勉強を早く終えられる

一番のメリットはこれではないでしょうか。歴史科目はどうしても勉強するのに時間がかかってしまいますが、政治・経済は、一通り全ての範囲の勉強を終えるのにかかる時間はそこまで多くありません。

もちろん高得点をとるためには、そこからさらにアウトプットとインプットを繰り返していく必要がありますが、「通史が終わらない!」というプレッシャーが無いという意味では気分的に楽かもしれません。

 

他の科目に時間をかけられる

また、世界史・日本史選択者と比べて英語や国語にかけられる時間が増えるのも間違いないです。ただし、世界史・日本史は得意科目にしてしまえばかなり安定感があるのに対して、政治・経済は教科書に載っていないような事柄について聞かれることが多く、武器にするにしてはやや心もとない部分があるので、過信は禁物です。

むしろ英語・国語で歴史選択者に差をつけるぐらいの気持ちで選択するのが良いでしょう。

 

攻略のコツ

教科書の薄さに対して、問題のバリエーションが多い政治経済という科目。攻略するコツは、早めに問題演習に移ることです。

正誤問題を解いてみると、自分が「わかったつもり」になっていることでも、意外と理解できていないことがわかります。また、そもそもインプットの段階で、「そんなところまで覚えようと思わなかった」というような事柄が聞かれることもあるでしょう。そこでフィードバックを行い、改めて講義系の参考書を細かく読み直すことで、どんどん理解が深まっていきます。

 

また、各種統計や、法律の条文なども、教科書に載っているレベルのものであれば、いつ出題されてもおかしくありません。実際近年の入試でも、「一見すると見慣れない統計だが、教科書にはしっかり載っていた」という問題がいくつもありました。

出題する側としても、「教科書にも載っているから出していいはず」という判断をしている可能性は高いと思われます。「教科書が薄いから楽」と考えるのではなく、「薄い分細かく勉強しないといけない」と心得ておきましょう。

 

過去問は貴重な問題集

政治・経済は上位私大レベルになると使用できる参考書・問題集が限られてしまうため、大学の過去問が貴重な演習用問題集になります。

自分が受けるレベル帯の大学の過去問を早めに解き始め、間違ったポイントをノートに書き込むなどして情報を集約させていきましょう。中には参考書に載っていない用語が出ることもありますが、その都度しっかり覚えていくことが大事です。

 

受験できる大学・学部

以下、「政治・経済」選択で受験できる関東の主要私立大学を紹介していきます。科目選択を迷っている人は、自分が受けたい大学・学部が政経で受験できるかどうかを必ず確認するようにしましょう。

早稲田大学

政治経済学部(共通テスト科目として利用可能)
法学部
教育学部(文系)
商学部

 

慶應義塾大学

政治・経済を選択できる学部無し。

 

上智大学

共通テストを利用する形式であれば使用可。独自試験は無し。

 

明治大学

法学部
商学部
政治経済学部
経営学部
情報コミュニケーション学部
国際日本学部

→文学部の個別日程以外では使用可

 

青山学院大学

青山学院大学は、入試制度の変更により、多くの学部で、共通テスト+独自試験という方式に変更されましたが、一部の学部学科を除き、基本的には政治・経済選択者でも受験できるようになっています(詳しくは大学の入試案内をご確認ください)。

 

立教大学

立教大学は、文学部・理学部以外の学部で政治・経済を利用することができます。ただし、日本史・世界史が複数日程で受験可能(文学部以外の学部では最大4回)であるのに対し、政治・経済で受験可能な日程は1日しかありません。もちろんチャンスはありますが、「立教大学に行きたい!」という人は、基本的には日本史・世界史を選ぶのが無難です。

 

中央大学

法学部
経済学部
商学部
総合政策学部(共通テスト併用方式で使用可)
国際情報学部(共通テスト併用方式で使用可)
国際経営学部は英国2教科

→文学部以外であれば政治・経済でも問題無し。

 

法政大学

法政大学は、文学部を含む全ての学部学科で政治・経済の利用が可能です。

 

学習院大学

法学部
経済学部
文学部
国際社会科学部

 

また、成成明学獨國武と呼ばれる大学群(成蹊大学・成城大学・明治学院大学・獨協大学・國學院大學・武蔵大学)や、日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)でも、文学部系統の一部などを除いたほとんどの学部で政治・経済を利用することができます。

※武蔵大学の政治・経済は正誤の細かい問題が多く、このあたりのレベル帯の大学の中でもかなり難しいので、武蔵大学の志望順位が高い人は注意が必要です。

 

こうして見ると、難関大学・有名大学でもかなり幅広い範囲で政治・経済を利用できると言えます。

早稲田・MARCHの文学部系統および慶應・上智を受けにくくなる点、そして立教大学の受験がワンチャンスになってしまう点をどう捉えるかがポイントですが、個人的にはそこまで選択肢は狭まらないという印象です。

 

選択するならそれなりの覚悟を!

歴史に比べるとどうしても「楽そう」に見えてしまう政治・経済ですが、実際に選択すると、なかなかクセが強く、苦労することも多い科目です。もちろん受験戦略上のメリットもあるので、迷ったら色々と相談してみるのがおすすめです!

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