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薬学部の大学による違い ~薬剤師志望と研究者志望で選び方が変わる!?~

 

こんにちは。

大学受験予備校の武田塾中山校です。

 

今回は、「薬学部の大学ごとによる違い」を書いていきたいと思います。

また、最後に、4年制の薬学部を卒業後、大学院に通っている私の感じたことも少し書いてみたので、是非、参考にしてみてください。

 

同じ薬学部なんだから、たいして大学によって差なんてないだろう。

偏差値の高い薬学部を目指せばいいんだろ?

 

と思っている方!

 

薬学部で何がしたいか、将来どうなりたいか、によって、

その考え方が危険な可能性があります。

 

 

 

 

どうして危険なのか

 

偉そうに書きましたが、私も真剣に志望校を考え始まるまでは、高校の志望校を書く紙にこの辺で頭のいい薬学部の大学を上から順番に書いてた人です。

「別にどの大学でも、薬学が学べればいいやー」程度にしか思っていませんでした。

しかし、オープンキャンパスに初めて行った高校2年生の夏、第一志望として書いていた大学よりも、第二志望ぐらいにしか考えていなかった大学の方が私の将来やりたいこと、考え方がに近いことが発覚したのです!

 

 

薬学部は大きく分けて二つの種類があります。

薬剤師」を育成するのか、「研究者」を育成するのか、です。

そもそも大学の方針として、

「研究者」を主に育成しているが「薬学科」しかない

という大学も存在するのです。

しかも、国公立大学にはこのケースが多く見られます。

これは、しっかりと各大学について調べないと見落としてしまいがちです。

しかし、これを見落とすと大学に入ってから、

「こんなはずじゃなかった、、、」と後悔することになります。

これは薬学部に限った話ではないかもしれませんが、しっかりと大学の方針などを調べた上で志望校を定めることが大切です。

 

そこで、大学に入ってから後悔しないためにも、

薬学に対する大学による考え方の違」を今回のブログでは見ていこうというと思います。

 

 

大学のパターン

 

前置きが長くなりましたが、細かく見ていきましょう。

私は、大学のパターンとして3つあると思っています。

それをそれぞれ見ていきましょう。

 

パターン① -薬学科で、薬剤師を育成ー

これは、とても分かりやすいですね。

「薬学科」は6年制で薬剤師の育成を目的として設置されていますから、これは納得がいくでしょう。

このパターンの大学の特徴は、

「薬剤師国家試験を受験するために履修するべき単位が網羅されているだけでなく、国家試験の対策を大学が行ってくれている」という点です。

 

例えば、講義中に演習として過去問を解いたり、定期テストに過去問が含まれている、などです。

また、過去問を1年生のうちから配布されたり、対策講義が行われたりしている大学もあるようです。

国家試験合格を目標としている人は、このパターンの大学に進学すると夢が叶いやすくなると思います。

 

パターン② -薬科学科で、研究者を育成ー

これも、分かりやすいですね。

薬科学科の目的が研究者育成ですから、当たり前です。

このパターンでは、研究室を選ぶと時にサポートが手厚かったり、大学院への進学をサポートしてくれたりします。

講義も国家試験のために、というよりか、研究に必要な考え方や知識を教えるという感覚です。

ここでの注意点は、「薬剤師には基本的になれない」という点です。

しかし、学科から言って薬剤師志望の人が間違えるということは少ないでしょう。

 

パターン③ -薬学科で、研究者を育成ー

これが一番厄介です。

なんせ、分かりにくいから!

薬学科なのに、研究者を育成するなんて、普通思わないですから。

このパターンの特徴は国家試験対策を基本的にはしないという点です。

講義として、国家試験に必要なものは網羅されますが、

国家試験受けるなら対策は自力でどうぞ。っていう感じのイメージです。

 

このパターンの大学の代表が「東京大学」です。

薬剤師の国家試験を受けるのは10人程度で、ほとんど研究に進みます。

このパターンは主に国公立大学に多いので、

「国公立大学薬学部志望で薬剤師志望」

の人は特に注意が必要です。

ここに、薬剤師の国家試験合格のために入ると苦労するのは言うまでもないと思います。

 

 

見分け方

 

色んなパターンの大学があることはわかりました。

では、どうやったら「どのパターンの大学なのか」を見分けられるのか、今度はそれも見ていきましょう。

 

国家試験合格率

まずは、国家試験の合格者率を見てみましょう。

 

第107回(2022年2月実施)の合格率は

1位 金沢大学 (95.24%)

2位 名城大学 (92.51%)

3位 徳島大学 (91.94%)

4位 昭和大学 (90.95%)

5位 医療創生大学 (90.57%)

 

この年の全体の合格率が68.02%ですから、めちゃくちゃ高いことがわかります。

しかし、これが高いからといって「薬剤師育成」に力を入れているとは限りません。

受験者数が

第1位の金沢大学で44人、

第3位の徳島大学で64人、

第5位の医療創生大学で63人と少ないのです。

 

この理由として考えられることは

  1. 卒業時にテストを課し、一定以上の学力の生徒にしか、国家試験を受験させていない。
  2. 国家試験を受験しようと考えている学生が少ない。(研究職志望が多い)
  3. そもそも、大学の学生の数が少ない

1のケースだった場合、国家試験に力を入れていると言えそうですが、

2のケースだと真逆で、研究職育成にちからを入れていると言えそうです。

どちらにせよ、このデータだけで判断するのは難しいでしょう。

 

就職状況

就職状況は各大学のホームページに行くとみることができます。

関東で就職に強いと言われているのは「明治薬科大学」「東京理科大学」「横浜薬科大学」などがあげらそうです。

これらの大学の特徴としては、キャリアセンターが設置されているなど、就職に対するサポート体制がとられていることです。

その中でも、東京理科大学は、研究分野に強かったり、明治薬科大学はバランスが良かったり、特徴は様々です。

これだけで、何に力を入れているのかは見えてきにくいかもしれませんが、

人生で大きな分岐点になるであろう就職に強いというのは大きな魅力かもしれません。

志望している大学出身者がどんな進路に進んでいるのかを調べてみるとその大学の強い分野が見えてきそうですね。

 

大学院進学率

研究職志望の人なら、「大学院への進学」を考えている人も多いのではないでしょうか。

大学院は、

 ①自分の通っている大学の大学院にそのまま進学する場合

 ②他の大学の大学院を受験して入学する

という2つのパターンがあります。

そのため、データとして進学率を出すことは難しいようです。

内部進学が推薦で出来る大学や、外部からの受験を受け入れていない大学院などもあるので、大学院進学を考えている場合は、その辺も調べておく必要がありそうです。

 

実習環境、設備

これは、どんな人材を育成したいかによってだいぶ特徴が表れそうです。

例えば、

「病院薬剤師」の育成に強いのは、附属病院を持つ総合大学です。

(もしくは、そういった大学と提携を結んでいる薬科大学です。)

自分たちの大学の設備を使って実習をおこなえるのですから、実習が行いやすくなります。

 

他には、附属薬局を持つ大学もあります。

附属の薬局なんて聞いたこともないかもしれませんが、

実際に、「慶應義塾大学」や「明治薬科大学」には、附属薬局が存在します。

この場合は、「薬局薬剤師」の育成に強いと言えます。

 

このように、さまざまなデータが各大学から出ています。

1つのデータだけを見るのではなく、さまざまなデータを見比べることで、

「どんな人材を育成したいか」

徐々に見えてくるかもしれません。

 

薬学部を卒業して、大学院に通ってみて

 

私は、4年制の薬学部薬科学科を卒業し、大学院に通っています。

研究職を志しているような人はこのような道を選ぶ人も多いのではないかと思います。そんな人たちの参考になればと思い、実際に通って感じていることを書いてみようと思います。

 

大学院生になって一番驚いたことは、「忙しすぎる!」ということです。

スケジュールだけいうと、週6日(日曜以外)の9時頃から19時まで研究室で研究をしています。

その中で、講義の課題、タイミングによっては就活、インターンなどの準備も入ってきます。

学部生だったころと比較して、忙しすぎる感覚があります。

(ちなみに、夏休みも冬休みも学部生の時には月単位だと思いますが、1~2週間程度です、、)

本当に、「研究がしたい!」と思っていない人にはしんどい生活になってしまうのではないかなと思ます。

 

また、大学院が学部と一番違うところは、

どの大学院に進学するか、よりもどの研究室に所属するか、によって大きく変わってくるというところだと思います。

実際に、私の通っている大学院でも研究室によっては、週に1日来ればいいところもあれば、オールで研究をしているところもあります。

進学前にどんなスケジュールで動いている研究室なのか、の確認は必須だなと感じています。

 

まとめ

薬学」と一言で言っても、色々な考え方があります。

皆さんが「薬学」を志す理由が様々なのと同様に、大学側も「薬学部」を設置している目的は様々です。

実際、通っていても、

私の学校は2年生までは学科に関わらず薬学部全員で講義を受けるため、

周りには様々な考えをもって、薬学に進学してきた人がいます。

  • 「病院薬剤師になってチーム医療に参加したい人」
  • 「将来のために資格は取るが、化粧品の開発をしたい人」
  • 「大学院に進学し、新薬開発の研究に携わりたい人」

などなど。

どの大学に進学するかによって、将来像の実現のしやすさが変わってきます。

もちろん偏差値も一つの大切な指標です。

高い偏差値があれば、その分だけ、選択の幅が生まれてきます。

ただ、偏差値という観点だけでなく、「考え方が大学と合うのか」ということも考えながら、志望校を選んでほしいと思います。

 

以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました(>_<)

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